ラ☆ス☆タ☆InBanです。



今日はたまったビデオを見ることにします。


かなりたまっているので全部見終えることができるか心配ですが…








『世界の終わりを、キミと…』


17.


「サチちゃん」


もうすぐこの地上ともサチともお別れになってしまう。


だから俺たちは悔いのないように過ごす。



あと三日しかない。



そんな中、カナがサチの病室を訪れた。


サチも俺も驚いてカナを見る。



そんなことも知らないカナは笑顔でサチの病室に入って来た。


「ど…どうしたんですか?」


サチはさすがに動揺を隠せない。



「あのね、昨日サチちゃんがあまり海に行ったことないって言ってたからさ、今日ちょっと付き合ってくれない?」


「え?」


カナはサチを海に連れて行くつもりらしい。


ちょっと勘弁してくれ…



『サチ…』


と、俺が断わるようにサチに目を配るとサチはすでにカナに手を引かれていた。



「ちょっと、どこ行くんですか?」


サチは困惑していた。


「あのね、アタシの好きな海を見せてあげたくて。大丈夫。先生に言って特別に外出許可を取ったの」


カナは何てむちゃくちゃな…



ああ、こういう女だったな。


カナはたまにわけの分からないことをする。


俺の誕生日にスイートルームを取り、バラのシャワーを浴びせたり、自分の誕生日になぜか友達と海外旅行に行ってしまい、一週間遅れの誕生日をする羽目になったり…



カナに手を引かれたサチは地下の駐車場へと向かっていた。


「アタシ実は、右利きなんだけど、左利きをマスターして運転できるようになったの。だからサチちゃんをドライブにご招待するわ」


カナは嬉しそうに言った。



サチはまだ状況が把握出来ない顔をしているがとりあえず助手席に座った。



車の中はカナの好きな曲が流れている。


カナの好きな曲はあの頃と変らない。


あの頃は運転はもっぱら俺が担当していた事だ。


「サチちゃん退屈?」


カナが景色ばかり見ているサチを気遣って声を掛けた。


「いいえ。私景色を見るのが好きなんです。景色は車と逆に通り過ぎるのってなんか素敵ですよね。見ていて飽きません」


そうサチが言うと、カナも景色を見た。



「本当ね。気付かなかったわ。アタシ、車に乗るとすぐ寝てしまうから。運転はいつも彼任せだったわ」


そう言ってカナは苦笑した。


きっと今の彼のことを言っているのだろう。



「アタシ、嬉しかったんだ。サチちゃんがアタシの病室を訪ねてくれたことが」


カナは運転をしながら言った。


「ほら。アタシは色んな病院を転々としているからあまり人が来ないから毎日退屈なのよ」


「私も嬉しいです。誘っていただいて」


サチはカナにお礼を言った。





そうこうしているうちにカナの車はひとつの小高い丘に到着した。


「降りよう


カナは言った。



俺たちはカナの言うとおり降りると、そこは一面海が見渡せるところだった。


波のきれいな音が聞こえる。



カナは一番海が見えるところへサチを連れて行き、大きく伸びをした。



「ここはね、アタシの思い出の場所なの」


俺はそんなカナを見ていたが、カナの目には俺は映らない事を思い出し、海を見ることにした。



「思い出の場所?」


サチが聞き返す。



「ええ。ここはね、アタシが初めてプロポーズを受けたところなの。丁度この場所よ」



と、カナはサチの立っているところを指した。


プロポーズ?一体何を言っているんだ。



「カナさんにプロポーズした人ってどんなひとなんですか?」


サチの質問は俺も興味があった。


カナはサチの言葉を聞いて少し照れたように笑った。



「とても素敵な人だったわよ。初めて心から好きになったかもしれないわ。プロポーズを受けた時は本当に嬉しかった」


そう言ってカナは泣いた。


「どうして泣いているの?素晴らしい事なのに」


サチはカナが突然泣いてしまった事に驚き聞いた。


「そう。素晴らしい事なの。でも、アタシはヒドイ女なの。一生償えない事をしてしまった。もう、逢えないの。その人に」


「え?」



暖かな風が吹く。


カナの髪が揺れている。



カナ?



