数日前、当福祉施設の地主である、お隣のご主人が、事務所に慌てた様子で来て、事務長直ぐに家に来てくださいと言うのです。彼(お隣のご主人)のお父さんである95歳のおじいさんが、目を離した隙に掘りごたつに落ちて、一人では引き上げられ状態になっているとのことでした。

 

 話を聞いただけでは、一人で引き上げられない理由が分かりませんでしたが、状況を見てこれは確かに一人では難しいと分かりました。体格の良いおじいさんの身体は、掘りごたつの中なのですが、大きな頭が掘りごたつの座卓の部分と床の間に止まっています。長方形の立派な掘りごたつの短辺から、下にずれ落ちたようでした。立派な掘りごたつは、座卓の足の部分が、掘りごたつの床のふちに4辺が組み合わされており、簡単には外せません。しかも頭が下まで落ちてないので、頭が引っ掛かって座卓部分を真っすぐ上には引き上げ、外すことができない状態でした。 

 

 救出作戦として、多少背中に擦り傷は付くかもしれませんが、ずり落ちたのと反対に引きずり上げようとすると、ものすごく痛がります。実は、当日右腕にできた腫瘍を手術したらしく、右腕は触れない状態なのでした。

 

 掘りごたつの重い座卓を上に引き上げるには2人必要で、その間おじいさんの頭を少し持ち上げ支えてくれる人が必要でした。そこで、おばあさんに登場頂き、何とか頭の支えをお願いしましたが、頭は重いのでとか言ってやろうとしません。しかし、すぐにできる策はそれしかありませんので、何とか頭を支えてもらう事を了解してもらいました。

 

 おばあさんが頭を支えることができる短時間に、座卓を真っすぐに数センチ引き上げ、横に数十センチずらして頭を抜いて、座卓外しに成功、その後は、腕は触らず、脇の下に腕を回して引き上げ、無事救出できました。

 

 掘りごたつは塞がないと、このおじいさんは、また落ちるような気がします。一人でいる場合、こたつ布団が掛かった中に落ちる訳ですから周りも気が付きません。ご老人の掘りごたつ利用には注意が必要と思いました。