20080627 日本経済新聞 地方経済面

 九州の地方銀行が投資信託など金融商品の窓口販売をてこ入れしている。二〇〇七年度は株式市場の相場低迷と厳格な商品説明を求める新法の施行で、業界全体で販売が低迷。各行は説明能力にたけたアドバイザーの導入や、新たに販売が解禁された医療保険など取扱商品の拡充で、反転攻勢を狙う。
 西日本シティ銀行は今春から、専門の研修を積んだ「資産運用アドバイザー」を導入した。まず三十八店に五十二人を配置し、三年後までに三百人に増員する。説明力を上げ、投資信託など資産運用商品の今期販売額は、前期比五割増の約二千二百億円を目指す。昨年末に解禁されたがん保険、医療保険なども十八店で販売を始め、来春にも全店に広げる。
 福岡銀行は全営業地域を二十三ブロックに区切り、そのすべてで月一回の販売担当者研修を始めた。参加者は二十―三十人ずつにおさえ、商品知識や接客手法を丁寧に教える。手数料率の低い公共債の販売を絞るため、今期の資産運用商品の販売は前期比約七%減の約三千億円を見込むが、変額年金など保険商品は同七割増の七百六十億円を目指す。
 佐賀銀行でも、今上期中にマネーアドバイザー制度を導入して投信や生保、公共債の専門スタッフを約三十店舗に配置する計画だ。〇八年度上期の販売目標は約百九十億円と前年同期に比べてやや減るが、松尾頭取は「下期には制度導入の効果を期待したい」と話す。
 宮崎銀行は本店隣接地に「本店別館」を開設、二階を「資産相談プラザ」とし、金融商品を説明する戦略的拠点の一つとした。直接的な販売は各支店が担当し「顧客が十二分に商品を理解していただけるように説明する」(個人金融部)。
 鹿児島銀行や肥後銀行は、富裕層の顧客開拓に力を入れる。肥後銀は資産運用のアドバイスをする熊本市中心部の「フィナンシャルプラザ上通」の担当者を六人に倍増。富裕層の訪問なども強化し、団塊世代や経営者層の需要を掘り起こす。〇八年三月期の投資信託と生命保険の販売額は前年度を割る四百七十億円だったが、一〇年三月期に六百九十億円に伸ばす。
 鹿児島銀は今年、資産管理型の提案営業ができる行内資格「マネーアドバイザー」を新設、現在までに二百三十五人を認定した。同行での金融資産総額が三千万円を超える富裕層との契約は同資格者が担当する。
【図・写真】西日本シティ銀行は専門の販売員を導入(26日、福岡市博多区)