「逢いたい。哲朗に逢いたい」










今日はここまでです。



お疲れ様でした。



それでは気になる続きはまた次回。



バイバInBan。













怒涛のバースディWeekが終わりました。




今日は最後のシメに相応しく、我が、BESTフレンドが祝ってくれたドキドキドキドキ



感動した。



何回やってもいいね。


嬉しいよ。ありがとう。



プレゼントは私のことを考えてくれたみんなが貯金箱(笑)をくれた。


嗚呼…分かっていらっしゃる。



毎日貯金することをここに誓いたいと思います(^O^)/






『世界の終わりを、キミと…』


17.


サチと俺はそれから屋上へ向かった。


サチが屋上へ行きたいと言ったからだ。


「天気がいいから広場もいいけど、屋上のほうがいいわ」


『サチ。また雲見るのか?』


俺の質問にサチは少し照れたように笑った。



屋上へは直通のエレベーターがあり、松葉杖になったサチでも簡単に屋上へ行ける。



松葉杖のほうが車椅子よりも歩ける範囲が広がるので、サチも良かったと言っていた。




屋上はまばらだが人がいて、サチは俺と思う存分話したかったのだが、小声で話しをしないといけないとぼやいた。



俺たちは近くのベンチに腰掛けた。


サチはたまに吹く風に髪をなびかせ、大きく深呼吸をした。


「(ねえ、哲朗)」


『なんだ?』


「(私の最初に印象ってどうだった?)」


『印象?』



俺は天使にサチの監察をするように言われていた時のことを思い返した。


あの時の俺は人を救うなんてバカらしいと思っていたし、まして、女の子なんて無理だと天使に食って掛っていた。


懐かしい。



『そうだな。マジメな子って印象だったかな?本とかばかり読んでたろ?』


「(ふふ…そうね。あまり人と話をしていなかったから)」


『でも、すごく物知りだよな』


俺は今までサチの読んでいるものなんて目を通したことも無いと思う。



『逆にサチはどうだった?ある日突然俺が現われたときどう思った?』


俺も気になりサチに同じ質問をした。



「(私は哲朗に言った通りよ。哲朗が現われてくれてすごく嬉しかった。話し相手が欲しかったのは本当のことだから)」


『そうか』


サチの言っていることは本当だと思う。


サチは俺に嘘をつかない。


俺はいつか天使のことをサチに言おうと思っていた。


天使のお陰でサチと会えたことを。



『俺はサチといて本当にサチを助けてやりたいって思ったのはサチが泣いているときだったんだ』


「(え?そうなの?)」


『まあ、その前もサチを助けるためにサチの側にいたんだけど、サチが悲しんでいるとき俺はいつもサチの側にいるしかできなかったからさ。不安だったんだよ。こんなんのサチを救うことができるのか』


「(私は側に哲朗がいるっていうことだけで、すごく力になったわ。哲朗の存在は私の勇気になったのよ。エリが困っているときに声をかけたのだって、自殺を止めたのだって、私一人だったらできなかった。絶対近くに哲朗がいたからできたことよ)」



