こんばんは。



InBanです。


最近寒くて本当に閉じこもっていたいんですけど、仕事上外にいる時間が多くて、足がとう②しもやけのようになってしまいました。



お湯につけると痛くて…Y(>_<、)Y



あれってどうすればいいんですかね?



指はいつの間にか切れるし、耳は千切れるんじゃないかってくらい痛いし。



早く春が来ればいいのに。



「え?私にも?」


…………


…………



「余計なお世話だよ!!!!!」





『19.   夏祭りの奇蹟』   ②




「もしもし」



美保ちゃんは相変わらず明るく電話に出てくれるので、こちらとしても気持ちがいい。



「今レポート終わったよ。あのさ、もし良かったらね、これから夏祭りに行かない?」


美保ちゃんはすぐにOKしてくれ、時間を決めた。



「じゃあ、六時ね」



約束してから俺は急いで支度をした。



『そういえば、前にこの部屋を使っていたやつも祭りが好きじゃったな』



春姫がしみじみと言った。



「結構好きな人多いよね。ハルカも好きだし。春姫も来るか?」



『遠慮しておく。お主と一緒だとお主にばかり気をとられて周りに集中できないからな』



「ひどいヤツだな。俺のことは大丈夫だって」


と言ったが、これは春姫なりの気の遣い方なのだと思い、しつこく誘わずにいた。



「じゃあ、行ってくる」


『健闘を祈るぞ。いい報告しろよ』



春姫はしれっとプレッシャーを与えて見送った。




今回は俺のほうが早く着いた。



「アツヤ君、早いのね」


「いや、いつも美保ちゃんを待たせているからね」


「いつも私が早く来てしまうだけなのよ」



美保ちゃんは苦笑いをした。



「アツヤ君て、お祭りとか好きなの?」


「うん。結構好きかな。最初は付き合いで行ってたんだけど、今じゃ俺のが好きになっちゃって」



今日美保ちゃんはなんと、お祭りだということで浴衣を着てきた。


俺はそれにばかり目を奪われている。



「美保ちゃん。浴衣似合うね」


美保ちゃんの浴衣は水色がベースでその周りに金魚と雫の絵が描いてあるもので、美保ちゃんの白い肌にとても合った。



「ありがと。やっぱお祭りだし」



神社に着くとまず、一通り屋台を回った。



屋台の数もすごく多かった。


「美保ちゃんなんか食べてきた?」


「ううん。時間も時間だし、せっかくだから屋台で食べたいなと思って何も食べないで来たわ」



そこで、俺たちはもう一回屋台を巡り、俺はお好み焼きを、美保ちゃんはたこ焼きを買った。



それ以外にもわたあめを買った。



神社の境内が人気がなかったのでそこで食べることにした。



境内は階段を登るので少し高い。


そこから屋台が並んでいるのを見ることができた。



あたりはだんだん暗くなってきて、屋台の明かりがきれいだった。



しかも、結構静かなので話をするのにも絶好の場所だった。



なぜ、みんなここに来ないのか不思議だった。


「美保ちゃんて好き嫌いないの?」


俺たちは買ったものを半分して食べた。



美保ちゃんがおいしそうに食べるので俺はこんな質問をした。


「私は好き嫌いはないかしら。何でも食べるわね。アツヤ君はあるの?」


今後は美保ちゃんが質問をした。



「俺はトマトが嫌いかな。あれだけは食べれない」


俺がそう言うと、美保ちゃんはなんで嫌いなの?と言いたげな顔をした。



ここは薄暗くてほのかな提灯の明かりしかないので怖いかと思ったが、俺はこの雰囲気が嫌いではなかった。



美保ちゃんは逆に嫌いなのかと少し注意してみていたが、どうやらリラックスしている様子なので安心した。


嫌いだったら違うところに行こうかとか言ったり、辺りを気にしたりするはずだ。


でも、美保ちゃんはたった今たこ焼きを完食した。



「アツヤ君」


美保ちゃんはお好み焼きに少し手をつけた後に言った。


「なに?」


「なんで、私を好きになったの?」



そう言われたあと、確かに俺は美保ちゃんからどうして俺を好きになったのかは聞いたが、俺からは話してはいないなと思った。



そうだ。美保ちゃんは初めて男の人と付き合う。



相手がなんで自分を好きなのか気になるのは当然だろう。



「そうだよね。俺話してないよね。あのね、通学途中にたまに美保ちゃんを見かけてさ、それから気になっていたんだ。いつも外とか見てる美保ちゃんの横顔とか、髪とか、指とか。とにかく全部が気になってさ」


