ピーター・スワンソンさんの「アリスが語らないことは(ALL THE BEAUTIFUL LIES)」(務台夏子訳)を読みました
「そしてミランダを殺す」と「ケイトが恐れるすべて」が、いずれもかなり好みだったので、事前の期待は高まりました
しかし、今回は非常に残念な結果に終わりました
まず、「ミランダ」では鮮やかに決まりましたが、本作では二部構成を取った意味が全く感じられません
各章の冒頭に,わざわざ「現在」「過去」と明記するのも、なにか仕掛けがあるのだろうと思って読んでいたのですが、最後まで何もなし
主人公ハリーのキャラクターもつかみどころがなくて、感情移入ができません
ハリーとその親友ポールやその彼女的存在のキムとの関係性も、被害者に双子を登場させる意味も全くなし
せっかく最後にインパクトを与えられそうなエピソードをもってきたのに、そこまでがずっとグダグダなので、生かし切れませんでした
時系列的には、次は2019年に発表されている「Before She Knew Him」でしょうか
今から期待したいと思います