木星も土星も太陽系の惑星の中では、比較的ゆっくりと動く星であるから、この二つの星が接近することは、なかなか起こらない。
天文学的にもユニークな出来事と騒がれているが、では占星学的にはどうだろうか?
ただ近づくと言っても本当に物理的に近づくという訳でなく、あくまで地球から見ての話だ。
単なる天体ショーとしてニュースでは扱われているのだが、星の意味を知る私たちにとっては、もっと深い意味として捉えたい。
木星は、ジョーティシュでは『知識、先生、幸運』などという象意があり、とても良い星の一つである。
一方土星はどうかというと、『悲しみ、遅れ、ハードワーク、障害』などと、有害な星の一つとされている。
この有益な星と有害な星が大接近すると一体どういうことになるのか?
とても興味深いことだ。
この現象をもう少し深掘りして見ると、背景としては山羊座で起こる。これは土星が所有する星座であり、木星は減衰する星座となっている。
では、この強められている土星は、木星に対して何か悪さでもするのかというと、どうもそうではないらしい。
土星は、木星を精神的なグルとして大変尊敬しているので、そんなことにはならないようだ。
またさらにナクシャトラを見てみるとウッタラ・アシャーダーというこれは太陽によって所有されているところであるからそれは権威、王様という意味がある。
そこで、何か国のレベルで有益な出来事が予測できそうである。
6世紀に活躍した、有名な占星術師であり、天文学者であり哲学者でもあったヴァラーハミヒラ(505-587) は『木星と土星がとても接近する時には、社会的にまた国のレベルでは良いことが起こる。予期せぬ変化や繁栄が社会に起こる』と述べているそうだ。
今回は、それを暗示するナクシャトラでの出来事なので、さらに楽しみである。
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