俺は話していて気持ち悪いと思われたか不安になった。



改めて自分の行動を思い返したら、ずっと美保ちゃんを見ているので変態みたいだった。


でも、美保ちゃんは笑って「ありがとう」と言ってくれた。



「私はアツヤ君の優しいところや、人を気遣ってくれるところが好き」


美保ちゃんは改めて好きと言ったことに対して照れていた。



その姿が可愛かった。


「ここ落ち着くね」


俺はここだからこういう話ができたのだと思い、美保ちゃんに共感を求めた。


美保ちゃんも頷いた。



「ねえ、花火とかってしていいのかしら?」


美保ちゃんが言った。


「小さいのなら大丈夫かもね」




俺たちは近くのコンビニで線香花火を買った。


祭りに浴衣に花火。最高のシチュエーションだ。



境内に着くと、早速俺は美保ちゃんの持っている線香花火に火を点けた。


花火は小さいけど、それなりに激しく火花を散らした。



美保ちゃんはその火が落ちないようにそうっと見ていた。


俺も火を点け、風で火が消えないように注意しながらどちらが長く持たせることができるか競争をした。



「…ねえ、アツヤ君」


「ん?」


「私、初めて付き合う人がアツヤ君でよかったわ」


花火を見ながら美保ちゃんは言った。



なんという反則わざ…



案の定動揺した俺の線香花火は落ちてしまった。



美保ちゃんはそんな俺を見てニコッと笑った。



その姿を見て、俺は美保ちゃんにキスをした。


一瞬の出来事だったが覚えている。



美保ちゃんはびっくりして口を押さえたが、その後、俺のした行為が理解できたようで、また照れた。



俺も美保ちゃんの顔が見れなかった。



中学生みたいでおもしろかったが。



しかし、次の瞬間、今度は美保ちゃんから俺にキスをし返してくれた。





コオロギの鳴き声の聞こえる中、俺たちは残りの線香花火に火を点けた。






はい。



お疲れ様でした。



少し、甘酸っぱい気持ちになりましたでしょうか?



次回は少し春姫の話をしようと思います。


なぜ、春姫が生まれたのか。


どのようにして生まれたのか。



アツヤ君はその身をもって知ることになります。



それではまた次の章で会いましょう。



バイバInBan。






どぅも~今年こそは彼氏いないけど、結婚をかなり本気で考えているInBanです。



分かってるよ。



イタいっって言いたいんでしょ?

 

「余計なお世話だよ!!!」



紹介してくれるの?



「おねがいしますッ!!!」




いや、物語は夏ですね。



季節変わって夏のお話になってきます。


細かい突っ込みは受け付けません。



さて、前回はハルカお姉さんのハッピィなお話で終わりました。



今回は少しだけ春姫が活躍する回です。




それではお楽しみ下さい。









『17.   夏祭りの奇蹟』   ①




俺の部屋には幸運にもクーラーがあるので、外でけたたましく鳴き続けているセミの声も、音楽をかけていれば全然聞こえない。



そのなか、俺はたまりにたまったレポートをやっつけていた。



携帯が鳴ったのはレポートがイイ感じに進んできたときだった。



今手を止めたらきっと後やる気が起きないような気がして、しつこくなり続きえている携帯を無視していた。



『アツヤ。電話に出なくていいのか?』


朝が嫌いでずっと姿を消していた春姫が、外で鳴いているセミのようにけたたましくなり続けている携帯の音で目を覚まして言った。



「いいの。今いいとこだから。どうせ京子が浩志だろ?あとでかけ直すからほっといて」



『美保からだぞ』




着信は全部で三件あって、そのすべてが美保ちゃんからだった。



『悪い男だな~アツヤ。もう手の平で転がせるようになったら途端に放置プレイか?』


「違うよ!春姫」



俺は慌ててレポートをしていた手を止めた。



お互い課題などで忙しくなってきてここ最近遊んでいなかったのだ。



しかも、三件もかけてくれるということはもしかしたら急用かもしれない。



「もしもし」


二コールで電話に出た美保ちゃんの声は、俺の気持ちとは裏腹にどこか安心したような雰囲気だった。



しかも、美保ちゃんは「大丈夫?」と俺に聞いた。



「え?なにが?」


俺はなんで美保ちゃんが俺を心配しているのか聞いた。



すると、美保ちゃんは答えてくれた。


どうやら、太一が美保ちゃんに俺が夏バテで数日飲まず食わずでいるから死んでいるかもという脅しの電話が入ったらしく、優しい美保ちゃんは太一なんかの言葉を信じて連絡をしてくれたらしい。



