政治家の世襲問題について
政界の世襲問題とは、結局のところ“政治の質”をどう考えるかということである。世襲と政治家個人の能力はもちろん別である。世襲であるから政治家として優秀ではないという理由にはならない。しかし世襲議員には世襲特有の感性や、壁があって当然である。
親や祖父の地盤を引き継ぎ、地元の人々に担ぎ上げられてやっと当選したような人間が、しがらみや特定の利害関係を超越した高度な国家観や、時代を俯瞰し、遠く将来を見据えた視点で日本を導いてゆくことが出来るであろうか。幼少時代を執事に囲まれて育った人間に、一家心中へと追い込まれる人々の苦しみが本当にわかると言えるか。
口で尤もらしいことを言うことは、才能や品性とは関係なく場慣れすれば誰でも出来ることである。しかし人間の中身そのものはそう簡単に変わるものではない。世襲は選挙における圧倒的に有利さに比べて、さほど“中身”を保証するものでないことは今の政治家を見ればよくわかるはずである。
そもそも自民党の政治とは、大企業や各エスタブリッシュ層に深く結びつきながら口利きで利害関係者の子弟の就職や結婚の世話をするような打算的な“人間関係”を本質とするものではないのか。そのような政治家に真の改革など出来るわけがない。国民にとっての真の改革は、彼らにとって既得権と秩序を破壊する犯罪的な革命を意味するであろうから期待する方が間違っている。庶民の生活の苦しみなど口ではどのように説明しようと、彼らの皮膚感覚にはまったくないし、本音では何とも思っていないはずである。
“職業選択の自由”などと恥ずかしげもなく、よくもふざけたことが言えるものだ。やはり馬鹿は馬鹿だ。そもそも職業選択の自由とは、能力があるにも関わらず経済的な理由や出自、性別などによって就職差別されることを防ぐための“弱者”の視点の法律であるはずだ。政治家という職業への圧倒的に有利な境遇の人間が、それも立法府の大臣が自己弁護のために援用する法律ではないことがわからない時点で、既に政治家として失格である。
私は党ごとに世襲議員比率を設けるべきであると主張する。せいぜい3割ぐらいでよいのではないであろうか。比率制限を設定すれば、世襲であってもより優秀な人材が厳選されることになるし、世襲以外の一般の人々にも政界への道が広く解放されることになり、国益に適うものであると考える。世襲という有利なスタート地点にいる人は、その3割以内に党からふるいをかけられた上で選挙によってさらに国民の信任を得ればよいのである。そのような方法であれば世襲議員は何ら恥じるものでないばかりか、国民の尊敬に値する政治家になれるであろう。国民の政治離れも改善してゆくのではないか。
草なぎ君、逮捕の巻
今更ではあるが、日本は本当に変な国になってしまった。
それとも“変”は私の方なのか。
そもそも公然猥褻罪とは私の認識では、白昼堂々とあるいは不特定多数の目に触れる場所で公然と猥褻行為を働き、社会の風紀を乱したり第三者に著しい不快感を与えたとの理由で罰せられる犯罪である。
草なぎ君の場合、泥酔状態で裸になって何やら叫んでいたようだが、街中の公園とは言え深夜で見ている者がほとんどいなかった訳であるし、当人も何を誰に見せようというつもりもなかったのは明らかだから、公然猥褻罪で逮捕とはおかしい。単に酔っ払いが前後不覚となって裸になってしまっただけのことである。草なぎ君の「何で裸になったのかわからない」とのコメントには笑ってしまった。あまりに正直だからである。これぞまさに“心神喪失”適用無罪の模範例ではないのか。
警察は、“酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律”に基づいて、草なぎ君を一時的に“保護”すべきだったのである。その後、酔いが覚めてから厳重に注意して釈放してやれば良かった。それが警察の取るべき正しい対応だ。逮捕までして検察に身柄を送致するのは行き過ぎというか、明らかに“職権乱用”である。逮捕の要件を明確にすることは非常に重要である。ケースバイケースで逮捕するなどという説明を受け入れることは、恣意的な権力の行使を認めるということだから、我々市民が決して認めてはならないことである。何故、多くの人はこのような簡単なことがわからないのだろうか。
警察はもっと解決を急ぐ凶悪な事件をいくつも抱えているはずではないのか。警察の動きを監視し注文を付けることは、市民生活にもっとも密着した税金の有効活用であるとも言える。正体をなくした酔っ払いを逮捕したところで、我々国民は(少なくとも私は)警察のお手柄などとは認めてやらないぞ。
警察も警察だが、鳩山総務相の発言は相変わらず不可解である。草なぎ君に対して、「最低の人間」とはさすがに即座に撤回したようだが、「はらわたが煮えくりかえる」などと言われると何とも面妖な心持にさせられる。
この程度のことに「はらわたが煮えくりかえって」いて大臣の職が務まるのか。
今の日本で、もっと他に「はらわたが煮えくりかえる」べきことはないのか。鳩山さんの性格だけはようわからん。一体、どういう“教義”から発言しているのだろうか。
草なぎ君の裸など見たくもないが、鳩山さんの“はらわた”とはどんなものなのか、一度見せていただきたいものだ。別にからかっているわけではない。私はあくまで日本のことを考えて、率直に意見を申し上げているだけである。くれぐれも、私の批判に「はらわたを煮えくりかえらせて」身近な者に八つ当たりなどされないようお願いするのみである。
別にSMAPファンや、草なぎ君を応援している多くの女性方におもねるつもりはないので言っておく。深夜に大声で騒ぐのは迷惑です。30歳にもなっているのであれば、“弾ける”のはTV番組の中だけにしてプライヴェートではきちんとした“大人”になっていただきたい。
もっとも日本という国家全体が、非常に子供っぽい道徳観念や正義感覚で支配されているので誰もが大人になれないのは止むを得ないような気もするのだが。こんな世の中であればこそ、私は“大人”であることにこだわりたい。
日本が他国に馬鹿にされないために、
そして私の息子や、息子の友達たちの健やかな成長のためにも。