20080920 日経プラスワン

 日用品の値上げなどで家計が厳しくなるなか、生活に必要な出費であっても削れるものは削りたい。家庭にある機器のスイッチをこまめに切るか、切らないか。インターネット調査会社のマクロミルを通じて聞いてみた(九月上旬実施、有効回答数千三十)ところ「こまめに切る」派はエアコンで八割、テレビで七割を超えた。リモコンで簡単に消せる便利さもあり、意識的に「使用後すぐに切る」人が多い。
 一方、切る派が六割にとどまったのがパソコン。「自宅では、使わなくても寝るまで立ち上げっぱなし」(三十代女性)という人も少なくなかった。「シャットダウンしてしまうと、再び起動するのに時間がかかるのが嫌なので」といった声が目立った。「切らない派」が圧倒的に多かった高機能便座でも、年中つけっ放しで、暑い夏になっても便座の温度を調整しない人もいた。
 「スイッチをうっかり消し忘れた」という失敗談が多く寄せられたのはエアコン。家庭で使う電力の四分の一を占め、二位の冷蔵庫(一六%)を大きく上回るだけに、つけっ放しの“損”は決して小さくない。なかには「旅行前に切り忘れてしまい、その月の電気代が前月の二倍に膨らんでしまった」(二十代男性)との声もあった。
 消し忘れといえば、家の中の様々な照明器具もある。「つい消し忘れてしまう照明」を場所別に聞いたところ、最も多かったのはトイレだった。「使用後にすぐ戸を閉めてしまうので明かりに気付かない」(三十代女性)、「すっきりして忘れてしまう」(三十代男性)などの回答が目立った。
 スイッチを切ってもコンセントにつないでいるだけで消費される電力を、待機時消費電力(待機電力)という。省エネルギーセンターの二〇〇五年度調査では、一世帯あたりの全消費電力量のうち、待機電力は平均で約七%を占めている。金額にすると、年間で約六千八百円になる。
 今回の調査で「待機電力が最も多いと思う機器」を聞いたところ、テレビとエアコンを挙げる人が非常に多かった。が、省エネルギーセンターの調査によると“正解”は意外にもガス給湯器で、年間約九百円。台所や浴室に設置するスイッチパネルと家外に置く給湯器本体は、ケーブルでつながっており常に通電状態。凍結予防などの安全センサーも常時作動しており、電気を消費し続けている。
 待機電力を抑えるには「こまめにプラグを抜いて、主電源から落とす」のが最も効果的だが、録画予約が重要な機能であるビデオデッキやDVDレコーダーなどのように、プラグを抜いては元も子もなくなる機器もある。ただ、節約法がないわけではない。最近のレコーダーには、本体の時計表示を消せるものもある。非表示にしておけば、年間三百―五百円ほど電気代を減らせる。
 高機能便座にも工夫の余地がある。使わないときには便座のふたをきちんと閉めておくだけで、開けっ放しに比べて年間で約七百七十円節約できるという。
 機器類はメーカーが出荷時に設定した状態でいきなり使用するのではなく、取り扱い説明書を読みながら、使わなくても済む機能を解除していく工夫が必要だ。
 まずはパソコン。「スタンバイ」「スリープ」といった省エネモードでも二―三ワットの電力を消費する。機種にもよるが、起動時の消費電力は三十―六十分程度の省エネモードでの消費電力と同等という。省エネモードだと立ち上がりも速いので、これより長くならないなら主電源を落とす必要はないといえる。
 一方、エアコンは起動時に電力量がぐんと増えることがある。東京電力によると冷房の場合、起動して十分前後は通常の約六倍の電力を消費することも。もっとも外気温や室温、エアコンの設定温度で消費電力は大きく変わるので「基本的にはこまめに電源を切った方がいい」そうだ。
 冷房と除湿は使い分けに注意。除湿は電気代が一時間約四円と、冷房(約十一円)よりぐんと低い。ただ、最新機種が搭載する、室温を下げずに除湿する「再熱除湿」機能だと約十五円にはね上がり、逆転する。
 蛍光灯は「スイッチオンで消費電力が大きく増えることはない」(日本電球工業会)。点灯時の衝撃で蛍光灯自体の寿命は三十分―一時間半ほど縮むが「極端なオンオフをしない限り、持ちが悪くなることはない」(東芝ライテック)。