確かに俺は寒いのより暑いほうが苦手だが、いくらなんでも夏バテで死んだりはしない。



「大丈夫だよ。俺今レポートやってたんだ。それで電話に出れなくてさ。心配かけちゃってごめんね。あと、太一のことは信用しなくていいから」



俺は美保ちゃんの心配を取り除くために電話に出られなかったわけを話した。



「ところで美保ちゃんは課題とか終わった?」



せっかく美保ちゃんと話をする機会なので、すぐに電話を切ってはもったいないと俺は美保ちゃんに質問をした。



「実は私もまだ終わってないの。でももう、今日はやらないって決めたの」


美保ちゃんは明るく言った。



「じゃあさ、俺もこのレポートだけだからこれが終わったらどっか遊びに行かない?」



今日美保ちゃんと話せたのはラッキーだった。



実は俺は美保ちゃんと行きたいところがあったのだ。



「うん。遊ぼう。私今日何もないからアツヤ君のレポートが終わったら連絡下さい」



「分かった」と、電話を切ってから俺は死に物狂いでレポートに打ち込んだ。




今俺が必死の形相で打ち込んでいるレポートは“昔の文化と現代の文化の違い”についてのレポートだった。



戦争経験者や近所に住んでいる高齢者の話を聞いてレポートにまとめるといったものだ。



話してくれる人が近くにいなくてもインターネットが普及している今の時代は大変便利だ。



しかし、その手段が接続されていない俺はとて不便だ。



携帯での検索はたかが知れている。



こういうとき、頼りになりそうな田舎の祖父母だって俺が幼いときに亡くなっている。



図書館に行ったって何から手をつけていいのか迷っている時間は俺にはない。



インターネットカフェはこの近くにはない。



時間は残酷にも過ぎて行く。




『行き詰まっておるようじゃな。アツヤ』



「春姫…あっ!!そうだ春姫」



俺が突然大きな声を出したものだから春姫は驚いてしまった。


「ああ、ごめん」



そうだ。



春姫は戦争経験者だ。



それに、たくさんの出来事を見てきているはずだ。



春姫に聞けばいい。



…と、一瞬思ったが、そのあと、俺はやっぱり自力で探すことにした。



だって、春姫に戦争の話を聞くということは、春姫はあのいやな戦争のことを思い出さないといけない。



あの出来事は春姫が生まれたきっかけだったのと同時に、春姫たちの願いが叶わなかった出来事だからだ。



『お主、またわしに気を使っておるな』



「春姫…」



今は気づかれてしまっても俺にはこの気持ちを隠す余裕はなかった。



『お主、なぜわしを見ずに話すのじゃ?わしの心苦しいと思っておるのか?』



「春姫、ごめん」



『なぜ謝る?わしは何も怒っておらぬ。むしろ、わしは嬉しいのだ。お主はちっとも学習せんな。わしはあのことについては何も思っておらん。お主が気にすることではない』



春姫はそういう話をするとき絶対に目を逸らさずに俺を見て話をする。



『ふん!アツヤの為に特別に話をしてやろう。霊となってもわしらはずっとこの場所に居続けたため、その後の出来事も鮮明に覚えておる』



そう言うと、春姫は一回黙ってから話し出した。



『そうだな、あの頃はとにかく食べるものがなかった。それこそ口に入るものがそばにあるだけで幸せなのだよ。草の芽を食べておる人もいたし、腐った芋を食べている人もおった』



それは遠い昔の、春姫たちが亡くなって間もない頃の話。



『今となっては情報は溢れておる。しかし、あの頃はどんなに近い距離の情報だって幾日もかかってやっと耳に届く。わしはもちろんその場で実際に体験したわけではないので実際に経験したことのあるものよりは説得力に欠ける部分はあるが、大方事実じゃろうな。とにかく何をするにも不便じゃった。そんな生活にみな苛立ち、揉め事も耐えなかった。犯罪だって当たり前のように起きていた。殺人、盗み、放火』




春姫は時々目を閉じ、その時の情景を思い出すように話した。



俺は必死にメモを取りながら聞いている。



『お主、他にきくことはないのか?できる限り答えてやるぞ』



春姫は親切にそう言ってくれたので、俺は遠慮なくそのときに流行った遊びや、美味しかった食べ物、着ていた服などを聞いた。




春姫のお陰で俺は十二枚にも及ぶレポートを書くことができた。



全部手書きにしなくてはならないので、大変だった。



「ありがと。春姫、すごくいいのが書けたよ。ゴメンな、辛いこと思い出させて」


『わしはお主のそういうところが好きじゃよ。あのときのことはわしには全く関係ないことじゃ。気にするな』



春姫の言葉に俺は改めて春姫は大きいなと思った。



『アツヤ。無事課題も済んだことだし、美保とどこに行く気なんだ?』


「うん、今日は美保ちゃんと夏祭りに行こうと思ってさ。この近くでやってて大きな笹に願い事が書けるんだよ。俺こっち来てまだ一回しか行ってないけど、また来たいって思ってさ。今度は好きなこと行こうと思ってたんだよ」



俺が今日美保ちゃんと行こうと思っているお祭りは、結構大きなもののようで、去年は京子と浩志と三人で行った。



屋台などもたくさん出る。



『そうか、もうそういうシーズンになったのか』



春姫はしみじみと言った。







はい。



少し長かったですね。



お疲れ様でした。



次回は夏祭りのことをたくさん書いていこうと思います。




それでは次の章で会いましょう。



バイバInBan。




はい~!!!



