タローは10か月になりました。
 9か月までは、体調不良と言えば予防接種の副反応くらいで、病気をすることはありませんでした。

 しかし、最近、生まれて初めて夜中に39度近い熱を出しました。朝になって小児科クリニックに連れていくと、原因は不明ながらごくありふれた感染症だろうという見立てでした。のどが赤く腫れているとのことです。

 熱冷ましの坐薬を処方され、熱があっても必ずしも飲む必要はない。熱が高くても機嫌がよければそのままで大丈夫と言われました。

 でも、午後になってもタローは泣き続けているし、離乳食を食べず、おっぱいも水も飲まないので、坐薬を使いました。

 すると、数時間で体温は平熱に戻りましたが、相変わらず泣き止まず、何も食べず、何も飲みません。夜中も泣きどおしです。


 

 翌朝、ベトナム嫁にせっつかれて再び小児科クリニックを受診します。
 今度は腕や足などに発疹が出ていたことから、手足口病と診断されました。何も飲まないのは、口の中に水疱ができて痛いからなのだそうです。
 少しずつでもいいから水分を取らせるようにとのこと。

 割と元気そうだねと先生には言われました。なぜかタローは家では泣き続けるのに外に出ると泣き止むのです。診察室でも泣いたりせずふつうにしていたので先生にはそう見えたのでしょう。

 手足口病にもまた薬はありません。薬をもらえないことでベトナム嫁がご立腹。「ベトナムだったら抗生物質を出してくれる。日本の医者はどうして何もしないんだ」。



 

 ウイルス感染に対して抗生物質は効果がないし、耐性菌が増殖するなどの問題を引き起こす可能性もあるから、抗生物質は出すべきではありません。
 嫁に限らず日本の医療に対して不満を抱くベトナム人は多いようですが、その大部分はこのような無知から来ているのではないでしょうか。

 家に着くとタローはとたんに泣き出します。夜になっても泣き止まず、夜中も泣き続けるので嫁も私もひどい寝不足です。おっぱいを上げようとしても飲まないし、いつまでも泣き止まないので、嫁はイライラしてタローに当たります。

 しかし、この日の夕方頃になってようやく快方に向かいはじめ、泣くのも断続的になったのでホッとしました。

 次の朝には機嫌もよくなり、いつものタローが戻ってきました。ただ、手足や顔にはまだ発疹が出ています。

 初めての発熱で今までに経験したことのない苦しさ・不快感のため二日二晩泣き続けたタロー。手足口病はありふれた病気ですが、本人はさぞしんどかったことでしょう。

 泣き止まないタローに二日二晩付き合った私たち夫婦も大変でした。

 しかし、子どもを育てていくうえでこんなのは序の口なんでしょうね。

 前回見学に行ったものの建物の中を見学できなかった保育園に再び行ってきました。

 前回は私たち3人だけでしたが、今回はもう一組のお母さん・赤ちゃんといっしょになりました。
 ちょうど園児たちがみんなで行事の準備をしているところだったので、前回と違ってタローが取り囲まれることはありませんでした。



 

 検温とアルコール消毒の後、施設の中に案内されます。
 0歳児の部屋から5歳児の部屋まで。給食室は窓からのぞきます。

 トイレの便器が子ども用で小さくてかわいいものでした。自分も幼稚園に通っていたときはあんな便器を使っていたんだろうなあと妙なところで感慨にふけりました。もちろん全く記憶に残っていないんですけど。

 ひと通り室内を見て回った後、事務所でお話を聞きました。
 週に1回か2回英語の先生が来てくれる、人前で意見を述べる練習をするなど、今の保育園はいろんな工夫がされています。
 栄養士さんが常駐していて食事のアレルギー対応もきちんとしているそうです。
 昔はそんなこと考えられていなかったと思うのですが、アレルギーの子どもはどうしていたんですかね?

 質問はありますかと聞かれましたが、前回の訪問で聞きたいことはあらかた聞いてしまったので特に追加質問はしませんでした。
 家から近いし、園庭は広々しているし、ここに通えたらいいなあと思いながら保育園を後にしました。



 

 この保育園は来年の4月まで空きが出ることはなさそうです。
 タローの入園が遅れるとその分ベトナム嫁の無収入期間が長引くわけで、稼ぎの悪い旦那としてはできれば早く保育園に入れたいところです。
 他に通えそうな保育園をいくつか見学するべきでしょうね。
 それに、保育料がいくらになるのか、まだ全く調べていません。とても気になります。

 ベトナム嫁のリクエストで、Fisher Priceのジャンパルーというおもちゃ(?)を買いました。
 こういうやつです。

 


 

 

 