サチは優しく笑った。


助けられたのはサチだけじゃない。



『俺だって、サチといて学んだことも多かったよ』



「あれ?サチちゃんじゃない?」


俺たちは聞き覚えのある声に思わず同時に振り向いた。


そこにはカナがいた。



「日向ぼっこ?」


カナは笑った。


サチは俺を見たが、俺はあまりのことに対処することができなかった。



「そ…そうです」


何とかサチはカナの質問に答えたが、会話が無くなり沈黙になってしまった。


「隣いい?」


カナが聞く。



サチはまた俺を見た。


俺は仕方ないので頷くことにした。


「はい。どうぞ」



サチはそう言って少しずれた。


「サチちゃんは日向ぼっことか好きなの?」


「え…ええ。気持ち良いので。屋上はよく来ます」


「そう」



カナも風を浴びていた。


カナの長い髪が揺れる。


俺はサチの隣でどうすればいいのか困っていた。



サチも心配そうに俺を見る。


また、会話が止まってしまった。


サチは俺に気を使って話をあまりしないようにしてくれているのだろう。


「サチちゃんは普段は何してるの?」


カナは麻痺した右手を触りながら言った。



「そうですね。大体は本とか読んで過ごしてますけど、こんな風に天気のいい日は散歩とかしてます」


「アタシも好き。アタシの場合は車を使ってたから遠くに行ってたわ」


「そうなんですか。どこ行ってました?」



サチが楽しそうに質問する。


「アタシは海が好きだったからよく行ったわね」


「そうなんですか。私あまり海とかは行ったことないですね」


「そうなの?いいわよ。海は海沿いを走ると気持ちよくて」



カナも楽しそうに話す。


俺はその光景の中に入ることはできないが、見ているのも悪くないと思った。


「あっ。アタシそろそろリハビリの時間だから行くわ。ありがとう。楽しかった」



そう言って、カナは行ってしまった。


残されたサチは気まずそうに俺を見た。



「(ごめんなさい)」



サチはすまなそうに謝るので、俺は首を横に振った。


『いいよ。サチは悪くないから。楽しそうで俺も良かったし』


「(なら良かったわ)」



風が少し強くなり、サチの足に負担がかかりそうなので、俺たちも病室に戻った。










はい。



今日はここまでとします。



次回は衝撃の真実が明らかになるかも!!!!!




要CHEAKかもね。




それではバイバInBan。








ただいま~。


いやぁぁぁ、連日連夜の飲みで私の眠気と疲れは限界です。



やっとのお休み前夜なので久しぶりにブログをUPしたいと思います。




読み返してみたら結構いいところで終ってましたね。



なので、今日は頑張って多く書こうと思っております。









『世界の終わりを、キミと…』



17.