InBanです。


今日で16章は最後になります。



HAPPYなお知らせがあるよ。





それでは参りましょう。













『16.   隠してきた事実』      ⑦




無事イメージチェンジを終えた俺は早速美保ちゃんに連絡した。


「もしもし、美保ちゃん。今何してるの?」



俺は美保ちゃんが暇ならせっかくサチさんにやってもらった髪型を披露しようと思っていた。



美保ちゃんは今日は家で課題をやっていたらしい。



「課題してるのか。忙しいよね」



俺は美保ちゃんに無理をして欲しくなかったので、今日遊ぶ事は諦めようと思っていたら、なんと美保ちゃん自ら誘ってくれた。



「うん。じゃあ渋谷でお茶しようか」



美保ちゃんは嬉しそうな声でOKしてくれたので、三十分後に渋谷の駅で待ち合わせになった。




俺はもちろん今原宿なのですぐに着いてしまう。



なので、少し雑貨を見ることにした。



原宿にはかわいい雑貨屋がたくさんあった。


かわいい花瓶が売っていたので買うことにした。



部屋の模様替えで夏っぽくしたいので緑でも置こうと思っている。



ひとつ買うとテンションが上がり、もう少し見てみようと思ったが、時間になりそうなので渋谷に向かった。




駅に着くと美保ちゃんはまた先に着いていた。



俺は慌てて走ってしまった。



「ごめん、お待たせ」


「私の方こそまた早く着いてしまったわ。この近くで課題をしていたから」



と、言って美保ちゃんは俺をじっと見た。


俺は緊張してしまう。



「髪型カッコイイ」


美保ちゃんは俺の髪に触れて言った。



「どうかな?似合う?」


「うん。サチさんうまいわね」



美保ちゃんは全面的にサチさんを信頼しているようだった。


「どっか入ろうか」



俺たちはそのまま近くのカフェに入った。



「美保ちゃんとサチさんてどのくらい付き合いが長いの?」



「ええ。私が高校生の時にスカウトされたの。それでサチさんのテクニックがすごくてもう憧れちゃったの



「そうなんだ。なんかすごく親しそうな感じだったから」


「なんか変なこと言ってなかった?心配だわ」


「はは。大丈夫だよ」



美保ちゃんはカフェ・オレを、俺はアイスコーヒーを頼んだ。



普段の日なだけあって店は空いていた。


「もうすぐ暑くなるね」


「アツヤ君は夏休み実家に帰るの?」


「ああ、多分ね」



と、話しているとき、タイミング悪く携帯が鳴った。



ハルカからだった。



一回目は無視していたが、しつこく鳴るので出る事にした。



「美保ちゃんごめんね」



出るとハルカは妙に高いテンションだった。



「どうしたの?え?!マジで?すごいじゃん。おめでとう」


つい美保ちゃんがいるのに大きな声を出してしまった。



電話を切った後も俺は興奮が抑えられなかった。



「お姉さん?なんだって?」


「あの…子供が出来たって」


「うそっ!すごい。良かったじゃない」


美保ちゃんもビックリしていた。


まるで隠していた事を正直に話していたことに対する神さまのご褒美みたいだ。



「今日お姉さんのところに行ってあげてよ」



美保ちゃんはいそいそと帰り支度を始めていた。


「いや、まだ…」



俺としてはまだ美保ちゃんと一緒にいたかったのだが、どうやら美保ちゃんはそうではないらしい。



「いいよ。今病院に行ってるって」



「でも、アツヤ君いても経ってもいられないでしょ?私に構わないで帰ったらいいわ」


美保ちゃんのその言葉は100%善意だと今はもう確信している。



なので、俺はこのまま帰ることにした。


少し、ハルカが憎い…



「じゃあ、美保ちゃん。ごめんね、少ししかいられなくて」


「ううん。いいの、お姉さんによろしくね。おめでとう」


美保ちゃんがまるで自分の事のように喜んでくれるので、俺も嬉しかった。




ハルカの家に着くと、まだハルカはいなかった。


合鍵を持っているので中で待っていると、ハルカと健一が帰ってきた。



「おかえり。ハルカおめでとう」



「ありがとう。アツヤ。実は今日二人で病院行ってたの。赤ちゃん出来たって健一に言ったら来てくれたの」



さすが健一だと思った。



「なんか気持ち悪くてさ、お腹壊したのかと思って病院行ったら二ヶ月だって」


「すごいな。ハルカ専業主婦なんだし、元気な赤ちゃん産めそうだな」



「え~アタシ何もしないでこの子とのんびりしてようと思ってたのに」


「いいよ。ハルカのために頑張るよ」



「俺…別にノロケ話聞きに来た訳じゃないんだけど」



二人のラブラブぶりに早くも帰りたくなった。









はいはい。



お疲れ様でございました。



