正常な睡眠を取っている人は健康的な老後を過ごせるという知見が、米ボルティモアで開催された睡眠専門家協会(APSS)年次集会(SLEEP 2008)で報告された。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究グループは、60歳以上の女性2,226人を対象に、睡眠薬の使用、日中の眠気、居眠り、不眠、早朝覚醒、いびき、総合的な睡眠の質および睡眠時間について評価を行った。その結果に基づき、20.8%の女性が「健康的な老い」を達成していると分類された。

研究グループによると、日中の居眠りが少ないことと、不眠への不満が少ないことが最も深く老後の健康に関連しており、睡眠薬の使用と老後の健康との間には直接の関係は認められなかったという。睡眠障害が重度であるほど老後に関する自己評価が低く、本人の認識と実際の年齢との差が大きかった。この知見は、健康のためには十分な睡眠を取ることが最も重要であるという考えを裏付けるものであり、医療専門家は患者の年齢に関わらず睡眠について留意する必要があると、研究を行ったSonia Ancoli-Israel氏は述べている。

高齢者の多くは必要な睡眠が取れておらず、その主な原因の一つが入眠困難である。65歳以上を対象とした過去の研究では、男性の13%、女性の36%が入眠までに30分以上かかることがわかっている。高齢者は眠りが浅く、夜間に目が覚める(中途覚醒)頻度も高い。また、若年者に比べて早い時間に眠くなり、朝早く覚醒する傾向がある。睡眠不足は抑うつ、注意力や記憶力の低下、日中の眠気、夜間の転倒および睡眠薬の使用の増加など、数々の問題の原因となるほか、肥満、心疾患および糖尿病などのリスク増大をもたらすという。

20080622 日本経済新聞 朝刊

 六月中旬、米JPモルガン・チェースの法人向け金融サービス部門を率いるハイディ・ミラー氏が日本拠点を初めて訪れた。銀行と証券を融合したサービスの強化に向け、日本拠点の幹部と議論するためだ。
 折しも日本は銀証のファイアウオール(業務隔壁)規制などを緩和する改正金融商品取引法が成立した直後。「銀行の為替と証券会社の債券の業務を融合できれば、顧客に外債投資と為替ヘッジを同時に提案できる」(中西健治・JPモルガン証券副社長)。ダイモン最高経営責任者(CEO)の片腕とされるミラー氏の来日をきっかけに、日本のJPモルガンは改正金商法時代のビジネスモデル探しを始めた。
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 銀行や証券など市場の担い手を育て、約千五百兆円の個人金融資産を有する東京市場の活性化を目指す金商法の改正。海外勢が布石を打つ動きはゆっくりと広がっている。
 百四十億ドルの資産を持つ英運用会社、ミレニアム・グローバルはこのほどアジアのなかで三番目の拠点を東京に設けた。「日本は個人金融資産の活用や市場育成に向けて政府がコミットメントを示した。千五百兆円のお金はやがて動き出すはず」。東京代表の斎田憲男氏は政策への期待をこう語る。
 改正金商法で肉付けされた東京市場の活性化は昨年来、多方面で議論されてきた。相場の上昇や取引の増加など市場のテコ入れ策だけでなく、金融を産業として育て雇用と税収を増やすという、金融立国論も問題意識の中心だった。海外勢が政策を信じて新業務の立ち上げや拠点づくりに動く様子は、金融立国へのささやかな一歩だ。
 深い影を投げているのが、米国発の金融不況だ。シティグループは中核事業の見直しの一環として、日本の消費者金融から事実上の撤退を決めた。先週には二千人弱の従業員に希望退職に向けた退職金や再就職支援の条件を提示した。モルガン・スタンレー証券は二月と四月の二度に分け、証券化部門を五十人余り減らした。「一度目は証券化市場の混乱への応急策。二度目はグローバルな不況への対応。二度目のほうが意味合いは深刻だ」(モルガン幹部)
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 世界の金融機関のリストラでは「業界全体で約九万人の雇用が犠牲になっている」(欧州系証券の在日代表)。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響が軽い日本の割合は五%弱という。人員削減が金融不況の長期化を見込んでのことなら、東京に回す人とカネもやがて先細りする。
 金商法の改正で海外株価指数などに連動する上場投資信託(ETF)も増える見通し。ETFが活発に売買されるには金融機関の協力も欠かせない。ETFの売買や商品開発の経験に勝る外資が東京拠点の大幅な縮小に転じれば、法改正の実効はあがらない。
 日本版ビッグバン以来、約十年ぶりの広範な規則見直しとされる金商法の改正。十年前はネット革命に沸く米国が世界経済を引っ張り、外資の進出も進んだ。今のグローバルな金融不況に揺れる市場活性化の行方は、決して楽観できない。
【図・写真】リストラを急ぐシティ=写真上、AP=と、東京拠点の強化に動くJPモルガン
20080622 日本経済新聞 朝刊

