2018年(平成30年)6月中旬、沖縄県国頭村在住時に
琉球犬の夫「アカイントゥラー(オス犬)」と妻「アカイン(メス犬)」の間に

仔犬が10匹産まれた。

「アカイン」というのは「赤犬」のこと。
「トゥラー」は「虎=虎毛」のこと。

琉球犬は
①飼い主以外ではほとんど人に慣れない
②遠吠えをする
③他の犬とあまり仲良くなれない
④沖縄ではイノシシ猟の猟犬
⑤気性が荒い
町では飼いにくいタイプのため飼いにくく居場所を失いつつある。

詳しく知りたければ、こっちを見て。
「琉球犬」って知っていますか?
生きた文化遺産“琉球犬”ブログ

琉球犬は大きく分けると2種類に分けられる。
「トゥラー」という虎毛タイプと、虎毛がないタイプ。

虎毛タイプの「トゥラー」は敏捷性に優れ、

音や嗅覚で動物の気配をかぎ分ける能力があるし、
平坦では時速45㎞で3㎞以上走れるので

イノシシに逃げられることもなく猟犬向き。

沖縄最強の動物は猛毒ハブではなくて「トゥラー」だよ。

「トゥラー」は単独行動で確実にイノシシを仕留められる。
イノシシの首を噛むか、後ろ脚を噛んで倒してから首を噛む。

(我が家の集落での害獣はイノシシ、鹿、ハクビシン、アライグマ…だけど、

 沖縄には鹿やハクビシン、アライグマはいない。マングースはいるけどね)

虎毛がないタイプは「トゥラー」に比べると敏捷性など運動能力が劣るので

猟犬には不向き。
そのため新垣先生は「繁殖用」と私に言っていたが、

昔は「食肉用」だったらしい。

それは他の人から聞いた。

沖縄本島の南部糸満市や宮古島あたりで古老に

「沖縄で犬を食べる習慣ってある?」

と聞いたら知ってる人がいるはず。

「昔、アカイン(赤犬)を食べてた人がいるさ」

と。

韓国や中国でも犬肉を食べるらしいよね。

以下は生後約1か月後に撮影した仔犬たち











 

 

 

 

 

これが父親の凛くん。

人間でいえば高倉健のヤクザ映画に出てくるようなからくり紋々で見た目が怖い。

猟犬としてレジェンドの祖父犬や名犬の父犬の遺伝で狩猟は天才的、

家内に侵入した2m超級の猛毒ハブも瞬時に、しかも3匹も咬み殺している。

 

我が強く、気難しく「ああしろ、こうしろ」とリクエストも多く短気で生意気。

やや人間不信で、従わせようとする私と「言うことを聞くものか」という

凛くんといつもケンカばかりだったな。

 

沖縄では室内や布団、毛布、服、ドライヤー、リモコン、ノートパソコン、

キーボード、マウス、USBなど凛くんの逆鱗に触れて

無茶苦茶に破壊されたモノは数知れない。

 

また、リードを噛み切るとか郵便局やクロネコ便などの配達員を

追いかけ回したり、厳しい飼い主であれば

「もう手に負えない」

と殺処分されていてもおかしくない荒くれものだった。

(私には嚙みついても他の人には嚙まなかったから良かったけど)

 

それが引っ越し後はお互いをリスペクトし合い、信頼し合い、

今では完全無欠のパーフェクトなパートナーになっている。

 

こっちが母親。

「トゥラー」と同じ犬種?と思えるくらい違うタイプに見えるよね。

「トゥラー」同士での繁殖でもこのタイプは必ず半分は出る。

丈夫で甘え上手で賢いけど意地悪な性格のランちゃん。


以下は生後2か月後に撮影した仔犬たち

(上の仔犬画像と順番は違うよ)





この仔犬(メス)は体が小さいので「ハンターはムリかも」と思い残した。





この仔犬(メス)は他の兄弟たちと仲良く出来ないし、脱走癖があるので残した。











 

 

カゴに1匹ずつ入れ軽トラで移動

生後2か月半で、琉球犬保存会新垣先生に8匹を引き取って頂き、
「売れ残るかもしれないな」
と思った小さい2匹(虎毛があるタイプとないタイプ、それぞれ1匹ずつ。

2匹ともメス犬)を残した。
彼女たちが2歳の頃に沖縄から三重県に一緒に引っ越して来た。

 

