20081024 日本経済新聞 地方経済面

 税理士法人の合同会計(群馬県高崎市)のグループ会社で、保険・資産運用コンサルティングのファイナンシャル・プランニングサービス(FPS、高崎市、加藤美智子社長)は、銀行代理業者として住宅ローン提案などの営業を始めた。東京スター銀行の住宅ローンや中小企業向けビジネスローンを取り次ぐ。群馬県内で金融機関以外の銀行代理業への参入は初となる。
 関東財務局から業務許可を取得した。FPSは中小企業支援で東京スター銀と提携したエフアンドエム(大阪府吹田市)が運営する税理士・会計士事務所チェーンに加盟している。同行の商品を取り扱う。
 FPSは保険や資産運用の相談にくる顧客へのローンの提案を通じて、手数料収入を得る。今後は自宅の土地を担保に老後資金を借りるリバースモーゲージの提案も予定する。東京スター銀は群馬県内で拠点がない。代理販売先を得て自社商品の販売網を広げる。



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20081024 日本経済新聞 朝刊

 プルデンシャル生命保険は中央三井信託銀行と提携する。十一月から遺言信託や遺産整理のサービスを希望する契約者を中央三井に取り次ぐ。保険会社で信託商品を媒介するのは初めて。プルデンシャルは富裕層向けに主に死亡保険を販売しており、相続関連サービスへの顧客の需要が高いことに対応する。
 保険会社は今年三月末、付随業務として信託商品の取り次ぎが認められた。プルデンシャルは六日付で金融庁から認可を取得した。
 仲介する信託商品は遺言書の作成補助、保管、執行をする「遺言信託」と財産目録の作成、遺産分割手続き、相続税の納付代行などをする「遺産整理業務」。成約すれば中央三井がプルデンシャルに、信託報酬の一部を仲介手数料として支払う。
 プルデンシャルは死亡保障商品に力を入れており、年三千件の死亡保険金を支払う。信託商品を紹介することで、保険金支払い後のサービスを拡充できる。将来は契約者が自らの保険金の支払い方法を、あらかじめ信託銀行に指示する「保険金信託」も検討する。



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20081024 日本経済新聞 朝刊

「メタボ系」予防に期待
 メタボリック(内臓脂肪)症候群が代表する生活習慣病予防や介護予防が進むことも試算に織り込んだ。今回の推計では二〇二五年度の外来患者数と外来医療費が現状を維持した場合と比べて五%程度減少する見通し。
 医療面で予防効果が期待されるのは、糖尿病や高血圧系疾患、脳血管疾患などのいわゆる「メタボ系」の外来医療費。一五年までにメタボリック症候群の該当者や予備軍を二五%減少する目標をもとに、外来医療の二―三割を占める「メタボ系」の外来医療費が減ることを想定した。
 介護の面では、二五年の要介護認定者数が三%程度抑えられると仮定した。〇六年度の制度改正で介護予防が強化されたことで〇七年度に一定の予防効果が表れたデータを根拠に仮定した。
 今回の試算では、想定よりもさらに予防が進んだ場合の影響も補足的に解説している。予防が進んだ場合、国内総生産(GDP)に対する医療・介護費用の比率は、現在の改革案から〇・二―〇・三ポイント低下する影響があるという。