 今週の円相場はドルの上昇が一服し、もみ合う展開になりそうだ。米景気低迷の懸念が強まり米長期金利が低下すれば、ドル売りが膨らむ可能性がある。ただドル買い介入もちらつかせた米当局の「ドル防衛」も意識され、一方的に円高・ドル安が進むとの見方は少ない。市場参加者の予想は一ドル=一〇六―一〇九円に集中している。
 米連邦準備理事会(FRB)は二十四―二十五日、米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。政策金利のフェデラルファンド(FF)金利は年二・〇%で据え置く見通しだ。市場参加者の関心は会合後の声明に集まる。
 声明はインフレへの懸念を示すとみられ、米利上げ期待が高まればドル買いの材料になる。ただインフレ懸念以上に、米景気の先行きに対する弱気な発言が目立てば、ドル売りが広がる可能性もある。
 米経済の行方を占う上で、二十六日発表の五月の中古住宅販売など米経済指標も注目される。このほか夏のボーナスを迎え、日本の個人マネーが外貨建て投資信託に流れ込めば、円売り圧力になりそうだ。
 佐々木 融氏(JPモルガン・チェース銀行為替資金本部チーフFXストラテジスト) 25日のFOMCの声明に注目する。米景気に配慮する姿勢を強め、米利上げ期待が後退すればドルは売られやすくなる。
円、方向感出にくく
 福井 真樹氏(みずほコーポレート銀行国際為替部シニア・マーケット・エコノミスト) 方向感が出にくい相場に。米景気減速でドルは買いにくい。一方で米当局の「ドル防衛」を意識するとドル売りもしづらい。
米金利先導の相場に
 飯塚 長生氏(住友信託銀行マーケットメイクユニット主任調査役) 円相場の焦点は米景況感より米金利の動向に集まる。FOMCの声明でインフレ懸念を強めれば、日米金利差が広がるとの思惑からドル買いに。
 今週の長期金利は引き続き振れの大きい展開となりそうだ。代表的な指標である新発十年物国債利回りは一・六八―一・八五%を中心に推移する可能性が高い。世界的なインフレ懸念があり、市場参加者の債券買いに勢いがつきにくい。
 焦点は二十五日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明。景気停滞・インフレに対して、どのような姿勢で臨むのかによって、国内長期金利にも大きな影響を与える可能性がある。国内では二十七日発表の五月の消費者物価指数や鉱工業生産指数などが材料になる可能性がある。
20080622 日本経済新聞 朝刊