そのため父犬・凛くんと母犬・ランちゃん、メスの子2頭の

今は4頭と一緒に犬中心の生活環境で暮らしている。

室内飼いだから、全員が8畳間とかのエアコン付き完全個室で家全体が犬屋敷。

8匹の仔犬たちは、新垣先生によると
「みんな良い飼い主のところに譲渡できた」
と言われていたが、その後新垣先生が他界されてしまい、

それぞれの消息は不明のまま…。
みんな元気で可愛がられていればいいけどな…。

さだまさしの「案山子(かかし)」という歌を思い出して

YouTubeで歌を聴くと、
仔犬たちがじゃれ合ったりお乳を奪い合ったり、

それぞれの性格とかを思い出して懐かしさでセンチメンタルになる…。

 

みんな元気で、飼い主たちに可愛がられていればいいけどね。

「案山子(かかし)」(さだまさし)
元気でいるか 街には慣れたか 友だち出来たか
寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

城跡から見下ろせば 蒼(あお)く細い河
橋のたもとに造り酒屋の レンガ煙突
この町を綿菓子に 染め抜いた雪が
消えればお前がここを出てから 初めての春
手紙が無理なら電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ

元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか
寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

山の麓(ふもと) 煙吐いて列車が走る
木枯らしが雑木林を 転げ落ちてくる
銀色の毛布つけた 田んぼにぽつり
置き去られて雪をかぶった 案山子(かかし)がひとり

お前も都会の雪景色の中で ちょうどあの案山子(かかし)のように
寂しい思いしてはいないか 体をこわしてはいないか

手紙が無理なら電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ

元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか
寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る

 

「こぶ湯」というと、
「なに、それ?」
と思うよね、実は私もそうだったから。

私の住む集落から「こぶ湯」まで車で約1時間かかる。
私は高校卒業まではそこの田舎育ちだけど「こぶ湯」聞いたことがなかった。

知っていれば肝臓病で入退院を繰り返して苦しんできた母のために

私は「こぶ湯」の霊水を取りに通ったはずだから。

田舎でも知る人ぞ知る神秘的な霊水は、

スピリチュアルを信じる人にしか伝えてないのかもね。

水晶玉やパワーストーン、タロットカードなど新興宗教や霊能者、

怪しい占い師などが前世の話を持ち出して洗脳し、
水晶や壺を高額で売りつけるような詐欺商法と思われたくないから
スピリチュアルを否定しそうな人にはあえて
「こぶ湯を飲んだら治った」
とか言わないのかもね。

我が家の琉球犬たちは「こぶ湯」の霊水を今でもがぶ飲みするので、

私はおこぼれをもらうだけ。
でも、犬から癒しをもらっているのだから、犬には長生きしてもらいたいから

「こぶ湯」には定期的に霊水を頂きに行っている。



「こぶ湯」の由来
一、この湯は遠く神代時代から湧出して居た模様である。
一、日本書紀に因れば雄略天皇の紀に出ている廬城(いほき)川のほとりに

  廬城部連枳筥喩(いほきべのむらじきこゆ)と武彦の親子が住んで居た 

  この人は湯座の職の頭目で婦人をして子供を湯船に入れて居た事が

  記されて居る
一、この湯舟は石器時代に石のみで掘られたものである
一、この霊泉は皮膚病によく効くが

  特に瘤(こぶ、いぼ)が奇妙に落ちることから

  人呼んで諏訪さんのこぶ湯と謂う
一、この霊泉を飲めば産婦の母乳が良く出ると謂ふ
一、亦この霊泉は〇病に効くと謂ふ
家城神社社務所


と看板に書かれている。
(最後の「〇病」については字が消えかかって読めない、

 ここが肝心なんだけどね…)



日本書紀では雄略天皇の記述で「子部(こぶ)湯」が出てくる。

第21代に数えられる天皇で、

日本書紀によると雄略天皇の在位は西暦456~479年。

中国史書に「倭国」として登場するこの時期の日本は、

各地で巨大な前方後円墳が営まれる古墳時代であり(仁徳天皇は第16代)、
豪族たちによる激しい権力抗争が繰り広げられていた。

雄略天皇は后・妃に桑の葉を摘みとらせて、養蚕をすすめようとした。
そこで、スガル(天皇に仕えた人)に命じて国中から蚕(こ)を集めさせた。
ところが、スガルは勘違いして、嬰児(わかご)を集めて天皇に捧げた。
天皇は大いに笑われて、

「嬰児(わかご)はお前自身で養いなさい」

と言われた。
スガルは嬰児(わかご)を養育することになり、

少子部連(ちいさこべのむらじ)の姓を賜わった。

このことから、「子部(こぶ)湯」と呼ばれるようになったというのだけど、
看板の「由来」には
「こぶが落ちるからこぶ湯」
と書いてあり、この違いって何なの?

