ピーター・スワンソン/アリスが語らないことは | 弁護士宇都宮隆展の徒然日記

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くにたち法律事務所@吉祥寺 東京大学法学部卒 東京弁護士会所属(35489) レアルマドリー・ボクシング・小説・マンガ・音楽・アート・旅行・猫などが中心のブログです

ピーター・スワンソンさんの「アリスが語らないことは(ALL THE BEAUTIFUL LIES)」(務台夏子訳)を読みました
 
「そしてミランダを殺す」と「ケイトが恐れるすべて」が、いずれもかなり好みだったので、事前の期待は高まりました

 

 

しかし、今回は非常に残念な結果に終わりました

 

まず、「ミランダ」では鮮やかに決まりましたが、本作では二部構成を取った意味が全く感じられません

 

各章の冒頭に,わざわざ「現在」「過去」と明記するのも、なにか仕掛けがあるのだろうと思って読んでいたのですが、最後まで何もなし

 

主人公ハリーのキャラクターもつかみどころがなくて、感情移入ができません

 

ハリーとその親友ポールやその彼女的存在のキムとの関係性も、被害者に双子を登場させる意味も全くなし


せっかく最後にインパクトを与えられそうなエピソードをもってきたのに、そこまでがずっとグダグダなので、生かし切れませんでした

 

時系列的には、次は2019年に発表されている「Before She Knew Him」でしょうか

 

今から期待したいと思います