20080627 日本経済新聞 地方経済面

 投資信託協会が調査している公募株式投信の資金流入額(購入額から解約額を引いた値)を見ると、昨年後半から様相が一変しているのが分かる。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題をきっかけに株式相場が低迷。投資家の投信離れが加速した。九州の大手地銀でも前の期の販売実績を大きく割り込んだ。
 さらに昨年九月の金融商品取引法の全面施行で現場が混乱した。元本割れリスクの丁寧な説明など消費者保護を求める内容だが、一時は「初めてのお客には説明が二時間かかる」(大手地銀)ようになり、客離れを招いた。高齢者には親族の同伴などを求める銀行が多いが、トラブルを恐れ「八十五歳以上の客には一切売らない」と決めた銀行もあったという。
 各行は説明手法を柔軟にし始めている。例えば投資経験や金融資産の額などを客自身に記入させていたが、「行員が聞き取って記入する方式に変えた」(西日本シティ銀行)。また来店が二度目以降なら、同様の質問を簡略化している。
 株式相場が一定の水準に回復し、足元では復調の兆しが見える。福岡銀行は六月、一日あたりの個人向け投信販売額が四億八千万円に達する日が続出。「前期の下半期は四億円超えは一日もなかった」(同行)ことから潮目の変化を感じるという。


20080627 日本経済新聞 地方経済面

 九州の地方銀行が投資信託など金融商品の窓口販売をてこ入れしている。二〇〇七年度は株式市場の相場低迷と厳格な商品説明を求める新法の施行で、業界全体で販売が低迷。各行は説明能力にたけたアドバイザーの導入や、新たに販売が解禁された医療保険など取扱商品の拡充で、反転攻勢を狙う。
 西日本シティ銀行は今春から、専門の研修を積んだ「資産運用アドバイザー」を導入した。まず三十八店に五十二人を配置し、三年後までに三百人に増員する。説明力を上げ、投資信託など資産運用商品の今期販売額は、前期比五割増の約二千二百億円を目指す。昨年末に解禁されたがん保険、医療保険なども十八店で販売を始め、来春にも全店に広げる。
 福岡銀行は全営業地域を二十三ブロックに区切り、そのすべてで月一回の販売担当者研修を始めた。参加者は二十―三十人ずつにおさえ、商品知識や接客手法を丁寧に教える。手数料率の低い公共債の販売を絞るため、今期の資産運用商品の販売は前期比約七%減の約三千億円を見込むが、変額年金など保険商品は同七割増の七百六十億円を目指す。
 佐賀銀行でも、今上期中にマネーアドバイザー制度を導入して投信や生保、公共債の専門スタッフを約三十店舗に配置する計画だ。〇八年度上期の販売目標は約百九十億円と前年同期に比べてやや減るが、松尾頭取は「下期には制度導入の効果を期待したい」と話す。
 宮崎銀行は本店隣接地に「本店別館」を開設、二階を「資産相談プラザ」とし、金融商品を説明する戦略的拠点の一つとした。直接的な販売は各支店が担当し「顧客が十二分に商品を理解していただけるように説明する」(個人金融部)。
 鹿児島銀行や肥後銀行は、富裕層の顧客開拓に力を入れる。肥後銀は資産運用のアドバイスをする熊本市中心部の「フィナンシャルプラザ上通」の担当者を六人に倍増。富裕層の訪問なども強化し、団塊世代や経営者層の需要を掘り起こす。〇八年三月期の投資信託と生命保険の販売額は前年度を割る四百七十億円だったが、一〇年三月期に六百九十億円に伸ばす。
 鹿児島銀は今年、資産管理型の提案営業ができる行内資格「マネーアドバイザー」を新設、現在までに二百三十五人を認定した。同行での金融資産総額が三千万円を超える富裕層との契約は同資格者が担当する。
【図・写真】西日本シティ銀行は専門の販売員を導入(26日、福岡市博多区)