「蚕(こ)」を「嬰児(わかご=3歳くらいまでの幼子)」と間違えたという

笑えないギャグみたいなエピソードの真偽はわからないけど、

古事記や日本書紀から「こぶ湯」が連綿と受け継がれていることはすごいこと。


そして霊水をもらいに来る人の

「余命宣告をされた」

とか

「医師が見放した」

とかの末期の人が「回復した」とか「完治した」といった話を聞いていても、
もちろん「こぶ湯」以外でも生活習慣の改善とか

いろいろ複合的な行いがあって「改善した」のかもしれないけど、
効き目がなかったらわざわざ遠くから来ないはず。

実際に凛くんの胃潰瘍は約1か月で完治した。


「信じる人はだまされる」
より
「信じる人は救われる」
でありたいな。


霊泉「こぶ(子部)湯」で胃潰瘍が完治!①

家城(いえき)神社(三重県津市白山町南家城)の境内、

というか雲出(くもず)川のほとりに
「こぶ湯」という霊泉がある。

「湧き出ている」
というより
「浸み出ている」
に近く、
塩ビ管からチョロチョロと流れ出てくる。

この霊泉は三重県内だけでなく大阪府や和歌山県、愛知県あたりからも

取りに来る人がいる。

そのくらい霊験あらたかな、腫瘍や癌にも効果があると言われ、

過去テレビ番組でも紹介されている。

霊泉代は無料だし、駐車場代もない。
というより駐車場は無いから近くの農道に停めるとか、

離れた場所に停めて持ち運びするとか。



琉球犬4頭は沖縄から三重県まで飛行機で一緒に引っ越してきた。

旅客機は円筒形の胴体の上半分が客室、下半分が貨物室というのが

一般的なレイアウト。


琉球犬は中型、大型犬だから金属製の檻に入れられ、

脱走できないように檻をネットで囲われ、
さらにロープで厳重にグルグル巻きにされてしまうのだ。

 

犬たちはさぞ恐怖だったに違いない。

貨物室は轟音のエンジンにほど近いから、

犬たちは田舎に到着後しばらく心身が病んでいた。

 

メス犬は生理がその年止まったり、半年遅れたりした。

年長の凛くんは引っ越し後から吐血するようになり

動物病院では重度の胃潰瘍と診断された。

凛くんは薬を飲まない。
というか食事に薬を混ぜても、薬だけを食器に残してしまう特殊な技があり、
神仏にすがる思いで「こぶ湯」を飲ませることに至ったのだ。



「こぶ湯」は「湯」ではなく冷水。
硫黄臭があるが、凛くんは抵抗がないようでがぶ飲み。

犬は肉食動物なのでビタミンやミネラルの補給として、
あるいは腹痛や吐き気など不快感を嘔吐で解消するため草を食べることがある。


犬自身が体調回復のために良いものを取り込もうとするのは本能といえる。

そういう意味では「こぶ湯」をがぶ飲みするのは

「効果がある」と認識したからに違いない。

実際に、毎日がぶ飲みしたら半月ほどで吐血が止まり、

約1か月に動物病院に行ったら不思議なことに胃潰瘍は完治していたのだ。



「こぶ湯」を取りに来る人はけっこう多い。
先客がいたり、次の人が来たり…、

とにかく霊泉はチョロチョロとしか出ないから
先客や次の人と話をすることがよくある。

「どこから来たのか?」
「どこが悪いのか?」
「〇〇が治った」
などの話が多い。

2リットルペットボトルが一杯になるまで約3分。
20リットル水タンクだと30分もかかる。

遠くから来る人は20リットルポリタンクを何個も持ってくる人もいる。
(立札には「1人20リットルか30分以内」と書かれているけど…)