ハルカさん。良かったですね。



私の姉も今年出産予定です。



是非頑張って元気な赤ちゃんを産んで頂きたいですね。




それではまた次の章で会いましょう。



バイバInBan。















またせたな。


InBanです。


それでは早速本題のほう参ります。



今、部屋の電気がチカ②して、かなり目に悪そう…




これ…替えないとね。



今回はお待ちかねの美保ちゃんのあこがれの先輩サチさんの美容院にアツヤ君が行きます。




会話にご注目下さい。



ではご覧ください。










『16.    隠してきた事実』   ⑤




『何を見ておるのじゃ?』


家に帰り、雑誌を読んでいた俺に春姫が話し掛けた。



今、俺が熱心に読んでいる雑誌はヘアカタログで、明日に行く美容院でどんな髪型にするか迷わないためにあらかじめプランをたてようと見ていた。



「これ、髪形がたくさん載ってる本でさ。ほら、俺明日美容院行くじゃん」


『ふうん』



春姫はあまり興味ないようであっちに行ってしまった。



とはいっても、読んでいる俺自身も実際さっきからページを無駄にめくっている。



もともと、クセのある髪質でも、カラーをしているわけでもなく、ましてやパーマをかけているわけでもない俺の髪は本当にどこにでもいる普通の男の髪型だ。



何が合うのか、どんなことができるのか分からない。



少し、伸びてきたなと思ったら自分で切ってしまうのだ。



そういうところは結構器用だったりする。



『それこそ美保に相談するべきなのではないか?お主たちはもう付き合っておるのだからなにを気を使うことがあるのだ?初恋か?中学生か?』


春姫は部屋を行ったり来たりして言う。



春姫の言うことはもっともだと思うが、俺は何よりも美保ちゃんの天然ぶりに少し、戸惑っている。



本当にサチという人の働いているお店を紹介してくれ、しかも、なんとそこに俺一人で行くということに。



きっと、美保ちゃんなら「そういうことならサチさんに任せれば大丈夫よ」とか言うに決まっている。



相談するにしても事前にインスピレーションが浮かんでいるほうが話がしやすいと思い、俺は美保ちゃんに相談しないで雑誌で探すことにしたわけだ。



「春姫。今髪型俺がしたらどう?」


俺は今の自分の髪の長さに近く、それに少し段をつけて軽い雰囲気の髪形をしているモデルを指して春姫に聞いた。



『ふ~ん。わしとしてはこっちのほうが似合いそうだ』


春姫はそのモデルの隣を指した。



俺の指したモデルよりも少し、短い髪型で全体が茶色い色をしていた。



「ああ、俺カラー剤のニオイだめなんだよ。一回も髪染めたことないし」


『わしはそのくらい髪が短くてもいいのではないかと思ったのじゃが』



俺は鏡の自分と雑誌を見比べながら少しずつだがイメージできてきたことを実感していた。






約束の時間よりも早く美容院に着いてしまった。



初めて行くので少し余裕を持ったのだが思いのほかすぐに見つかった。



お店の名前は「BREAM」。間違いなかった。



しかし、時間をつぶすにしてもこの近くにコンビにも喫茶店らしきお店もなかった。



仕方ないので少し早いが店に行くことにした。



「いらっしゃいませ」



働いている人は全部で七名。



男性が二人いるだけであとは女性だった。



店内は白と茶色をベースにしているようで、暖かさや落ち着いた大人の雰囲気を感じた。



「あの…十一時に予約している島村ですけど」


俺がそう言うと、受付をしてくれた人が席に案内してくれた。



「お待ちしておりました。こちらで少し、お待ち下さい」



そう言って、店の奥に入って行ってしまった。



俺のほかにも数人のお客さんがいるところを見ると、繁盛している感じだった。



「お待たせいたしました。美保ちゃんのご紹介の方ですよね?」


鏡越しに笑顔で迎えてくれた。



きっと、この人がサチさんだろう。



「はい。えっと…」



「担当をさせて頂きます、神田倖と申します」



きれいな人なので驚いた。


長いウェーブのかかった髪を二つに結んでいた。



いい香りがする。



「今日はいかがいたしましょう?」



そう言われた途端、俺がせっかく少しだけ考えていたイメージがふっとんでしまった。



「ま…任せます」



「はは。緊張してますか?」



「ええ。ちょっと」



本当に緊張していた。


こんな本格的な美容院に行くのも始めてなのだが、何よりも美保ちゃんの知り合いだということが一番大きかった。



「リラックスして下さいね。少し流します」



サチさんはそう言うと、俺をシャワー台へ案内した。


髪は短いので簡単なシャンプーをした後、再び元の席に戻り、俺が任せると言ったのでサチさんは早速はさみを入れ始めた。



