20080725 日本経済新聞 夕刊

 東京ガスなど都市ガス各社は十―十二月の家庭向け料金を一斉に引き上げる。三カ月ごとに原料費の変動を料金に反映させる制度に基づく措置で、液化天然ガス(LNG)などの価格上昇が響く。標準家庭の一カ月あたり料金の上げ幅は東京ガスが百二十円程度、東邦ガスが百十円程度となる見込み。ガソリンなど消費財の値上げが相次ぐ中、家計への負担はさらに高まりそうだ。
 都市ガス料金はガスの原料となるLNGなどの価格変動を一定の範囲内で料金に反映させる仕組み。原料費調整制度として一九九六年に導入した。各社はこの制度に基づいて三カ月ごとに料金見直しを実施しており、四―六月の原料費が十―十二月に反映される。
 東京ガスの十―十二月の標準家庭の一カ月あたり料金は七―九月に比べて百二十円程度上がり、五千六百八十円程度になる見込み。四―六月比で百六十六円上げた七―九月よりは上げ幅は縮小するが、引き続きLNG輸入価格の高騰が響く。料金は九六年の原料費調整制度導入後の最高を更新し、直近でもっとも高かった八五年の五千九百五十円に近づく。
 東邦ガスの料金も百十円引き上げ、六千三百九十五円程度になる。大阪ガスは原料費上昇を反映させると百二十円超高い六千二十円程度になる見込み。ただ東京ガスや東邦ガスが今年に入って実施した本格改定を大阪ガスも実施すれば、料金が変化する。
 東京電力や関西電力など電力各社(北陸と中部を除く)は九月に料金の本格改定を実施する予定で、燃料費の高騰がより反映しやすくなる。十―十二月は緩和措置として燃料費調整による値上げを見送る方針で年内は料金を据え置く予定だ。










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20080725 日本経済新聞 朝刊

上位、財政難自治体ずらり
 国民所得に占める国税、地方税、社会保障負担を合わせた国民負担の割合は三十年前には二九・二%だったが、今年度は四〇・一%にまで増える見込み。欧州主要国に比べれば低い水準だが、社会保障費の増加などで次第に国民の負担は増えている。
 税金や保険料に対する家計の目線は以前よりはるかに厳しくなっている。そんななか、今年四月末の地方税法改正で、地方自治体に寄付をすると翌年の住民税などが安くなる「ふるさと納税」が始まった。
 金額は現段階では多い県でも数百万円程度と十二兆円を超える個人住民税の総額に比べると微々たるもの。しかし負担感が増す住民と、財政難の自治体がかみ合えば、大きなうねりとなる可能性もある。
 本紙は四十七都道府県を対象に、六月末時点の累計寄付金額を聞き取り調査した(栃木、神奈川、三重は非公表)。都道府県への寄付のみが対象で、市町村分は含まない。
 上位には大阪など、財政難や人口流出に悩む自治体が並んだ。二位の徳島は県人会での働きかけなどが愛郷心を呼び起こした。三位は「ふるさと納税発祥の地」を自任する福井。大和牛などの豪華なお礼の品で話題となった奈良は二十三位と出遅れた。東京、千葉、群馬、京都、広島の五都府県は六月末時点で「実績ゼロ」。自治体による取り組みの違いも目立っている。






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20080725 日本経済新聞 朝刊

 舛添要一厚生労働相は二十四日、「安心と希望の介護ビジョン」(座長・首都大学東京都市教養学部長の前田雅英氏)会議の初会合を開いた。二〇〇九年度に予定される介護報酬改定や介護保険制度の見直しなどについて、今年十二月の予算編成前に提言書をまとめる。







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20080725 日本経済新聞 大阪夕刊

 政府が二十九日に発表する、社会保障分野で緊急に取り組む対策をまとめた「五つの安心プラン」の全容が明らかになった。「六十五歳以上」の希望者全員の継続雇用を後押しする仕組みの導入を打ち出し、雇い入れる企業を雇用保険などの財源で支援することを検討する。高齢者対策から少子化対策まで網羅し、少子高齢化社会に対応した制度の再構築をめざす。
 「五つの安心プラン」は福田康夫首相が舛添要一厚生労働相ら関係閣僚に策定を指示。施策は二〇〇九年度予算の概算要求に反映するほか、秋の臨時国会、来年の通常国会で法整備をめざす。
 第一の柱である高齢者対策では、六十五歳までの雇用機会の提供を企業に義務付けている現行制度を拡充し、「六十五歳以上」の継続雇用を推進する方針を打ち出す。企業への財政支援も想定する。
 高齢単身女性ら年金額が低い人を念頭に税財源で基礎年金の給付を加算し、老後の最低限の所得を保障する最低保障年金の導入も検討する。
 一方、少子化対策では、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」の整備を促進するための「こども交付金」の創設を盛った。兄弟姉妹がいる家庭が保育所を利用する際の保育料軽減措置の拡充も検討する。
 医師不足などの問題が指摘される医療では、小児科や救急、へき地の医療機関を集中的に財政支援する方針を盛る。日雇い派遣の規制など、働き方の見直しも掲げた。







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20080724 日本経済新聞 朝刊

信頼回復 不安残す
 二〇一〇年に発足する社会保険庁の後継組織「日本年金機構」が、懲戒処分を受けた社保庁職員を一切採用しないことになった。政府は自民党案を受け入れ、二十九日にも基本計画を閣議決定する。社保庁は不採用者の範囲を限定しようとしたが、総選挙を意識した自民党に修正を迫られ、三度目で決着した。ただ採用に関心が集中し、適切な業務運営ができるかという視点は素通りした。
 「年金機構は懲戒処分を受けた職員は正規、非正規を問わず採用しないことにする」。自民党が二十三日開いた厚生労働部会など合同会議の冒頭、「社会保険庁等改革ワーキンググループ」の尾辻秀久主査(元厚生労働相)がこう述べると十数分後には了承された。
 最初に社保庁が自民党に提示したのは、休職の許可を得ないまま組合活動をしていた「ヤミ専従職員」に限り、非正規雇用でも採用しないという案。これが拒否されると、個人情報ののぞき見などで懲戒処分を受けた八百六十七人のうち「停職」「減給」者も採用しないと追加した。
 だが処分が最も軽い「戒告」者には期限一年の非正規雇用ながら採用の道を残したため、自民党は「採用基準が甘い」として独自案を作成。「戒告」者も一切採用しないことになった。
 次はヤミ専従の実態解明に焦点が移る。社保庁は東京、大阪、京都の社保事務局で三十人のヤミ専従職員がいたとの調査結果を公表したが、調査自体が不十分との指摘が多い。厚生労働省は二十三日、「社会保険庁職員にかかわる服務違反調査委員会」(委員長・水嶋利夫新日本監査法人理事長)の初会合を開き、実態解明の作業に着手した。
 ただヤミ専従の実態解明が進めば、懲戒処分歴のある職員はさらに増える。経験者が少なくなれば、年金機構の業務運営に支障が出る可能性もある。舛添要一厚労相は「(一千人を計画している)民間人採用をさらに増やして対応したい」と語った。
 年金機構への移行にあたっては人員を二割削減することが決まっている。一方で、八億五千万件の紙台帳記録とコンピューター記録を照合する作業には数千人の非正規職員を投入する予定。二千億円の費用がかかる見込みだ。そもそも現場である社会保険事務所では業務に慣れない非正規職員が起こした記録ミスも多い。本当に必要な人数や民間委託の方法など業務運営の議論は進んでおらず、信頼回復には不安を残している。




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