霊泉は川のほとりにある。
ここから車を停めてある場所まで急坂を登らなければならない。


霊験あらたかの効き目があるにしても、年寄りにはそれが苦痛で
年配者は20リットル水タンクより2リットル、4リットルペットボトルが多い。

私は4リットルの6~8個。
両手で1個ずつ持って上がるのもけっこうしんどいよ。



テレビ番組で紹介されるとしばらくは行列になり、

深夜でも並ぶ時があるらしいが、付近は街灯もなく真っ暗闇のはず。

「ウソだと思って」
というより、
信じない人は飲んでも「ただの水」だと思う…。

また、割り込みなど順番を守らない人や

上に運んで仮置きした水入りペットボトルを盗む人とかもいて、
(私はペットボトルを盗られた。水くみ場で立ち話してたクソジジイに…)
こんなクズは天罰はあっても快復はあり得ないはず。
こういうクズは「徳」より「得」の生き方なんだろうね。


次回②に続く。
 

GWの5月2日(火曜日)、東京ドームで行われたプロ野球の

巨人VSヤクルト戦で、ヤクルトの山田哲人選手が

6回表にレフトスタンドに今シーズン3号本塁打を放った。

このホームランボールを最初に拾い上げたのは小学生の男児だったが、

それを奪い取ったオッサンがいて、
その場面がテレビ中継されていたのだ。

そのオッサンは、
「なんか山田哲人のホームランボール 捕らせていただきました」
と自身のTwitterで嬉しそうに報告。
アカウント名が「もっちー」。

アイコンがTwitter、インスタと同じだったことで、

たちまちFacebookも特定され
そのアカウントには「もっちー」の本名が。

Twitterには多くの過去画像もあり、

甥と野球観戦に行った投稿もあったことから、
彼も
「甥のためにホームランボールが欲しかった?」
という意見もあるけど…。

男児のホームランボールを奪い取るのはあまりにも大人げない。

当然のことながら彼のTwitterはたちまち大炎上し、

彼はあわててTwitterアカウントを削除したがあとの祭り。
今でもFacebookは閲覧できる状態らしい。

私は見たくもないし見ないけど、

大騒ぎのネットでは「もっちー」画像などが拡散し

彼の年齢や住所、マンションの家賃、家族と同居して独身だとか

派遣社員とかも判明してしまった。
怖い世の中だね。

 

金運を失い破産してゲッソリ痩せた秋元康、

あるいは特殊詐欺事件でフィリピンで捕まったメガネルフィが

刑期を終えてシャバに出てきたみたいな、そんな冴えない感じの男。

 

「人の噂も七十五日」

というけど、ヤクルトファンの怒りを買った「もっちー」は、

今後3年くらいは野球場観戦は危険過ぎて行けないはず。

Twitterを削除したことから、彼の自宅付近に直接出向く人もいそうだし、

派遣会社や派遣先に苦情電話をしまくる人も出そうで
警察沙汰になるようなトラブルがなければいいけどね。

 

仕事先まで特定されるのは時間の問題だけど、そこに苦情電話が多ければ

彼は一時的に職を失う可能性だってあるはずだ。

ホームランボールを盗られた男児は特定されていないが、

せっかく拾ったホームランボールを大人に横取りされた男児の

精神的ショックは計り知れない。


ヤクルトは球団HPなどでこの男児に名乗り出るように案内を出して、

選手のサイン入りボールやユニフォームを贈呈するとかやってあげればいいのに。

 

この男児はスワローズのユニフォームを着ていたヤクルトファンなんだから。

(横取りしたオッサンも熱烈なヤクルトファンでユニフォーム着用だった)

 

男児に何らかの救済措置があれば、

「禍を転じて福と為す」

男児だってますますヤクルトファンになるはずだ。



新型コロナウイルスの感染拡大以降、

行政の自粛要請に応じない人や店舗へ攻撃する風潮が強まった。

世の中の秩序を保とうという「正義感」から、

「自粛警察」「マスク警察」「帰省警察」

などと呼ばれる人たちが現れ
マスクを着用していない人を見つけてはどなりつけたり、

時短営業に応じない店を中傷する貼り紙をしたり、

県外ナンバーの車を傷つけたり、東京からの帰省に目くじら立てたり、
ウレタン製マスクを認めず不織布マスクの着用を強いたり、

店舗などに入る前に消毒をしているかどうかを監視したりするなど

全国的に嫌がらせが相次いだ。

 

