小野正一

福島県いわき市出身

1933年9月30日~2003年3月19日

左投左打

 

 

伝説の30勝投手シリーズの第9回は

1960(昭和35)年、大毎オリオンズ優勝時のエース

小野正一投手です。

高校卒業後

社会人野球の常磐炭鉱に入社。

 

長身で筋肉質で左腕の小野正一は、見かけの良さで

投手として見出されたが、その見かけより

運動神経はそんなに良くなかったらしい。

俊敏というより、力仕事が得意そうな感じだったそうだ。

 

入社早々は、あまり肩も強くなく、

投手より長身を生かした一塁手として野球をしたが、

プロで通用する選手とは思われなかったらしい。

 

そこで、連日100メートルの遠投を続け、

センターからホームまで、3バウンドで届く肩から、

3年目にはホームからセンターバックスクリーンまで

120メートルまでの強肩になった。

 

そこで、当時、常磐炭鉱の監督だった

戦前、早稲田大学野球部のエースで、

後に巨人の投手コーチになった谷口五郎が

試しに投手をやらせたところ、オリオンズにスカウトされた。


 

1956(昭和31)年の1年目は4勝だったが、

2年目の1957(昭和32)年には26勝9敗で

当時のエース、荒巻淳を超える活躍で

オリオンズの大黒柱になった。

 

そして、小野正一のハイライトは

大毎オリオンズになった3年目の

1960(昭和35)年のシーズンだ。

 

小野正一投手 1960年全登板

 

この年の小野正一は

68試合登板、33勝11敗9セーブ1ホールドを記録。

33勝のうち21勝はリリーフで上げた勝星。

特に6月は負けなしの10勝4セーブと圧巻だ!

 

小野正一なしでは大毎オリオンズの優勝はなかったかもしれない。

 

その後、緩やかな衰えっていき、

1965(昭和40)年に大洋ホエールズ、

1963(昭和43)年に中日ドラゴンズに移籍したが、

現役晩年には黒い霧事件の噂に巻き込まれ、

嫌気がさして現役引退したと言われている。

 

小野正一投手も

プロ野球の歴史の中で

もっと評価されて良い野球人のひとりです。

 

小野正一 通算投手成績

 

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データ協力 日本プロ野球記録

データ協力 たばともクラシックSTATS鑑賞

 

伝説のシーズン30勝投手列伝⑧杉浦忠投手

伝説のシーズン30勝投手列伝⑦白木義一郎投手

伝説のシーズン30勝投手列伝⑥土橋正幸投手

伝説のシーズン30勝投手列伝⑤権藤博投手

伝説のシーズン30勝投手列伝④杉下 茂投手

伝説のシーズン30勝列伝 ③ ヴィクトル・スタルヒン投手

伝説の30勝投手列伝 野口二郎投手

伝説の30勝投手列伝 藤本英雄投手

驚愕!30勝投手列伝!~前説~30人の全リスト

球団別最後の30勝投手はだれ!!

 

全登板表の読み方・・・左から

・シズ登・・・シーズンでの登板目
・通算登・・・初登板からの登板目
・チム試・・・シーズンでのチーム試合目
・登間・・・・登板日から次の登板日までの間日数(中○日の表現)
  連投は登板日の次の日が登板日
  D連はダブルヘッダーにおいて第一、第二試合での連投
・月日・・・・登板した月日
・相手・・・・対戦したチーム
・ダブル・・・複数試合の順番
  ①、②は第一・第二試合、表裏・チームとも両方全く同じ試合。
  △1、△2は、第一・第二試合、表裏が違ったり、チームが違ったりと変則的な試合。
・球場・・・・登板した球場
・対戦先投・・先発時の相手チーム先発投手
・登結果・・・左側の”先”は先発登板、数字は○番手での登板
       右側の”完”は完投、”降”は途中降板、”封”は完投して失点なく0点に      

      抑えた試合(0点完投引分けでも使用)、”了”はリリーフして、試合最後まで投げた登板
・勝敗・・・・○は勝ち投手、●は敗戦投手、Sはセーブ(セーブが未規定年の場合は、

       独自に印付け、Hはホールド(ホールドが未規定年の場合は、独自に印付け)       

       背景がベージュはチームが勝利、深緑はチームが敗戦
・回・・・・・投球イニング数、背景が黄色はQS(クオリティスタート、回が6以上かつ       

      自責点が3以下の場合に色付け)桃色はHQS(ハイクオリティスタート、       

      回が7以上かつ自責点が2以下の場合に色付け)
・投数・・・・試合での投球数
・打者・・・・試合での対戦打者数
・被安・・・・試合での被安打数
・奪三・・・・試合での奪三振数
・四死・・・・試合での四球数と死球数を合わせた数
・失点・・・・試合での失点
・自責点・・・試合での自責点
・被本選手・・試合で本塁打を打たれた選手、複数の場合選手名の右に数字