20080415 日本経済新聞 朝刊

 個人が国債への投資に慎重になってきた。十五日に発行する個人向け国債の四月分の販売額は固定金利五年物で二千九百十九億円となり、二〇〇六年一月の発行開始以来最低となった。設定した金利が年〇・八一%と前回の一月分と比べて〇・一三%低くなり、利回りの点で魅力が薄れたことが主因とみられる。
 サブプライムローン問題をきっかけに株安やドル安が続いている。世界的に、株を含めリスクの伴う資産への投資は敬遠され、安全資産として国債が買われる傾向にある。個人向け国債も昨年までは買われていた。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「(行き場を失った)個人マネーはいったん定期性預金として滞留している」と分析している。
 四月分は各金融機関が三月三十一日まで窓口などで募集し、財務省が集計し発行する。変動金利十年物の販売額も六百二十二億円となり、好調だった〇五年四月分の二兆三千三百七十四億円のわずか三%弱まで落ち、過去最低を更新した。初回の適用利率は年〇・五七%と前回より下がった。
 設定利率が下がったのは国債の流通利回りが機関投資家の積極的な買いで大幅に低下したため。だが個人の動きは異なる。財務省は国債の安定消化へ個人を販売の的にしてきたが、見直しを迫られる可能性がある。

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20080415 日本経済新聞 朝刊

 野党は後期高齢者医療制度で十五日から保険料が年金から天引きされるのを契機に、同制度の廃止要求で足並みをそろえ、与党に攻勢をかける。二年ごとに保険料が見直される点などを指摘し「高齢者の負担増になる」と批判。未解決である年金記録漏れ問題と絡めて「不確実な年金から天引きする高齢者いじめだ」として国会論戦などで追及を強める。
 民主、共産、社民、国民新の野党四党の幹事長・書記局長らは十四日、「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる東京・巣鴨の地蔵通り商店街でそろって街頭演説した。
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は「うば捨て山よりひどい制度が始まった。政府にやめると言わせるまで闘おう」と表明。社民党の日森文尋国会対策委員長は「政府は取りっぱぐれがないから年金から差っ引くと言ってはばからない」などと訴えた。
 鳩山氏は演説後、記者団に「国会で厚生労働委員会などを中心に追及していく」と強調。衆院山口2区補欠選挙にも触れ「後期高齢者医療制度の帰すうも占う選挙になる」と争点に掲げる考えを示した。
【図・写真】東京・巣鴨で街頭演説する野党の幹事長ら(14日)

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20080415 日本経済新聞 朝刊

 福田康夫首相は十四日、産科や小児科の医師不足で不備が目立つ救急医療体制の改善策づくりを急ぐと表明した。政府が七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の対応で強い批判を浴び、失地回復に乗り出した。政策の財源をどう確保するかなど不透明な点もまだ多い。年金に続き、医療に対する国民の不信増大を防ぐメドは立っていない。
 「早急に手をつけなければならない」。首相は国立成育医療センター(東京都世田谷区)を視察した後、記者団にこう語り、来月中に救急医療体制の強化策を打ち出す方針を表明した。
 救急搬送システムの整備など、政策の実行には財源が必要。首相はこの点について同日夜、首相官邸で記者団に「どういうふうなことができるか、色々工夫してまいります」と強調。二〇〇六年の「骨太の方針」に盛った歳出・歳入一体改革の「基本方針は変えない」と繰り返した。
 だが、厚生労働省内には社会保障費の自然増を年間二千二百億円削減する歳出改革について「もう限界だ」との声があがる。同省内では首相が来年度からの一般財源化を打ち出した道路特定財源について「数千億円規模で社会保障に回ってくる公算がある」と期待する見方もある。首相方針を具体化する段階で、財源論に火が付くのは避けられない情勢だ。
 首相が唐突ともいえるタイミングで対策をアピールした背景には、年金記録問題や後期高齢者医療制度など社会保障を巡る不手際が政権運営の火種になりつつあるとの危機感があるとみられる。
 特に、十五日に年金から保険料の天引きが始まる後期高齢者医療制度を巡っては野党や世論の反発が強い。政府の周知不足から「四月以降、負担が急に重くなるのでは」と高齢者の不安を増幅し、全国の自治体の窓口には問い合わせが殺到した。
 政府は制度開始と同時に「長寿医療制度」に名称を変更し、広報体制強化に向け舛添要一厚生労働相を中心とする実施本部を新設したが、対応は後手に回っている。
 与党内では天引き開始と同じ日に告示する衆院山口2区補欠選挙に影響するとの見方も浮上。自民党の伊吹文明幹事長も十四日の記者会見で「わかりやすい説明が不十分じゃないか」と述べた。
 首相は同日の視察後、後期高齢者医療制度について「もう少し早く段取りよく十分な説明をすべきだった。反省している」と記者団に述べ、政府の対応を陳謝した。
 今後、後期高齢者医療制度の対応改善と救急医療体制の強化で、社会保障の信頼回復を図るが、具体策の検討はこれから。実効性は未知数だ。

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20080415 日本経済新聞 地方経済面

 浜松商工会議所は地元金融機関と提携し、共済制度加入者向けに優遇金利のローンを提供する事業を二〇〇八年度から始めた。静岡銀行、浜松信用金庫、遠州信用金庫と提携し、各社が販売している自動車ローンなどの金利を〇・二%優遇してもらう。
 従業員退職金や生命保険などを中小企業向けに用意する共済制度の特典を増やし、加入者を増やす狙いだ。
 静岡銀行は使い道が自由なローン商品「行き活き設計」、浜松信金と遠州信金はそれぞれ自動車ローンの金利を加入者向けに引き下げる。共済制度に加入している企業の従業員は加入者証を各金融機関の窓口に持参するだけで優遇金利を受けられる。
 金融機関と提携して共済加入者向けにローンの優遇金利を提供するのは県内商議所では初めて。対象とするローン商品は毎年見直す。
 共済制度の加入者は現在四万四千人で、会員企業の福利厚生を充実させる目的で従業員向けの生命保険や退職金制度などを用意している。特典の充実を図り、共済制度の加入者や商議所の会員増加を図る狙い。
 金融機関も提携で、共済制度の加入者を囲い込める利点がある。



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20080412 日本経済新聞 朝刊

 三井住友海上火災保険は個人型の確定拠出年金(日本版401k)の運営や管理の業務を拡充する。四月から顧客からの運用相談などに応じる電話窓口の要員を三割増やすなど体制を強化した。二〇〇八年度中に三千人からの受託を目指す。
 三井住友海上は企業型の確定拠出年金の加入者が退職や転職などで個人型の確定拠出年金に移行するときの手続きを、損害保険代理店を通じて勧める。大企業からの受託が中心の生命保険会社に対抗し、個人分野で年金の受託拡大を狙う。
 退職などで企業型確定拠出年金を脱退するケースでは、移行手続きを知らずにいて運用や積み立てを継続できない人も多いという。

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