今回の「もっちー」事件はこれを思い出した。

日本人は縄文時代後期から農耕民族として

「村」という共同体を作り田畑を耕して生活してきた。

村の掟や規律を破れば「村八分」となり「村」から締め出されてしまう。


そのため、周りと共同歩調し、足並みを揃えることが重要視され、

日本人は「個性」は尊重されず金太郎飴のように

「皆一緒」「出る杭は打たれる」という価値観を形成してきた。


日本人、特に田舎では「世間体」を気にするのもこういう背景があるから。

少数意見を持つ人に対して、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう、

 暗黙のうちに強制することを「同調圧力(同調バイアス)」というが、
同調圧力が悪く働いてしまうと、わずかな違いを見つけて攻撃したり、

異論を排除する方向に働いてしまう。



「間違っているから、教えてあげよう」
という正義感の根底には、
「~すべきだ」「~であるはず」

という期待や、

信念が裏切られた「怒り」や「憤り」の感情があるというが、
「コロナ禍でマスクを着用しないのはおかしい」

「感染拡大時期の帰省は止めるべきだ」
という怒りや憤りが、

そのまま「マスク警察」や「帰省警察」を生んでいるわけではない。

「夫婦げんかでイライラ」

「仕事や勉強がうまくいかずムシャクシャ」

「上司に認められず不満」

「給料が安くて腹立たしい」

…、
発散されない怒りを抱えた人が「正義」の名の下にはけ口を見つけただけで
「自粛警察」「マスク警察」「帰省警察」
は正義の味方や月光仮面のようなヒーローではなく、

八つ当たりや憂さ晴らし、うっぷん晴らし、
ありがた迷惑の要らぬお節介に他ならない。

その証拠に、

「自粛警察」「マスク警察」「帰省警察」

らには恐怖や迷惑の対象として疎(うと)まれるが、
称賛されることはほとんどない。
子どものいじめっ子と同じ構図なのだ。



WBCの日本VSオーストラリア戦の初回、
大谷翔平選手が右翼席の看板を直撃する3ランを放ち、
福島県の女子大生が貴重なホームランボールを拾い上げた。


隣の人が「ボールを撮影したい」と言うと女子大生は躊躇なくボールを渡した。


ボールは次々に横の観客に手渡され、

やがて価値あるボールは女子大生に無事に戻ってきて美談と報じられた。

小学生の男児からホームランボールを奪い取った「もっちー」は猛省し、
そういう優しさや心のゆとりを見習うべきだと思う。

 

MLBではホームランやファールボールを取った大人が、

近くの子どもに自然に渡しているのをよく見かける。

そうあってほしいよね。

同時に、ネットで「もっちー」を叩く人たちも、

怒りを発散させるターゲットを探すより
徳を積む大谷翔平選手を見習い自らの価値観を高める努力をすべきだと思うよ。
 

爽やかで心地よい風にポカポカ陽気、過ごしやすい季節になった。

犬散歩中の道路沿いやあぜ道に濃紅色のノアザミの花が目立つ。

私が高校生の時に亡くなった母は

伊藤久雄の唄う「あざみの歌」が好きだったので、
春に咲く濃紅色のノアザミの花を見ると母を思い出す。

「あざみの歌」歌詞
「山には山の愁いあり
海には海のかなしみや
ましてこころの花園に
咲きしあざみの花ならば
高嶺(たかね)の百合のそれよりも
秘めたる夢をひとすじに
くれない燃ゆるその姿
あざみに深きわが想い
いとしき花よ 汝(な)はあざみ
こころの花よ 汝はあざみ
さだめの径(みち)は果てなくも
香れよ せめてわが胸に」




「あざみの歌」作詞家の横井弘は

1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲で自宅が全焼。
同年6月に召集され茨城県で初年兵として沿岸防備隊に。