20080627 日本経済新聞 地方経済面

 ゆうちょ銀行への対抗策として、横浜銀行と千葉銀行が中心となって開発した女性向け住宅ローン「ロング・エスコート」の販売が上々の滑り出しをみせている。両行とも五月十九日から取り扱いを開始。すでに両行それぞれの融資実績は件数で百件を超え、金額も二十億円を突破した。住宅ローンを申し込む女性のほとんどが利用しており、新規顧客開拓の有力な道具となっている。
 ロング・エスコートは、通常の住宅ローンに家事や育児、介護サービスの優待やホテルやリゾート施設の割引など女性を意識した特典を付けたのが特徴。ゆうちょ銀に対抗し今年五月、横浜銀と千葉銀が中心となって設立した「地銀住宅ローン共同研究会」の第一弾商品だ。
 横浜銀は取り扱いを始めてから三十一日までの約十日間で、実行した融資は百五件、金額は二十二億円に上った。実行件数ベースでみると、前の年の同じ期間に比べて約三割増となっている。
 もともと横浜銀は数年前から女性の住宅ローン販売が好調。現在、住宅ローンの実行件数のうち一割程度が女性名義だという。ロング・エスコートの発売以降は、ほとんどの女性が同商品を選ぶ盛況ぶりとなっている。
 一方の千葉銀は、取り扱い開始から六月二十五日までに、実行した融資件数は百七十九件、実行金額も二十七億円に達した。千葉銀の場合、共通サービスのほかに独自の特典として出産・育児・介護を理由に会社を長期に休む人を対象に、最大で一年間、利息の支払いだけで済む元金据え置きサービスを付けている。
 千葉銀にとっては利用者を女性に限定した商品の販売は初めて。七月八日には販促の一環として家具大手のIKEA船橋(千葉県船橋市)と組み、女性向け部屋作りセミナーを開くなど新たな販促策を打ち出す好機ともなった。今後も「潜在需要を掘り起こす意味でも利用者を限定した商品の投入を検討していきたい」(営業企画部)と意気込む。
 ゆうちょ銀対策は地方銀行共通の課題。共同研究会に参加する地銀の数も現在、五十六行にのぼっている。研究会では今後、家族向けや残高の一定割合を社会貢献団体に寄付するローン商品を投入していく計画だ。
【図・写真】女性客の住宅ローン相談に応じる千葉銀行の職員(千葉県船橋市内の支店)

20080626 日本経済新聞 夕刊

 暑くなってエアコンをフル稼働させると、心配になるのが電気代だ。地球温暖化もクローズアップされている。地球にやさしく、しかも家計にもお得な節電法をサイトで探ってみた。
 省エネの基本を知るには、東京電力の「くらしのサポート」が役立つ。目を通しておきたいのは「くらしのラボ」にある「くらしのラボで調べてみました」。消費者から寄せられた疑問について、同社が独自調査や試験を実施。結果をグラフなどでわかりやすく紹介している。
 例えば、薄型TVでは画面が大きくて、鮮明で高精細な映像が見られる機種ほど消費電力が大きくなる傾向がある。エアコンでは一般的に冷房より除湿の方が消費電力が少ないが、「再熱除湿」という方式だと逆にコストがかかるのだそうだ。「でんことはじめる省エネ・省CO2」のコーナーでは一般的な節電方法や省エネ技術を紹介している。
 家電を買い替えようという人は、太陽光発電設備を手掛ける日本エコシステム(東京・新宿)の「節電ネット」を利用しよう。「省エネ家電ランキング」では、メーカーカタログ値を基に、主な製品の消費電力を調べて省エネ度のランキングを掲載している。
 実際に使っている電化製品にかかる電気代を知りたいときも便利だ。「一年間でハウマッチ」では、主な家電製品で年間どのくらい電気代がかかるかを紹介。消費電力と利用時間を入力すると、およその電気代が計算できる「電気代計算機」もある。
 もっと細かく見直して節電しようと思ったら、コミュニティーサイト企画・運営のHayakawa(横浜市)の「クチコミランキング」が役立つ。例えば特集「節約生活のススメ」の「第1回電気代の節約」ではすぐに実行できそうな節約方法を紹介している。待機電力を抑えるにはスイッチ付きOAタップが簡単という。また、冷蔵庫は保冷カーテンを取り付けると冷気が逃げにくくなる、といった具合だ。
 特集からリンクしている「節約術ランキング」もお薦めだ。「水道代・光熱費を節約」で利用者から寄せられた節約方法が読める。「深夜に電力が安くなる契約にし、炊飯や洗濯を早朝に済ませて電気代を節約している」といった実践テクニックは参考にしたい。
(ライター梅方久仁子)
【図・写真】「節電ネット」では電化製品の消費電力がわかる



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20080626 日本経済新聞 朝刊

 三井住友銀行は二十七日から、新しい変額年金保険の販売を始める。運用期間は五年と短いながら、払い込んだ保険料分の年金原資を「元本保証」するのが特徴。T&Dフィナンシャル生命保険が開発した。団塊世代などで、短期の運用成果を求める傾向が強いことに対応する。