上司のための、「人が成長する」マネジメント法 -16ページ目

上司のための、「人が成長する」マネジメント法

部下を一人でも持っている方。
自ら考えて行動できる部下の育て方を学んでみませんか?
組織をつくる、人を育てるマネジメントの方法を、
企業向けにアドバイス、コンサルティングしている専門家のショートエッセンスをお届けします。

「親しき仲にも礼儀あり」というが、

いくら親しくなっても、

相手の心の中に土足で踏み込むようなことは避けたい。


友人だから何を言ってもいい、

長い付き合いだから、家族だから、親戚だから、夫婦だから、

という考えは違うのではないか。


けじめがないと、必ずよくない方向に進む。


特に言葉には、細心の注意が必要だと感じる。


何気なく言った言葉が、深く相手の心を傷つける。


言葉の暴力は、ときに身体的に与える暴力よりも長く残るもの。


ある一線を越えた、たった一言で人間関係は壊れ、

組織や家庭はいとも簡単に崩壊してしまう。


上司と部下の関係も同じ。


どんなに親しくても、人間性を否定し、

人格を傷つけることは決して許されることではない。


例えば部下が失敗したとき、

上司がそれを厳しく叱責するのは仕方ない。


失敗した原因や方法は、厳しく追及すればいい。


しかし例えば「君はバカか」「能力がない」

「役に立たない」などとは絶対に言わないこと。


感情のしこりが残らないようにしたい。

ビジネスパーソンの大切な条件の1つは、

いかに素早い行動を取れるか、いかに早く決定を下せるか。


かつては多少、のんびりした時代でもあった。


ところがインターネットが普及し、

世界規模での競争がさらに増した現代は、

1つの心の緩みが1年の遅れになることもある。


1つひとつの仕事において、即断即決していく力量が求められる。


特にリーダー層や、これからリーダーとなる人には、

この能力が非常に重要。


即断とは、言い換えれば、不透明な未来に対して決断を下すこと。


しかも即座に、となれば

相当に覚悟のいることで、怖さも出てくるはず。


しかし、素早く行動を分解し、重点行動を見極め、

すぐに行動していけば難しいことではない。


昔の日本企業では、どっしりと構えるリーダーがよいとされた。


しかし90年代以降は、リーダーが先頭に立って

強い指導力・決断力を発揮し、企業を発展させた。


もし過去の成功体験を捨てきれず、

即断できないとすれば、すぐ改善すること。


どんな小さなことからでも、即断即決する訓練を積んでおくこと。

人は誰でも、自分をよく見せたい気持ちがある。


だが仕事において、その気持ちが過度に出過ぎると

マイナスになっても、決してプラスに働くことはない。


自分の現在の力では

どう考えてもできないことを「できる」と言う。


やらせたところ失敗したというのでは、

信頼をなくすばかりでなく、大きな損傷も考えられる。


同じように、知ったかぶりをする人間も非常に困る。


ポイントは、知っていることは「知っている」と言う。


知らないことは、「そのことについては知りません。

これから勉強します」とありのままに言えばいい。


それは、上司と部下の関係も、上司とその上の関係も同じ。


知らないことは別に恥ずかしいことではない。


恥ずかしいのは、知らないことを知らないまま

勉強もしないで、努力もせずに放っておくこと。


また、知らないのなら「知らない」と正直に言えば、

知らない中から自分で勉強し1つ成果を出したとき、

「知らなかったのに、よくここまで成果を出せたな」

と、その努力は大いに認められる。

ちょっとした一言があるかないか

によってもたらされる結果の差は想像以上に大きい。


特に気をつけたいのが、日々の業務における一言。


例えば、伝票を切る

事務的な仕事を日々やってくれる人がいたとする。


特に事故も起きず毎日が過ぎていくと、

それができて当たり前、

やって当たり前という感覚になってくる。


初めの頃は「ありがとう」と言っていたのに、

ついその感謝の言葉がなくなってくる。


仕事だからやるのが当たり前だとしても、

お礼の言葉が失われてくれば、

その仕事をしている人はどう思うだろうか。


自分の存在感がなくなったように感じるのではないか。


その他、例えばお茶を入れてもらったなら、

そのたびに「ありがとう」と一言添えるべきだろう。


反面、さもそれが当然のような顔をしている

愚かな人、お礼が言えない不作法者がいる。


あなたの職場はどうだろうか。


一言の活発な組織は雰囲気がとても明るく、活気がある。


言葉が人間関係の潤滑油になる。

人と人とのコミュニケーションの中で、

日々必ず使っている言葉がいくつかある。


「はい」「すみません」「ありがとう」

「おはよう」「さようなら」など。


これら日常的な短い言葉は、とても便利。


「ありがとう」という言葉がなければ、

「あなたが私にしてくれたことに対して、

○○という理由で、私は心から感謝しております」

と言わなければならない。


また「おはよう」「さようなら」というあいさつも、

相手への思いやりが込められた素晴らしい言葉。


さまざまな気持ちを一言で表現できる。


この言葉をうまく使えるか否か、が大切なポイント。


例えば、上司に指示された仕事を部下が懸命に仕上げる。


「できました」と持っていった時、

仮に上司が「ああ」としか言わなければ部下はどう思うか。


もし自分がそう扱われたら、

そこに小さな不信感が生まれるのではないか。


ありがとうなどと言わなくても

感謝の気持ちはわかってくれているはずだ、と思うのは間違い。


特に今は価値観多様化の時代。


1人ひとりの考え方が多様なだけに、

言葉にしなければ相手に伝わらない。