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20081024 日本経済新聞 朝刊

 政府の社会保障国民会議は2025年度時点の医療・介護費用の試算を公表した。医療・介護のサービス提供体制を大幅に見直すことが前提となっており、今後の制度改革の議論につながりそうだ。政府がこうした試算を示すのは初めて。今回の試算が示した将来の「あるべき姿」ではどのように医療・介護のサービス体制が変わり、それが及ぼす影響はどうなっているのか。ポイントを整理した。(1面参照)
入院期間短縮ねらう
 シミュレーションの柱は、病気にかかり始めで症状も激しい急性期の医療の見直しだ。現状の医療サービス体制は、病床が過剰で、機能分化も不十分なほか、患者の入院期間が長いなど非効率な点が多い。入院の中心をなす急性期患者への処置で、医者や看護師などの人員の重点配分と病床の専門分化を進めることを提言。短期の治療で急性期患者の早い退院を促し、入院から在宅・訪問診療など地域療養にサービスの重心を移す狙いだ。
 まず、急性期医療に関して人員を増やさないなど改革をせず現状を維持した場合に、二〇二五年度時点でサービス体制がどう推移しているかを予測。急性期や回復期など病気の段階ごとに機能分化していない「一般病床」の一日当たりの利用者数が〇七年度に比べて三割増の百四万人に増加。病床数も三割多い百三十三万床に増え、平均入院日数も横ばいで算出した。
 そのうえで(1)穏やか(2)大胆(3)急進――の三つのケースを提示し、同様に二五年度時点での数字をはじいた。見直しが穏やかなケース(1)では急性期医療にかかわる人員を現状より六割増やし、急性期患者への対応に専門化した病床の利用者数が五十六万人、病床数が八十万床になることを想定。平均入院日数は十五・五日から十二日に短縮できるとした。
 見直しを「大胆」に進めるケース(2)では、人員数を二倍にし、病床数も圧縮。平均入院日数は十日に縮められるとした。さらに「急進」なケース(3)では「一般急性」と治療の難度がより高い「高度急性」に病床の機能を分ける。一般急性病床は四十九万床とし、人員は八割増。入院日数は九日に短縮できるとした。高度急性病床は二十六万床に絞り込むが、人員数は約二・二倍に増やす。
 いずれの案も急性期医療に人員や医療設備を集中投入して、病床数と入院日数を減らし、医療を効率化することに狙いを置いている。
 ▼急性期 病気になって日が浅く、症状が急激で不安定な状態にある時期。早期の重点的な処置や手術、投薬などを必要とする。急性期を脱して症状が安定に向かえば、回復期に移る。
 ▼一般病床と療養病床 現在の病床区分では、精神病床と伝染病床、結核病床を除く病床は「一般病床」と「療養病床」に分けられている。急性期を含めた治療に対応する一般病床と比べ、療養病床は長期にわたり療養を必要とする患者が入院する。一般的に一人当たりの医師の数は療養病床の方が少ない。
 ▼居住系 介護サービスの中で、施設と在宅の中間のサービス。より自宅に近い感覚でサービスを受けられる。少人数で共同生活する「グループホーム」や、ある程度の条件が整った「ケア付き住宅」などが含まれる。
私はこう見る
施設体系への踏み込み評価
千葉大教授 広井良典氏
 将来の医療・介護費用の見通しについて、医療や介護の施設体系やサービス内容にも踏み込み、改革の選択肢とセットにした形で試算を公表したことは初の試みで高く評価できる。
 国際的に見ると日本は人口当たりの病床数が突出して多く、逆に福祉施設・住居やサービスが少ない。急性期や高度医療への資源配分も不足している。こうした状況を踏まえれば、今回示された改革の方向は基本的に妥当なものといえる。ただし、改革の内容自体は以前から重要性が指摘されつつも実施が遅れてきたもの。今後いかに実現していくかが問われる。
 医療費や介護費のあり方や配分の改革が重要だと考える。例えば診療所から病院への医療費の配分シフトや、介護従事者の賃金水準の引き上げなどが大きな課題だ。個人のレベルでは将来の税・保険料負担とともに医療・介護費用の自己負担部分がどうなるかが大きな不安材料。どの部分を重点化し、公私の役割分担をどうするか、今後は社会保障全体のビジョンについて踏み込んだ議論の必要がある。
安全・安心に配慮足りない
東京医科歯科大大学院教授 川渕孝一氏
 国民の負担増が避けられない日本の医療・介護で、2025年の必要財源の規模を試算した点は評価できる。
 しかし「単価×数量」という形の試算に基づいて安全・安心の医療・介護システムが構築できるか疑問だ。医療・介護の崩壊を避けるためにはこれだけのお金が必要だという「息遣い」が感じられない。国の考える医療・介護のあるべき姿が、病院の平均入院日数を短縮し、病床数を削減するだけでは寂しすぎる。
 試算では3本のシナリオを立て、(1)緩やかな改革(2)大胆な改革(3)さらに進んだ改革――と銘打っているが、医療・介護職員数が異なるのみで、必要財源に大差がない。短期的にはコスト高の要因となる医療の技術革新を、どう社会保険に取り組むのか、一定の視座が欲しかった。
 国が回収しているデータを使い、疾病別に医療の質向上と効率化を同時達成するモデルを模索したり、各都道府県が保有するデータを用いて地域別最適モデルを求めたりするなど、ミクロからマクロを算出する努力が必要ではなかったか。




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20081024 日本経済新聞 朝刊

 政府は五月の年金財政の将来推計に続き、今回、医療、介護費用の推計を社会保障国民会議に示すことで、「国民の安心」の確保にはコストがかかり、負担増の議論は避けられないという道筋を描いてみせた。少子高齢化が急速に進む日本では、先行きの「負担増」を前提にしなければ土台の揺らぐ社会保障の将来像を描けない。
 だが、消費税や社会保険料などの負担増を語るには、国民の信頼を失った厚生労働行政と制度の無駄をあぶり出し効率化を徹底することも前提になる。年金記録の不備や改ざん、過去のハコモノ行政への保険料の転用、独立行政法人を通じた税の無駄遣い……。厚労行政のずさんさは制度改革論の足かせになっている側面も否めない。
 今回の政府推計も厚労官僚が中心となって作成したのが実態。まずは厚労省が自ら無駄遣いを徹底してなくし、制度への信頼を取り戻す努力を積み重ねないかぎり、負担論が必要という「正論」も空回りし、結局は社会保障が立ちゆかなくなるという悪循環を生む。



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