20080622 日本経済新聞 朝刊

 今週の円相場はドルの上昇が一服し、もみ合う展開になりそうだ。米景気低迷の懸念が強まり米長期金利が低下すれば、ドル売りが膨らむ可能性がある。ただドル買い介入もちらつかせた米当局の「ドル防衛」も意識され、一方的に円高・ドル安が進むとの見方は少ない。市場参加者の予想は一ドル=一〇六―一〇九円に集中している。
 米連邦準備理事会(FRB)は二十四―二十五日、米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。政策金利のフェデラルファンド(FF)金利は年二・〇%で据え置く見通しだ。市場参加者の関心は会合後の声明に集まる。
 声明はインフレへの懸念を示すとみられ、米利上げ期待が高まればドル買いの材料になる。ただインフレ懸念以上に、米景気の先行きに対する弱気な発言が目立てば、ドル売りが広がる可能性もある。
 米経済の行方を占う上で、二十六日発表の五月の中古住宅販売など米経済指標も注目される。このほか夏のボーナスを迎え、日本の個人マネーが外貨建て投資信託に流れ込めば、円売り圧力になりそうだ。
 佐々木 融氏(JPモルガン・チェース銀行為替資金本部チーフFXストラテジスト) 25日のFOMCの声明に注目する。米景気に配慮する姿勢を強め、米利上げ期待が後退すればドルは売られやすくなる。
円、方向感出にくく
 福井 真樹氏(みずほコーポレート銀行国際為替部シニア・マーケット・エコノミスト) 方向感が出にくい相場に。米景気減速でドルは買いにくい。一方で米当局の「ドル防衛」を意識するとドル売りもしづらい。
米金利先導の相場に
 飯塚 長生氏(住友信託銀行マーケットメイクユニット主任調査役) 円相場の焦点は米景況感より米金利の動向に集まる。FOMCの声明でインフレ懸念を強めれば、日米金利差が広がるとの思惑からドル買いに。
 今週の長期金利は引き続き振れの大きい展開となりそうだ。代表的な指標である新発十年物国債利回りは一・六八―一・八五%を中心に推移する可能性が高い。世界的なインフレ懸念があり、市場参加者の債券買いに勢いがつきにくい。
 焦点は二十五日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明。景気停滞・インフレに対して、どのような姿勢で臨むのかによって、国内長期金利にも大きな影響を与える可能性がある。国内では二十七日発表の五月の消費者物価指数や鉱工業生産指数などが材料になる可能性がある。