『また、サチと言い争いしたのね』


夜、天使がやってきて言った。


来ると思っていたが、今は何も言われたくはなかった。



『私は、アナタは間違っていないと思うわよ』


『へ?!』



驚いた。


初めて天使が俺の考えに共感したのだ。


『アタシはアナタに言ったわ。サチとの思い出を作りなさいと。アナタはそれを守ろうとしている』


『そうだ…』


『ただ、覚えておいて。それはあくまでも切っ掛けよ。アナタがまだこの世に居る限りはまだ運命は続いている。どんな方法にせよ、運命は巡り巡ってアナタの元へ帰るの』


『どういう意味だ?』



天使はゆっくりと俺に言うが、俺には理解できなかった。


『俺はサチと後悔しないように過ごしたい。別れの時にもっと一緒に居たかったって思わないように』


『いい心掛けじゃない』


天使は笑った。




「神田さん、元気ないみたいだけどどうしたの?」


包帯を代えに来た看護士が言った。


「昨日何かあったの?」


その言葉にサチは思わず看護士を見た。


看護士は窓の外に目をやって言った。


「こう天気が良いのに病室にいないといけないのは辛いけれど、あと少しの辛抱だからね」


看護士はニコッと笑った。


その顔をが誰かに似ていた。



「看護士さん」


思い出そうと記憶を巡らせていた俺はサチの声で現実に戻った。


「ん?」


看護士は優しく聞いた。


「た…大切な人とあと少しで別れないといけないとき、看護士さんだったらどうします?」


サチは俺とのことを看護士に相談した。


「ごめんなさい。困りますよね。こんな質問急にされても…」


サチは恥ずかしくなってごまかした。


「そうね」


しかし、サチの反応をよそに看護士は少し、考える仕草をしてから話し始めた。


「神田さんはもし、世界が明日で終ってしまうとしたらどうする?」



驚くことに看護士はカナと同じ質問をサチに言った。


サチは看護士の質問に考えてしまった。



「そうですね、世界が明日で終ってしまうとしたら…私はやっぱり家族や友達といたいです」



「そうね、大切な人と一緒に居たいわよね。でも、それだけ?」


「え?」



看護士はサチを試すように言った。


当然サチは聞き返した。



「たくさんの思い出を作りたいとは思わない?いっぱい話をして、たくさん遊んで、いい思い出を強く心に刻もうとは思わないかしら?」


「思い出…」


サチは反復した。


「さっきの質問だと、大切な人とあと少しで別れてしまうとしたらどうする?ってことでしょ。大切な人とあと少ししか一緒にいられないなら、アタシだったらたくさんの思い出を作るかしらね」


そう言うと、看護士は時計を見てベッドから腰を上げた。


そして、最後にこう付け足した。


「神田さん。思い出というのはいつまでも消えないわ。それがいい思い出ならなおさらね。それは相手も同じ気持ちよ。神田さんがもし、その人を大切に思っているなら少しでも多く思い出を作りなさい」


そう言って、部屋を出た。


残されたサチは俺を見た。



「(哲朗…)」


俺はサチの言葉を待っていた。


「(ごめんなさい。私、哲朗のこと考えなかった。哲朗はいつも私のことを第一に考えてくれていたのに、私は看護士さんに言われて気が付くなんて)」


『サチ…いいんだ。分かってくれて嬉しいよ』


俺もサチを見た。



「(だけど、哲朗は本当にいいの?私、カナさんに哲朗とのことを思い出してもらいたいわ。こうして同じ場所で出会えたなんて奇跡よ。私力になりたいわ)」



サチの言っていることは分かる。


俺だってこんな偶然はものにしたいと思った。


でも、今は違う。


カナと俺は確かに同じ場所にいるが、居る世界が違ってしまった。


会わないほうがいいのだ。



『ありがとう。サチ。でもカナにとっても俺にとってもこれで良かったんだ。思い出してしまったら、カナのことだ。自分を責めるに決まっている』


自殺しておいて、そんなこと言える立場ではない事くらい分かっている。


俺が自殺した原因は自分を責めたからだ。



『サチ。サチは俺のことを強い人間と言ったけれど、俺は決して強くない。俺は“死んで償う”なんてキレイ事を言って自殺した身だ。ただ、“死”に逃げただけ』


サチは俺の話を聞きながら、時々唇を噛んだり、手を握ったりしていた。


何かを伝えたいという気持ちを抑えて俺の話を聞いてくれていたが、とうとう口を開いた。



「(そんなことないわよ。だって貴志さんと話をしていた時、哲朗は泣いていたわ。それは自殺した事を後悔していたからでしょう?それに貴志さんの思い出の中に強く哲朗がい居たという事は哲朗尾存在が大きかったって事じゃない。私だって、哲朗のように人の心に残る存在になりたいわ。私は哲朗強い人だと思う。今まで一緒に居てすごく分かったわ)」



俺はサチの言葉を聞いて、恥ずかしいことだが、実はサチにそう言って欲しかったのかもしれないと思っていた。


待っていたんだ。



救いの言葉を。


『でも、サチ…俺は』


「(ええ。でも哲朗が私との時間を優先してくれるなら、私も哲朗との時間を大切にしたいわ。だってたくさんの思い出を作りたいもの)」



それからというもの、サチは俺に色々なことを話す。


幼稚園の時のお遊戯会で主役をもらった事。


小学校の時は皆勤賞だった事。


読書感想文で賞をもらったこと。


『サチって小さい時からマジメだったんだな』


「(哲朗は?って、哲朗は覚えてないんだっけ)


