私の部下となった課長に、何でも報告させる人がいました。その部下は、自分の知らないところで、自分の部下が勝手なことをすることを許さない人でした。

 

 課長を外した数人の飲み会のような話でも、課長に報告が無いと、怒ってしまう人でした。自分自身が、自分の部下から除け者にされるのを恐れているようにも見えました。私の部下であるその課長には、あなたは大木で、しっかりした幹を持っている、しかし、葉っぱが少ない、風に穏やかに揺れる葉っぱが少ないので日陰を作らない。そんな大木の周りには、人が集まらないのだと、もっと枝葉を身につけなさいと話をしました。具体的には、管理はポイントだけにして、その他のプロセスは部下の自由にさせ、口を挟むのを我慢しなさいと、部下は優秀なので、細かく口を挟まなくても良い結果は出せる、しかし結果責任は管理者がとるのですと話しました。

 

  会社の中では、日報・週報と報告を求められてると思います。私が社長だった時には、海外出張など長期不在もありますから、平均して週の半分近く社内には居なかったと思います。また在席中は、1日の半分近くの会議予定が入ります。多数のメールにも目を通さなければなりません。それに加えて、社長を引き継いだ時には、部長以上が社長に週報を出すことになっていたようで、立派な週報がメールで送られて来ました。社長へ出す週報を書くために、貴重な時間を使っていたようなので、社長への週報は役員からだけに変更しました。 

 

 会社はスピードです。社長が、先週の週報の内容に驚いているようでは勝負になりません。スピードのあるエスカレーションパス(重大事項・緊急問題を察知した担当は、即上司に報告し、その上司は部長、役員に報告、役員が重大と判断したら、即社長に報告する)を作ることです。社長であれば、地球上のどこに居ようが、時間が何時であろうが、会社からの緊急メール・緊急電話に対応しなければなりません。

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