その間俺はもらった雑誌を読んでいた。




「島村さんは美保ちゃんと付き合ってるんですか?」


「…え?!」



突然言うものだから最初沈黙してしまった。



「はい。まあ」



「聞いてもいいですか?」


「なんですか?」



俺はこの人が何を言うのかすごく気になってしまった。


もしかしたらサチさんも美保ちゃんと同様天然ですごいことを言うかもしれないと身構えてしまう。



「どっちから告白したんですか?」


「え?…ああ、向こう…からです」



恥ずかしくて俺は聞こえるか聞こえないかの大きさで答えた。



会ってまだ間もない、ましてやお客に言う質問ではないだろう…



「ごめんなさいね。私、彼女とはカットモデルとしてお付き合いさせてもらってて、それから色々話をするようになったんだけど、どうやら美保ちゃんは男の子と付き合ったことがないみたいで」



「そうみたいですね」



俺はサチさんの話に答えながら雑誌をめくっていた。


「でも、男の人を紹介するなんてすごく珍しいことだから驚いてしまったわ」



「確かに驚きますよね。俺も正直驚きましたし」


「そうでしょうね」



やはりプロなだけあってすごく早く髪の毛を切る。


しかも、細かく髪を切っていく。



そのはさみ捌きに見惚れてしまう。



「美保ちゃんも美容師になりたいみたいですね」


「そうなんだってね。うれしいわ」



サチさんは笑った。



笑った顔がかわいあった。



鏡のサチさんを見ていて、目が合ってしまったので慌てて視線を雑誌に移すと、おもしろい特集が載っていた。



“あなたの幽霊体験談”


もうすぐで夏を迎える季節なのでそういう類の話は多いのだろう。



俺は自分と同じ境遇の人がいるの興味が沸いて、その特集を読むことにした。



しかし、どれも心霊スポットに行って怖い思いをしたという話ばかりだった。



怖いのなら行かなければいいのにと思っている自分がいた。



俺が探していたのは幽霊を見たり、幽霊と話したことがあるという話だったが、さすがにそういう経験をした人はいなかった。



諦めて次のページに移ろうとした時、ふと鏡を見るとサチさんもこのページを見ていた。



「気になりました?」


俺はあまり美容院に行ったことはないが、美容師が自分の見ている雑誌に興味を持って見ているという経験はなかったので、気になった聞いた。




すると、サチさんは申し訳なさそうに謝った。



「ごめんなさい。ちょっとこういうの気になってしまって」


「あはは。幽霊とか信じる人ですか?」



俺は春姫のことを匂わすような言動を控えるためにも普通の人が返すような返事をした。



「ええ。まあ」


サチさんは少し、意味深な言い方をした。



「これは笑い話なんだけど、昔、幽霊を見たことがあるの」



「え?!」


本気で驚いてしまった?



「どんな幽霊なんですか?」



「あ。興味持ったね!」


春姫みたいな幽霊なのか確かめたかった。


俺の中では幽霊イコール春姫で、ほかの幽霊の話が聞けるから興味があった。



「私が見たのは男性の幽霊よ。全然面識ないのに私の前に現われたの」



サチさんは思い出しながら話をする。




「思えば、その幽霊のおかげで私は今美容師になれている気がするわ。自信のなかった私に勇気をくれてね。何を話したかとかはもうあまり覚えていないけれど、とても大切な存在だったのは確か。初恋だったのかも。幽霊が初恋の相手っていうのも少し、ロマンチックね。ゴーストみたい」



「はは。確かに」



俺が幽霊の話に食いついたから少し、大げさに話をしてくれたのかもしれないと思い、俺はそのまま話を広げることはしなかった。



「どうする?少し、色をつけてみる?」



突然美容師の顔の戻ってサチさんは聞いた。



「あ。そのままでいいです。俺カラー剤のニオイダメなんです」


「ああ。そういう方いますから。分かりました。それでブローして仕上げますね」



あっという間だった。



肩についていた髪は短くなり、目にかかっていた毛も今はもう眉毛につくかつかないかというところまで切り揃えられた。



全体的に見ると、春姫がいいと言っていた雑誌のモデルみたいな髪型になった。



「いかがですか?」



鏡で後ろの髪もみせてもらい、俺は「いい感じになりました」と、お礼の言葉を言った。












はい。



ここまで読んでくれた方。


お疲れ様でした。




本当はもう少し、美保ちゃんとの話ができたらいいのかと思いましたけど、なんせ初対面なものであまり、込み入った話ってしないと思ってやめました。




それよりも、サチさんも幽霊と話したことあるんですね。


気になりますか?