サチは残念そうに言った。


あれから俺はサチといた時の記憶さえ失くしつつあった。



『でもな、サチ。俺の新しい思い出の中にはお前が居る。それだけは覚えていてな』


俺は残念そうな顔をしているサチを慰めるように言った。



屋上に行けば緑を眼下に見ることができ、広場に出れば風が心地良いし、病室に居ても暖かな光が差し込んでくる。



サチが退院する頃には俺はこの世から居なくなる。


完全に。


なんか実感が沸かなかった。


サチは本当のところどう思っているのだろうか。


今の俺は生きていた時の俺とは違う。


それは考え方や、ものの捉え方。


生きていた時の俺だったら死んだ事を後悔なんてしなかった。


だけど、今は後悔している。


もう少し、みんなのことを考えるべきだったと。


俺のために涙を流してくれた両親や友人。



なんで、あの時何も言わなかったのだろう。


誰も悪くないとどうして気付かなかったのだろう。


全てを許せばよかった。



そんな空っぽの俺に教えてくれたのがサチや天使だった。


俺はそのチャンスをくれたことに感謝している。



「(哲朗。どうしたの?)」


『ん?ちょっと考え事をね』


サチが心配している。


「考え事?」


『ああ。今までのサチとの思い出を思い返してたんだよ』


「(たくさんあったわ。私、哲朗に会えて成長できたわ。強くなれたし、友達も出来た)」


サチは思い出すように窓の外を見た。


外は相変わらずきれいで、小鳥の楽しそうな声や、サチの大好きな雲もよく見えた。



『サチは、まだ十六歳なんだし、まだあまり大学のことは考えないで高校生活を悔いの無いように過ごせよ』


「(そうね。エリは私と違って色んな遊びを知っているから一緒にいて楽しいわ)」


『あまり変な遊びを覚えるなよ』


俺はボソッと言った。








はい。


今日はここまでです。



少し…いや、かなり眠い。



それではまた次回。



バイバInBan。











今日は私ことInBanの24歳最後のブログになります。



そう、明日にはひとつ年をとってしまうのです。


月日の経つのは早いですね~…!(´Д`;)



さて、記念すべき最後のブログは新しい章から始ります。



新しい章では哲朗がサチに全てを話します。


サチは受け止めることが出来るのでしょうか。


そして、衝撃の真実が…!!!








『世界の終わりを、キミと…』


17.