 赤ちゃんが座った状態で周りのおもちゃで遊んだり、ジャンプしたりして楽しむものです。
 
 買ったばかりの頃は、遊び方がわからなかったのか反応が今一つでした。赤ちゃんが座っておろした足のつま先が床に着くくらいの高さがちょうどいいのですが、タローはなぜか両足を浮かせてしまっており、ジャンプしません。足を伸ばせばつま先が着くくらいの高さなのにもかかわらずです。

 それでも1週間たつ頃にはタローも両足を着けてジャンプするようになりました。
 ジャンパルーのいい点は、これに座っていれば赤ちゃんがどこかに移動してしまうことがなく、親が目を離しても安全だということです。
 放っておくと動き回ってハラハラする赤ちゃんでも、安心してトイレに行ったり家事をしたりすることができます。

 その日の朝もタローはジャンパルーで遊んでいました。私がつきっきりでかまっていたこともあり、かなり機嫌がよく、笑い声を上げながらジャンプしたり周りのおもちゃをいじったりしていました。
 20分くらいたち、これ以上長くここに座らせておくのはよくないかなと思い、タローを抱き上げました。
 すると、タローの太ももに何かが付いています。

 


 何てこと! ウ○チがべったり左の太ももに付いているじゃないですか! おむつから大量に漏れています。
 着ている服にもかなりの量が付着しています。
 さらに持ち上げると両足のつま先にも少し付いています。
 うわっ! ジャンパルーのシートカバーにも!

 拭き取らなきゃ。でもタローを床に下ろしたら今度は床にも付いてしまう。
 とりあえず太もものだけをペーパータオルでふき取って、あとはお風呂場で何とかしようか……。

 軽いパニック状態に陥った私はそばで寝ていたベトナム嫁に助けを求めました。
 足で蹴って起こします。
 眠そうにこちらを見るベトナム嫁。
 「漏れた。ウンチが漏れた」と言うと、即座に事態の重大さに気づき、「なんでもっと早く言わないの!」と服を脱ぎながら「すぐお風呂へ!」。
 大量に付着しているウンチだけはなんとか取り除いて、先に風呂場に入った嫁にタローをパス。

 


 

 嫁がタローの体を洗っている間にジャンパルーを確認すると、シートカバーだけでなく本体にもいくらかウンチが付いていました。
 シートカバーに付いた分はペーパータオルでふき取り、カバーを本体から外します。
 本体に付いた量は少ないので、ペーパータオルで拭った後、アルコールのウエットティッシュで念入りに拭いて消毒します。
 幸い、床には付いていないようです。

 あとは服とジャンパルーのシートカバーをよく洗えば大丈夫そうです。
 あーあ。どうしてこんなことに。
 朝タローのおむつを替えたのは私でした。替えるときに履かせ方を失敗したのでしょうか。鼠径部からも腰からも両方から漏れてしまっていたようです。

 風呂から上がった嫁に、「ごめん。おむつを替えるとき失敗したみたい」と謝りました。
 すると嫁は「違うよ。ウンチがいっぱい出ておむつの中がいっぱいになっているときに何度もジャンプしたりして上下に動いたからおむつからはみ出ちゃったんだよ」と。

 そうか! たしかにそうかもしれない。
 気持ちが少し軽くなりました。

 ウンチが付着したシートカバーと服を風呂場でたらいを使って洗い、ほぼきれいになった状態で洗濯機に入れました。

 干して乾いてから取り込んだのを見ると、服の方には少しだけ黄色いしみが残っていました。

 

2022年7月12日追記
 おむつ漏れの原因ですが、よく考えると次の3つが複合的に作用した結果だと思います。
1)おむつの履かせ方がよくなかった。
・鼠径部にきちんと合わせていなかったようです。そのせいでそこから漏れてしまいました。
2)うんちの量がすごく多かった。
・前の2日間、タローはほとんどうんちをしていなかったので、このとき一気に大量に出てしまった。
 そのせいでおむつの中がうんちでいっぱいになってしまった。
3)ジャンパルーで股の部分が押さえつけられていた。
・鼠径部に隙間があるおむつの中がうんちでいっぱいになり、さらにジャンパルーに乗ることにより下から圧迫された。

 1→2→3という順で悪条件が重なることにより、盛大におむつ漏れを起こしたのです。
 でも、2と3は仕方ないことなので、やはりきちんとおむつを履かせてやらなかった私がいちばん悪いですね。
 ジャンパルーは決して悪くないです。買ってよかったと思っています。

 保育園の見学に行ってきました。
 家から歩ける距離にあるところです。


 ベビーカーにタローを乗せ、ベトナム嫁といっしょに門の前まで行き、約束の時間ちょうどにインターホンを鳴らすと、「お待ちしていました」とすぐに保育士さんが対応に出てきてくれました。

 


 ところが、新型コロナ感染者が出たため室内の見学はできないとのこと。
 室内の設備や雰囲気などは保育園見学で必ずチェックしなければならない事項です。
 がっかりしましたが、庭に立ったままお話を聞くことにします。