 二〇〇八年春、インターネット専業の生命保険会社二社が誕生した。両社は営業員を持たずに経費を抑えられる強みを生かし「保険料は大手生保の三分の二」「ネットで申し込めば翌営業日に加入手続きが完了」などを売りにする。ネット生保の保険料は本当に安いのか、利用時の注意点は何かについてまとめた。
 今春開業したのは、SBIホールディングスとアクサジャパンホールディングなどが出資するSBIアクサ生命保険(東京・港)と、日本生命保険の出身者らが立ち上げたライフネット生命保険(同・千代田)の二社。いずれも若年層を主な顧客層としている。
翌日に審査結果
 両社とも最も強く訴えるのは「保険料の安さ」。大手の生命保険会社とは違い申込窓口をサイトに集約し、店舗や営業員を持たないことで保険料を抑えると説明する。
 商品が単純なのも特徴だ。ここ数年、生保や損害保険会社は「保険金の不払い」が問題になったばかり。背景には、商品が複雑になり、保険会社の技術やシステム整備が追い付かなかったことがある。「保険は複雑になりすぎた。その上、顧客への説明も不十分」(出口治明ライフネット社長)という問題意識から、商品をわかりやすくした。
 申し込みが簡便な点も売りだ。SBIアクサは申し込みがネットで完結する点を強調する。島津勇一取締役執行役員は「遅くとも申し込みの翌営業日には審査結果を通知する」と話す。
 具体的に商品の内容を見ていこう。二社とも死亡した時に保険金を支払う死亡保険と、病気などに備える医療保険を投入した。死亡保険は期間が十年などに限定される「定期保険」で、大手生保が多く扱う「終身保険」よりも保険料を抑えやすい。ファイナンシャルプランナー(FP)の内藤真弓さんは「子育て中で余裕資金が乏しくても、ある程度の死亡保険金を確保したい若い世代には使いやすい」と評価する。
 表Aのように、ネット生保二社の保険料はほぼ同条件で比べると他社商品を下回るケースが多い。特に若年層は相対的に安く、例えば三十歳で保険金一千万円のケースだと、大手の四―七割の水準だ。
 解約返戻金の有無を考慮に入れず単純に二社を比べると、保険金が一千万円で、三十、四十歳の世代ではライフネットが安い。「若い人に安く提供するため、他社とは保険料の算出方法を変えた」(同社長)からだ。
 一方SBIアクサは年齢が高い場合や保険金が五百万円など少額の場合にライフネットより安くなることが多い。FPの豊田真弓さんは「専業主婦には少額の保険金で加入する需要があり利用しやすい」と見る。
 医療保険では二社の違いが鮮明に出た(表B参照)。SBIアクサは十年間の定期保険を採用した。定期保険は契約内容を見直しやすい半面、更新するたびに保険料が年齢に応じて高くなってしまう。そこで最初の加入で十年間健康であれば、更新時の保険料が安くなる「健康チャレンジ」を採用し、継続加入の負担を和らげた。
選ぶ理由を明確に
 ライフネットは生涯保障が続く終身保険を用意した。終身型は医療制度が変わると保障内容が合わなくなるリスクがある。そこで健康保険の内容が変われば、どの手術で保険が下りるかなど保障内容も変わるように設計した。
 ただ表Cのように、二社とも給付内容を考慮すると、保険料は既存生保の通販型商品と比べても一概に安いとは言えない。特にライフネットは既存生保に比べてやや高め。同社は「既存生保は過去の加入者データを蓄積しているため、保険料を下げやすい」と説明する。
 既存の生保と差が出たのが手術時に支払われる手術給付金の額だ。ライフネットは一回の入院につき一律十万円のみで、日帰り入院は保障の対象外。保障額だけを見ると、疾病に応じて入院日額の最高四十倍までカバーする他社商品に見劣りする面がある。
 入院日数の短期化を理由に「入院日数に応じて支払われる入院給付金より、手術給付金の額を重視した方がいい」という見方がある。一方でネット生保二社は、複雑な保障内容や特約の多さが請求漏れにつながりやすいとの認識から、金額は低めながら保障内容を簡潔にした。どちらがいいかの判断は、手術給付金をどう位置付けるかで分かれそうだ。
 医療保険については「公的医療保険が手厚いため、医療保険に入らず貯蓄で備える選択肢もある。加入するならば何の費用を補うためかを明確にすべきだ」(内藤さん)という意見もある。医療保険を選ぶ時は、給付内容のわかりやすさや費用対効果の高さなど各社の長短を理解して選ぼう。
【図・写真】ライフネット生命保険のセミナーには若手サラリーマンらが数多く集まった
20080621 日本経済新聞 地方経済面

 千葉銀行は七月八日、大型家具店のIKEA船橋(千葉県船橋市)と共同で女性向けの部屋作りセミナーを開く。同行が五月に取り扱いを始めた女性専用住宅ローンの販売促進策の一環で、IKEA船橋の専属インテリアデザイナーが映像や実際の商品を使って部屋作りのポイントを参加者に指南する。同行とIKEA船橋との共同セミナーは今回が初めて。
 「女性のための『帰りたくなる部屋づくり』セミナー~IKEA船橋がプロデュースするハッピーインテリア」は、同行の若手女性行員で構成する「私のきらめきプロジェクト」が企画した。JR千葉駅近くのちばぎんコンサルティングプラザ千葉で実施する。
 インテリアデザイナーが最初の四十分で、片づけやすい収納方法や布を使った部屋作りについて説明。その後、同行が住宅ローンの賢い選び方を助言する。定員は四十人で、申し込みが必要。問い合わせは(電)0120・86・7889。