あだち充「MIX」第9巻の感想

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最新刊の第9巻を読みました。

ん~。もしかしてこのマンガ、あだち充初の「野球漫画」になるのでは!?

 

これまでに、あだち充作品の感想で書いている通り、あだち充は野球(他のスポーツもあり)を用いながら、青春群像劇、ラブコメ・恋愛、友情・青春ドラマ、を主題として描いている。けれど今までと変わらないように見えながらもかなり野球に力を入れている感じ。7,8巻あたりまでは人物紹介とストーリーの背景の説明を兼ねた長めのプロローグみたいな感じで、ようやく高校1年の夏の大会に突入。高校1年から主人公はエースで予選準決勝まで進む。対戦相手はプロ確実の3年生の三田。3年生ということは来年からは大会から消える。そんなキャラクターを脇キャラでない感じで登場させる。ラストは高校3年生の夏の大会まで続けると思うんだけど、こんな感じで行くと野球ドラマが濃いものになるはず。

 

ちなみに、これまでの野球を扱った作品の「野球の結果」を挙げてみよう。

 

「ナイン」 甲子園ベスト8敗退。

「タッチ」 唯一明確に甲子園で優勝。但し、野球ドラマは予選勝利までで甲子園での戦いはバッサリとカット。

「H2」 主人公、比呂の千川が甲子園準決勝で友人でライバルの英雄に勝ち、決勝に向かうバスがラストシーンで、結果は不明。

「クロスゲーム」 予選勝利、甲子園決定で終わり。甲子園でどうなったかは不明。

 

という具合に野球漫画としての終え方は、かなり中途半端。(野球漫画じゃないから当たり前なんだけど)

「MIX」はもしかすると初めて高校3年生の夏の甲子園の戦いもきっちり描いて、優勝まで果たすんじゃないかと思えてくる。

そういう意味で初の「野球漫画」になるかもしれないな、と。

投馬と音美の関係や他のキャラの人間ドラマと、野球ドラマをどちらもきっちりと同じ力配分で描ききるような気がする。

まだまだ全然分からないけど。案外早くスパっと終わったりして。