 すぐ横では3歳児たちが土いじりをしています。
 庭の一角に菜園があり、園児たちが野菜を育てているのだそうです。
 ベビーカーに乗ったタローの姿を見て、園児が集まってきます。
 口々に「可愛い!」と言いながら0歳児に興味津々の様子です。
 いやいや、あなたも可愛いですから。


 タローに触ろうとする子がいると、「見るだけね。触っちゃダメだよ」と保育士さんが止めてくれます。

 話を聞いているうちに、他のクラスの園児たちも庭に出てきて走り回りだしました。

 


 おむつの持参や持ち帰りのこと、ミルクのこと、緊急時の連絡方法のことなどいくつか質問をします。
 室内の見学をさせてもらうために、来週か再来週にまた連絡をすることになりました。

 園児たちはみな明るく元気だし、なかなかいい保育園なのではないかという印象でした。
 何よりも家から近いのがいいです。

 見学のお礼を言って帰るときにも、たくさんの3歳児たちに見送られました。
 帰り道、「ね、0歳児は保育園で人気者なんだよ。空きがあれば早めに保育園に入れてもいいんじゃない?」と言うと、嫁は「それはタローを見るのが初めてで珍しかっただけ。他の0歳児が押し車に乗せられて庭に出てきたときにはみんな関心を示さなかったじゃない」と冷静でした。


 嫁はタローをできるだけ長く手元に置きたがっています。
 散歩で立ち寄る公園で見る保育士さんたちの子どもの扱い方が気に入らないらしいんです。
 だからいい保育園を選ぶことが重要なんですよね。

 


 自分としては嫁にはなるべく早く仕事に復帰してもらいたいのですが、来年の4月までに保育園に入れる可能性は低いようです。

 前回の投稿から2週間ほど間が空いてしまいました。
 いろいろなことがありました。

 まず、タローは寝返り返りができるようになりました。
 ですが、それをしたのは1日だけで、最近は寝返りまでで止まっています。
 
 先日はBCG接種をしました。
 中に何本かの針が出ている丸いハンコのようなものを左腕上腕の真ん中あたりにお医者さんが2回押し当てます。
 タローはもちろん大泣きです。

 


 私が気になったのは、BCGってもっと肩の近くにするんじゃなかったっけ? ということです。


 このクリニックに何となく不信感を抱いている私は、医者が失敗したんじゃないかと思いました。


 目立つ場所にBCGの跡を一生抱えることになるタローがかわいそう。


 でも、気になってネットで調べたところ、上腕外側のほぼ中央部に接種することと決められているんだそうです。肩部に行うとケロイドを生じやすいとのこと。そして、これが決められたのは昭和42年。


 自分のBCG接種跡が肩近くにあるものだから、それが正しいと思い込んでいました。
 じゃあ間違いじゃなかったんだ。先生、疑ってすみませんでした。

 そして、5月5日は初節句でした。


 お宮参りやお食い初めなど伝統行事を今までまったく行ってこなかった我々ですが、初節句は何かしてやりたいと思いました。そこで、和服っぽい赤ちゃん服をアマゾンで購入し、それを着せて神社にお参りに行きました。


 プロに写真を撮ってもらうことも考えましたが、タローの誕生に合わせてミラーレス一眼を購入していたので、自分で撮影することにします。


 でも、これだと嫁とタローはいいとして、私を入れて撮るのが難しい。
 結局、自分をいっしょに写すのはスマホでということで妥協しました。

 家から電車で一駅のところにある小さな神社に出かけ、私が一人で拝礼します。
 「タローがずっと健康でいますように。幸せな人生を送りますように」と祈ります。

 


 ベトナム嫁はカトリックなので、神社に入ることは入りますが、拝礼はしません。

 お腹を空かせたタローに境内で嫁がミルクをやっていると、「可愛いねえ」とおじさんが話しかけてきました。和服っぽい見た目の服を着ているので目立つのでしょう。


 帰りの駅で改札の外に立っていたときも、改札から出てきたばかりのおばさんが足を止めて、「まあ、可愛い!」とタローに見入っていました。


 こういうとき、ふつうの日本人は、話しかけては来ても赤ちゃんに勝手に触ったりはしません。私も触ってほしくありません。


 でも、嫁はそういうのを全く気にせず、むしろ赤ちゃんに触ろうとしない日本人のことを冷たいと言います。


 ベトナムだったら他人の赤ちゃんを撫でたり抱いたりするのが当たり前みたいです。


 こういう他人との距離感も日本とベトナムとで大きく違うところですね。
 

 
 最寄り駅に戻ってきて、近くの和菓子屋さんで柏餅を買って家に帰りました。
 家では、ちりめん製の兜と鯉のぼりのミニチュアといっしょにタローを撮影しました。
 ささやかなタローの初節句です。