だって初恋だったんですものね。




気になる方はInBanまでアクセスして下さい。




それでは次の章で会いましょう。




バイバInBan。










寒さにも負けずにブログ書いてます。



あなたのInBanでございます。


今日は早速本題に入ります。



今回は少し長めに書こうと思っていますので、携帯でご覧になっている方には少し見ずらいかもしれません。



それではご覧下さい。










『16.  隠してきた事実』    ④




ハルカとは本当にそのことだけを話して帰ってきた。


俺は人生経験が豊富なほうではないので、すぐにその場にふさわしい言葉が出てきてくれない。



「春姫。やっぱハルカ話すのが怖いらしいんだけど、そういう時俺はなんて言ってあげたらいいのかな?」


相変わらず俺は春姫に頼りきりだ。


春姫はまた夕日を眺めていた。


『お主もお節介じゃな』



半分笑いながら春姫が言った。


確かに俺はなんだかんだ言いながら面倒くさい事が好きなようだ。


『お主が姉に言ったことは正しい事だと思うぞ。具体的にどんなことを言ったのかは分からぬが昨日言っていた事を話したのであろう?誰かが言ってやらねばならぬのじゃ。そういうことはなかなか自分で決心が付いて解決できる事は少ない。姉は怖いのじゃ。何もしなければこの生活が続く、でもいつかは知られてしまうのがな』