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20080920 日本経済新聞 朝刊

 Q 米国発の金融危機で日本にいる個々人には影響があるのだろうか。
 A 「震源地」は米国だが、日本にも飛び火している。真っ先に影響を受けたのは投資家だ。八月末に比べ日経平均株価は一時、一割強も下がり、損失を抱えた投資家は多い。中国やブラジルなど新興市場の株式も売られている。中国株を組み入れた投資信託なども値下がりが目立ち、「新興国株を対象にした投信への資金流入が細った」(三菱UFJ投信)といわれている。
 Q 消費にも影響が出てくるか。
 A 損失を直接抱えた投資家だけでなく、暗い話が続くと一般消費者も財布のひもを引き締めがちだ。また金融危機が世界経済を減速させれば、企業が給料や人員を減らして家計に響く恐れもある。
 Q 何かメリットはないか。
 A 投資マネーが株式に比べてリスクの低い債券投資に回る可能性がある。そうなると長期金利が上がりにくくなり、住宅ローン金利などが下がるという利点もあるだろう。けれども、消費余力の落ちた個人がそれで住宅や耐久消費財を買うかといえば、不透明だ。
 Q 「貯蓄」から「投資」への流れは止まってしまうのか。
 A 当分は株式や商品投資など値動きの激しい商品を回避する流れは広がるかもしれない。しかし個人マネーはしたたかな面もある。ネット証券などでは株価が急落すると逆に「投資の好機」として買い注文が増えるケースもある。市場が混乱しているときに、金融機関が個人投資家に適切な助言を与えることができるかどうかがカギを握るだろう。(田村篤士)


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20080920 日本経済新聞 朝刊

 舛添要一厚生労働相が打ち出した「後期高齢者医療制度に代わる新しい制度」は、高齢者を若い世代から切り離して独自の医療保障をする政府方針の転換を意味する。ただ、実現性は衆院選の結果など今後の政治情勢が左右する。企業の健康保険組合の負担増など制度の持続性に関する課題も抱える。(1面参照)
 高齢者は病気にかかるリスクが高い。加えて市町村と企業など現役世代の医療保険者の間で利害の対立がある。高齢者を切り離して別制度にすることには一定の合理性があるとの見方が多い。
 厚労相案は、会社員の医療費の面倒を引退後も健保組合がみることで、増大する医療費の負担を被用者保険にしわ寄せすることにつながりかねない。
 二〇〇八年度に約九割の健保組合が赤字に陥るとみられるなかで、拠出金に加えて負担増となれば耐えられない健保は増える。始まった制度を早々に転換すれば、混乱も避けられない。
 厚労相は自民党総裁就任が確実となっている麻生太郎幹事長に案を伝え、了承を得たとしている。幹事長周辺も十九日、政策の目玉の一つとして、後期高齢者医療制度の凍結を考えていることを明らかにした。ただ制度の廃止には踏み込まないとの見通しを示し、行方には不透明な要素が多い。
(編集委員 奥村茂三郎)

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20080920 日本経済新聞 朝刊

 舛添要一厚生労働相は十九日夜、東京都内で記者団に対し、「後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に代わる新しい医療制度を創設する」との方針を明らかにした。対象者を「七十五歳」という年齢で線引きしないことや、年金からの保険料天引きを強制しないよう設計するのが特徴。十月十五日の保険料天引き拡大や次期衆院選が近づくなか、批判の強い制度を見直すことで国民の支持を取り付ける狙いがあるとみられる。(解説5面に)
 新医療制度は政府・与党で一年程度かけて議論する。(1)年齢のみで対象者を区分しない(2)年金からの保険料天引きを強制しない(3)世代間の反目を助長しない仕組みを財源などで工夫する――という三原則に基づいて制度を設計する。
 具体的な仕組みとして例えば、財政余力のある企業の健康保険組合が現役労働者だけでなくOBまで面倒をみる仕組みを選択肢として選べるようにすることを挙げた。


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20080919 日経産業新聞

 【高知】高知大学と医療法人慈恵会中村病院(高知県四万十市)は入院中の高齢患者が退院できるかを判断する「高齢者用退院支援評価・介入プログラムソフト」を共同開発した。摂食など二十項目で高齢患者の状態を入力すると退院できる可能性を確率で示すほか、どの項目の改善で確率が上がるかもわかる。
 介護保険適用の介護療養病床は二〇一一年度末の廃止が決まり、医療保険適用の医療療養病床も大幅に減る。このため主に七十歳を超える高齢患者に、病状回復に伴う退院を促すことが病院経営の課題となっている。こうした病院の取り組みを支援するソフトの商品化は珍しいという。
 価格は十万五千円。高知大発ベンチャーのヘルシースマイル(高知市)を通じて販売する。初年度は全国の病院向けに一千件の納入を目指す。算出した数値は高ければ退院しやすいとの目安になるが、「何%ならば退院可能」といった数値は定めない。退院はあくまで病院が最終判断するよう説明したうえで提供するとしている。
 ソフトは退院の支援計画も作成でき、導入した病院は計画書作成で診療報酬を受け取れる。


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