20080920 日本経済新聞 朝刊

 Q 米国発の金融危機で日本にいる個々人には影響があるのだろうか。
 A 「震源地」は米国だが、日本にも飛び火している。真っ先に影響を受けたのは投資家だ。八月末に比べ日経平均株価は一時、一割強も下がり、損失を抱えた投資家は多い。中国やブラジルなど新興市場の株式も売られている。中国株を組み入れた投資信託なども値下がりが目立ち、「新興国株を対象にした投信への資金流入が細った」(三菱UFJ投信)といわれている。
 Q 消費にも影響が出てくるか。
 A 損失を直接抱えた投資家だけでなく、暗い話が続くと一般消費者も財布のひもを引き締めがちだ。また金融危機が世界経済を減速させれば、企業が給料や人員を減らして家計に響く恐れもある。
 Q 何かメリットはないか。
 A 投資マネーが株式に比べてリスクの低い債券投資に回る可能性がある。そうなると長期金利が上がりにくくなり、住宅ローン金利などが下がるという利点もあるだろう。けれども、消費余力の落ちた個人がそれで住宅や耐久消費財を買うかといえば、不透明だ。
 Q 「貯蓄」から「投資」への流れは止まってしまうのか。
 A 当分は株式や商品投資など値動きの激しい商品を回避する流れは広がるかもしれない。しかし個人マネーはしたたかな面もある。ネット証券などでは株価が急落すると逆に「投資の好機」として買い注文が増えるケースもある。市場が混乱しているときに、金融機関が個人投資家に適切な助言を与えることができるかどうかがカギを握るだろう。(田村篤士)


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