俺は春姫に言われながらあの時のハルカの頷きを信じることにした。



それから何日か経ったがハルカからの連絡はない。



きっと迷っているのだと思った。


春姫からあまりしつこく催促するのは良くないと言われ、俺はハルカが自分から健一に話をするのを待つことにした。



『アツヤ』


一週間くらいした夜。


俺が夕食の片付けをしていたら春姫が呼んだ。


「なに?」


『携帯が鳴っていたぞ』


見ると美保ちゃんからだった。


早速内容を見るとドライブした時話した件のことだった。



『なんじゃ?』


春姫は興味津々だ。



「ドライブした時に美保ちゃんが憧れていた人の話しになったんだけど、美保ちゃんがその人が働いているところに行ってみたら?って話になったんだよ」



俺はてっきり冗談なのかと思っていたが、美保ちゃんは本気のようだ。


『美容院か?』


「そうなんだ。美保ちゃんサチさんて人に憧れて美容師になりたいって言っててさ。なんか今後行ってみてって言われた。そのサチさんて人には話したみたいで」



『すごい行動力だな』


春姫も感心していた。



確かに、冗談かと思っていたが、美保ちゃんがここまで話を進めていたことに驚いた。


「今後の土曜日予定が空いてたら是非行ってみてって」



メールにはそう書いてあった。


「え?俺一人?」


ちょうど土曜日はバイトもなく休みだったので行けると言えば行ける状態ではある。


メールを返すとやはり俺が一人で行くようだ。



『アツヤ。話した以上は行かないとイケナイのではないか?』


「本当に?俺行くの?」



『美容院だろう?行ってもいいんじゃないか?』


「そうだな。話のネタに行ってみるか」


場所は原宿だった。


そんなに遠いところではないので行くことにした。



電話で予約をとることにし、番号にかけると出た声はとても感じが良かった。


美保ちゃんの紹介と言うとすぐに予約が取れた。



時間は十一時にした。



大学は単位をほぼ取れている俺としては、最近サボりがひどくなってきている。


今日も講義をサボってインテリアを探しに下北沢を歩いていた。



最近は気分転換と季節が変ったことで部屋の模様替えにハマっている。


色も春や夏らしく明るい感じのものを揃えたり、ベッドカバーやクッションカバーの種類もさわやかなものにしようと考えている。



かさばるものはあまり買ったつもりはなくても、それでも荷物は両手いっぱいになってしまった。



どこかに入ろうとしたとき、携帯が鳴った。


一端荷物を置き、携帯を探しディスプレイを見ると、ハルカからだったのですぐに出た。


「もしもし。ハルカ」


ハルカは元気はなさそうだが、今日健一に話をすることにしたが、不安だから一緒に来てという電話だった。


「うん。分かった、恵比寿ね」



ハルカが話をしてくれる気になってくれたことはうれしかった。




家に帰ると、春姫が迎えてくれた。


一人暮らしの人は帰ると一人だということを改めて知り、寂しくなると言うけれど、俺は春姫がいるので全然寂しくない。



『どうした?アツヤ。なんか元気そうじゃな』


「そうかな~春姫。聞いてくれよ。ハルカが健一に話をする気になったみたいでさ」



俺は嬉しさが抑えられなかった。


春姫も嬉しそうだった。



俺たちは健一がいつも帰ってくる八時に合わせて恵比寿の居酒屋で待ち合わせをした。


八時きっかりになって健一がやって来た。



ハルカと俺はすでに到着していて、どういう風に話を切り出すか話していたが、結局何の結果もないまま健一を迎えてしまった。



「二人とも早いね。どうしたの?今日は」


何も知らない健一はビールを頼むとネクタイを緩めながら言った。


「それよりほら。アツヤの彼女ができた記念。またやんない?」


ハルカはやはりまだ話を切り出せないようだった。



「でもアツヤ君の彼女、美保ちゃんだっけ?アツヤ君だから好きになれたってかなりの殺し文句だよね」


健一は感心しながら言った。



確かに、俺だったら恥ずかしくて言えないと思う。


でも、さすがに今日はこれ以上話を広げられない。



テーブルは料理で溢れ、健一以外はあまり手を付けていなかった。


まあ、付けられない。


案の定、料理はたまる一方だ。


そろそろ話しに入った方がいいと思い、俺はさり気なくハルカの足をつついた。



ハルカはそれに気付き、少しためらったが今話さないとチャンスはないと思ったのか、話を切り出した。



「実は今日ね、健一に話さないといけないことがあって呼んだんだ」


健一はハルカの改まった顔を見て、不思議そうな顔をしていた。


「なに?」


健一はこういう時も優しくハルカに聞く。


「…健一はアタシと明るい家庭を作りたいの?」


ハルカの質問に健一は何を言っているんだ?と言うような顔をしたが、「うん」と言った。



それを聞いたハルカは余計話せなくなってしまった。


でもそれでも話し続けた。



「あのね、アタシね」


“子供を産むのが怖い”というその一言が言えないでいた。


「健一はハルカのことが好きだよな」


俺は堪らず健一に確かめるように聞いた。



「うん。もちろん」


「好きならハルカがどんなことを言っても受け止めるよな?」


「当たり前だよ。どうしたの?アツヤ君。ハルカも」


健一は不安そうに言った。



「アタシ、実は健一に隠してた事があるの」


ハルカは健一の言葉を信じて話す決意をしたようだ。



「アタシね…二回流産したの。だからもしかしたら赤ちゃん産めないかも知れないの」


半分泣きながらハルカは話した。



二回流産したこと。


後一回流産してしまうと赤ちゃんが産めない体になってしまう可能性があると。




どのくらいの時間が経ったか分からない。



多分そんなに長い時間ではないと思うけれど、ハルカはゆっくりと話し続けていた。



俺が見守るなか、健一が話し出した。



「ハルカ。それ今まで言わなかったのは、俺がそれでまた逃げると思ったから?」



また?


「また?」



俺はとっさに割り込んでしまった。


健一は今またと言った。


ということは健一は知っているのだろうか。


ハルカが過去に流産が原因で彼氏にふられてしまったことを。



「ハルカから、昔、好きで結婚まで考えていた人に逃げられる形で別れた事は聞いていたよ。でも、原因がそのことだとは知らなかった。ヒドイ男もいたもんだね。俺は別にハルカと明るい家庭を持ちたいとは言ったけど、そのなかに子供がいるかはまた別だよ」



健一はハルカと俺を交互に見ながら話す。



「俺はハルカが好きで結婚したんだよ。そのことが原因で別れるなんて事はしない。少しは俺のこと、信じて欲しいな」



健一は優しく微笑んだ。



「ハルカ。聞いた?やっぱ健一はすごいな」


「あはは。すごくないよ。ハルカにここまで我慢させちゃって悪かったね」


逆に健一が謝った。


ハルカは大粒の涙を流してお礼を言った。



俺は改めて健一みたいになりたいと思った。




「健一アリガトな」


帰り道、なんだか俺は健一にお礼を言いたくなった。



すると健一は肩を軽く叩いて「ハルカはイイ弟を持って良かったね」と、言った。



それは最高の誉め言葉だった。








はい。



ここまで読んでくれたご愛読者様。



ご苦労様でした。



今日は一気に書いてみました。



次回はこの章の最後になります。




それでは次の章で会いましょう。



バイバInBan。