和美師 音緒の日本の言葉 10
今日の大和言葉は眺め
「眺め」は眺めるから生まれた言葉です。
同じような言葉で、「景色」、「風景」があります。
美しい景色、風景と出会ったとき、
それを誰かに伝えたくなりますよね。
「名にし負う」
「名にし負う」って聞いたことはありますか?
私は聞いたことがありません。
意味は、「有名な」という古い言葉で和歌に使う言葉で、
日常会話では使いません。
「名」は多くの人に知られている名称のことで、
「し」は強調のための助詞です。
「負う」は背負う、担っているという意味です。
土地を擬人化することで生まれた言葉です。
手紙を書かなくなった現在では、ちょっと使い慣れない言葉ですね。
「海辺」
海の見える風景を表現するときに「海岸」という言葉があります。
「海岸」の意味は陸と海が接するあたりを指します。
同じ海岸見ても、海側に視線を送っているときは「海辺」、
陸側に視線を送ってるなら、「岸辺」、
岸が平らなら、「浜辺」、
更に岸が砂地なら「砂浜」、
岩がごつごつしたところなら、「磯」、
波と浜が触れ合うことに焦点を当てるなら、「渚」、
波が行ったり来たりするところを「波打ち際」
と言います。
海を見た言葉がこんなたくさんあります。
「凪ぐ」
また海に関する言葉ですが、
強い風のせいで海が「荒れる」という表現をしますが、
逆に無風で静かな海を「凪ぐ」と言います。
風が止んで波が立たなくなるという意味です。
漢字で書くと、風と止を足して、2で割ったような漢字ですね。
「舫う」
「舫う」とは、船を岸の杭などに繋ぐことです。
「係留する」と同じ意味ですが、
大和言葉を使うと船が静かに揺らぐ様子まで目に浮かびます。
今日は海にまつわる言葉でまとめてみました。
まだ5月なのに毎日夏日が続いています。
水分をしっかり取って、熱中症には気を付けましょうね。
今日はここまで、音緒でした。