愛犬 最強伝説 -31ページ目

お別れ

次の日の朝、




起きて


一番にファルが生きてるかを確認した。



夜中にまた
這っていったのか


収納部屋の隙間に頭をまた突っ込んで寝ていた。


その上には


立てかけていた椅子などが散らばっていた。

無理に頭をつっこんだせいか崩れ落ちたみたいだ。



それでも起きる気力はなかったらしい。




いびきも



大きな音だった。





夜寝る前に
弟とネットで調べたところ、ウロウロしたり、頭を狭いところに突っ込んだり、鳴いたりするのは、痴呆の症状だった。




抱き抱えて

部屋に連れていき、


お気に入りの布団にねせた。



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ミルクを飲ませ



鶏肉を茹でて身をほぐしたものを
食べさせた。


食べる気力もないが
口に入れると、
本能なのか
飲み込んだ。






夕方になり、
そろそろ帰らなければならなくなった。

別れなきゃいけない。



私は、なかなか別れられずに、
帰ろうとしなかった。


それを分かって

旦那からは、何もいってこなかった。


でも、自宅へは、3時間はかかる。



旦那に代わって
母が私に言った。




『そろそろ帰らないと……』




うん。








わかってる。








笑顔で
サヨナラしょう。

犬は敏感だから、
私が泣いたら、
ファルは、不安になる。
泣かない。

絶対泣かない。


思えば思うほど




願えば願うほど、



涙はあふれてくる。




昨日、もう頑張らなくていいって言ったのは私なのに………
結局は、まだ死んでほしくないのだ。
ほんとうに、
自分はどうしようもなく、わがままだった。




これが、ほんとに
最後になるかもしれない。



昨日、今日
見てて、
よく生きてるな



そう思った。

今死んでもおかしくないな、そう何度も痛感した。

だからこそ
帰った直後に死んでもおかしくない。





最後の別れ















ファルに近寄って


力強く抱いた。

いっぱい撫でた。

匂いや、毛の感触を忘れないように

沢山

触った。






私は、自他共に認める、負けず嫌い。そして弱いとこを見せない。

家族や、人前で泣くのがだいっきらいで
いつも
人前で泣かなかった。



後ろには
姉や母がいた。




涙はみせない。




なのに、拭いてもでてきて
どうしようもなくなった私は、ファルの顔にすりよって涙を隠した。


『ファルありがとう。ずーっと大好きだからね。今度は、おねーちゃんのお腹に戻っておいでね。来週の土曜日、またあいにくるから。またあおうね』



そう何度もいって



顔をあげると

ファルは、目を開けてきいていた。


ファルの顔は、
涙でぐちゃぐちゃだった。




でも





なんで??????






私は、ファルの頬で泣いたのに




ファルの目頭に

涙があるの………………









私の涙ぢゃない…………















ファルにあえてよかった。




大好き






それしか言葉は


もう出ない。














また来週絶対あおうね。


そういって、



サヨナラした。















車に乗って


泣いてた私に


旦那は何も言わなかった。






意地っ張りな私のための


精一杯の優しさなのだ。




ありがとう。














そして、帰路についた。

自分の気持ち

結局一緒に行った散歩も
帰りは
車にのって帰ってきた。

もともとファルは、
車がすごく好きで
乗せると
興奮しすぎて
跳ね回ったり、
吠えどうしだったのに

その時は、


抱っこされて

ただただ



車の揺れが心地よいのか

穏やかに寝ていた。






ファルを
抱きしめると、

フワッと

いい香りがする。




母は、



旅立つ時に

汚いままではかわいそうだからと、
少し前にトリミングに連れていき、
毎日
排泄物や、鼻血で
汚れるたびに
お風呂で洗ってるので
寝たきりになっても
綺麗なままだった。



それでも


死臭なのか



独特の臭いは、やはり消えなかった。









夜、
皆が寝ても
なかなか寝れなかった。
明日
自分は帰らなければならない。


もしかしたら、
今日

明日しか


もう会えないんぢゃ………




そんな気持ちでなかなか寝ることが出来なかった。





相変わらずファルは、
寝ていた。



ときおり、


起きては、歩きたくてバタバタする。




足は、床擦れができていた。

立ちたくて、
もがくから擦れるのだ








息遣いは、荒く




鼻からは


鼻血とは
違う
塊のような血が垂れていた。









生きててほしい。










お願いだから




生きてて。




もう会えないのはつらい。



触れないのはつらい。












そぅ


思ってた。

ずっと…………………






でも、






彼を見ていたら





自分でも、ビックリするょうな言葉が出た。







腫れてる頭から、


背中にかけながら

優しく


何度も何度も撫でながら




『よくがんばったね。辛かったね。皆が、せめて誕生日までは…って言ったからがんばってくれたんだね。でも、もう楽になっていいんだよ。充分頑張ったから、ファルのタイミングであといいんだよ。ありがとう』















涙は
彼の前では見せないと
誓った私は

涙目になっていたが


ファルは、

目をあけて

聞いていた。




そのあとは、また眠った。

私との最後の散歩



彼の

あまりにも辛そうなすがた。



病院の先生も



彼が生きてる事が信じられないと言ってたが



なにか



生きたいって思うくらい


願いとかぁるのかな………







余命一ヶ月といわれた月を三ヶ月間がんばってくれた彼。



その日は11月2日。

私の子供の誕生日だった。
一緒に迎えられるなんて考えられなかった。





次の日、

フラフラになりながらも
一緒に散歩に出掛けた。
目は見えてなかったらしいが、
いつも行く
寄り道をしっかり覚えていた彼は、
③歩歩いては、立ち止まりそのままねて
また歩く




そんな感じでいつもなら、十五分の道も、一時間かけて散歩した







これが




私とした





最後の散歩だった