8月15日の終戦で軍隊から復員したものの、

戦後のどさくさで帰る家を失くし、知人のいた長野県下諏訪町に転居。
湖畔や周囲の山々を歩き詩作にふけった。

長野県の霧ヶ峰の国定公園、八島ヶ原湿原、車山湿原、踊場湿原の

3つの湿原は天然記念物に指定されているが、
横山は八島ヶ原湿原で野に咲くアザミの花に、

自身の思い抱く理想の女性の姿をだぶらせて綴ったのが「あざみの歌」。
昭和の名曲だよね、母がよく口ずさみ、そのせいか私もこの歌は大好きだよ。



アザミの花言葉は「私に触れないで」「安心」「独立」「厳格」「高潔」。

「美しい花にはトゲがある」
というように、アザミの葉には鋭いトゲトゲがある。

アザミはスコットランドの国花。
スコットランドは8世紀~13世紀、ヴァイキングの侵攻に苦慮。

深夜に侵入してきたヴァイキングの兵士が刺のあるアザミを裸足で踏み、

痛みに耐えかねて大声を出したことで、
スコットランド兵がその侵入に気が付き敵兵を撃退したことから、

アザミは勝利の花として称えられ

「アザミはこの国の象徴となった」

というのだけど、


花言葉の「私に触れないで」は、

触れると危険なトゲにちなんでつけられたもの。

アザミの花言葉「安心」「独立」「厳格」「高潔」も、

トゲで周囲の危険から身を守るというスコットランドの逸話に

ちなんでいるんだね。




アザミは、キク科アザミ属およびそれに類する植物の総称。
分布地は北半球の温帯で、世界には250種以上のアザミが存在。

日本にも100種以上あるらしい。

日本での開花期は4~10月頃で花色は紫や赤が多いが、白や青の花もある。



これは沖縄のアザミ「シマアザミ」、海岸に分布する多年草。

本土のアザミと比較すると「シマアザミ」の花は白かピンクがかった白色で

葉もトゲも大きい。


沖縄では冬以外は裸足にサンダルだからシマアザミ付近は痛くて歩けんさ。



うちなーぐち(沖縄方言)では
「でぇーじ、あがー(とっても痛いよ)!」
なんて瞬間的にこんな言い方したら
「うちなーんちゅ やっさー(沖縄の人だろ」
と言われるはず。



「アザミ」という名前も葉のトゲが由来しているらしい。


諸説あるが「アザミ」を摘もうとするとトゲが刺さり痛くて驚くことから、
「驚きあきれる、興ざめする」
の意味をもつ古語「あざむ」が語源といわれている。



アザミの名は古事記や日本書紀はもちろん、

万葉集、古今和歌集でも見当たらないし、
三大随筆「枕草子」「徒然草」「方丈記」にもありそうで出てこない。
昔から野にある春の花なのに。

10世紀初頭、平安時代の南都(奈良)の僧・昌住(しょうじゅう)が編纂した

日本最古の漢和辞典「新撰字鏡(しんせんじきょう)」に

アザミは「阿佐弥」と出てくるのが最初?


葉のギザギザの切れ込み「ギザ」が「ガザ」になり、

さらに「アサミ(=阿佐弥)」に転じた。
「ミ」は実のことというのだが…。

平安時代中期の辞書「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には

「葉には刺多し。阿佐美」

と出ている。

明治時代、日本初の近代的国語辞典「言海」の編纂者・大槻文彦は、

アザミについて
「葉にはとげが多く、うっかりこれにふれると痛い目に合う、あざむかれる、

これから来ているのではないか」
との仮説をあげている。



アザミの乾燥した根は、漢方として
「2~4 gを煎じて、1日3回服用」
すると、
「利尿、神経痛」
に効果があり、
「はれもの」
には生の根をすりつぶして、患部に直接貼る。
「健胃薬」
には、
「1日量として乾燥した根 15 gを煎じ、3回に分けて毎食前30分に服用」
する、と。

興味がある人はやってみて。



北原白秋 「おもひで」より

「薊(アザミ)の花」

 今日も薊(アザミ)の紫に
棘(とげ)が光れば日が暮れる。
 何時(いつ)か野に来てただひとり
泣いた年増(としま)がなつかしや。



「富士に在る 花と思えば あざみかな」高浜虚子
「花は賎(しず)の めにもみえけり 鬼薊(あざみ) 芭蕉
「わが儘(まま)に のびて花さく 薊(アザミ)かな」 永井荷風
紫の 花に刺(とげ)ある 薊(あざみ)哉」正岡子規
振袖を かざして通る あざみ哉」 正岡子規
「世をいとふ 心薊(アザミ)を 愛すかな」正岡子規



「薊(あざみ)の花も一盛(ひとさか)り」
これは、
「器量のよくない女性であっても、

 年頃になるとそれなりの魅力や色気が出るものだ」
という喩えとして使われた言葉。

現代ではセクハラだよね。