カナは俺の手を握ったまま海を見つめ、ひとつの質問をした。


「ねぇ?哲朗。もしも、もしもよ、もしもこの世界が明日で終るとしたら、哲朗は誰といたい?」


「なんだ?それ、ナゾナゾか?」


俺がカナの質問に冗談半分に返すと、カナがふくれて言った。


「真剣に聞いてんの!」


「ああ。悪かったよ。じゃあ、俺も真剣に言うよ。俺は世界の終わりはカナと二人で過ごすな」




昔、俺たちは海の見える小高い丘の上でこんな話しをした。


カナは長い髪を風で揺らしながら俺を見て安心した笑顔を見せた。



明日世界が終ってしまうなんて、俺たちにはとても遠い出来事のようだと思っていた。


でも、カナと俺の世界はあの日に終ってしまった。


俺はあの時の約束を果たす事ができなかった。




俺がしつこくサチに言ったので、サチは嫌々ながら自分の病室に戻ってくれた。


俺は少ししか、サチと一緒に過ごす事ができない。


だから少しでもサチと一緒にいたいので帰るようにサチに言った。


だが、文句を言いながらも俺は自己嫌悪に陥っていた。



サチからしてみれば、俺のためにカナのところへ行ったはずなのに、それは、良く分かっている。


けれど、実際本人に会うとすごく辛い。


カナが俺を忘れて過ごしているこの現実と対面するのが。



あんなに一緒にいて、自殺をした今でも俺の記憶に残っているカナとの思い出も、カナ自身は覚えていないのだから。



それは切なくて、残酷な事だった。



でも、俺は思う。


こんなことをしている間にも、サチとの時間がどんどん無くなってしまう。


これはせっかく天使からもらった時間なのだから。



『サチ。俺にはもう、四日間しかないんだぞ!四日間しかサチと一緒にいられないんだよ。カナのことはいいんだ。俺はサチとの時間を大切にしたいんだ』



「(四日?どういうこと?)」



サチは聞き返した。


俺は始めてあの時言えなかった、天使にサチと一週間だけいられるという話をすることにした。


『あのな、サチ。俺はサチに言ってないことがあるんだ』


俺はこれを機にサチに自分の役目をサチに伝えることにした。


そうすれば、サチはきっと俺との時間を大切にするはずだ。



「(言っていないこと?)」


『ああ。その役目っていうのが、サチ。お前を救うことなんだ。サチは学校でイジメられてたし、家では両親に自分の夢を理解してもらうことができなかっただろう』



「(ええ。確かに私はそうだったわ。じゃあ、哲朗は…)」


サチはその後の言葉を口に出さず、両手で口を覆った。


『ああ。そうだよ。俺はサチを救うために今まで一緒にいたんだ。だから、俺の役目は終ったんだ。だから成仏する』



「(それが私の退院の日と一緒ってことなのね)」


俺はサチに全てを話した。


「(そんな…もっと早く言ってくれればいいのに。四日間なんて早すぎるわ…)」


サチが大きく首を振って言った。


サチの手は強く布団を握っている。


だけど、俺は今言わなければ、言うチャンスを失ってしまう。



『ごめん。本当はもう少し早く言ったほうがよかったんだけど、それどころじゃなかったし、落ち着いたら話そうとは思ってたんだよ。これは決まっていたことなんだ』


俺は冷静に話しをしていることが不思議だった。


俯いていたサチが顔を上げる。


俺はもうひとつサチに言っていない大切なことがある。



『俺はな、自殺したんだ。でも、サチに会っていなかったら俺はすでにこの世にいなくて、大切な人や、大切なことに気付かなかったままで終ってた。それに気付かせてくれたのがサチだった』


そんなのキレイ事でしかないと、サチに話しながら思っていた。


結果サチを救う事ができたし、今まで気付くことの無かった命の大切さを知ることが出来た。


でもそれはあの天使が強制的にサチを救うように俺に言ったからだ。


その事実をサチが知らないのを良いことに、俺は全て丸く収めようとしている。



サチが何も言わないのが気になった。



『サチだってずっと俺と一緒にいらるって思っていなかっただろう?必ず別れが来る。だったら、こうして一緒にいられる時間が分かっているうちは悔いがないようにサチと過ごしたいんだよ』



「(分からないわ!そんなのエゴよ!哲朗がそう思いたいだけでしょ!!)」


サチが叫んだ!


「どうして…どうしてもっと早く言ってくれないのよ。どうして私の前に現れたのよ。どうして私の前に…」


サチはもう小声で話す余裕も無かった。


「どうしてこんなかたちで哲朗と会ってしまったの…」


『…サチ』


サチは声を殺して泣いていた。


布団を握る手にますます力が入ったように見えた。


「(私、どうして哲朗ともっと早く会わなかったのかしら…。もっと早く会っていたら私、言えたわ。哲朗に。たくさん大切な言葉。私知っているのもの。哲郎のことたくさん…)」


今度は声を出して泣いた。


たくさんの言葉がサチの口から溢れてくる。


そして、最後に俺はあまり聞きたくないセリフをサチは言った。


「(なんで死んでしまったの?哲朗…なんで)」


『サチ…俺は』


そう言って、俺は泣いているサチに触れようとした。


でも、俺の手はサチをすり抜ける。


俺はサチに触れることができない。



サチの涙を拭ってやりたい。


抱きしめてやりたかった。



だが、俺にできることは見守ること。



なあ、天使。


俺は死ぬべきではなかったか…生きているべきだったか?



結果はサチを悲しませることになってしまったが、俺はサチに本当のことを言って後悔はしなかった。


しなかったが、反省はしていた。



もう少し、何かいい言い方があったのではないかと。



もしかしたらサチを悲しませないで話せたかもしれない。



あれ以来、サチはすっかり元気をなくしてしまった。







はい。



私の24歳最後のお話は哲朗とサチの小さな諍いをお送りしました。


次回は一体この二人はどうなるのか気になる続きをお届けします。



ちなみに後、15分で25歳になります。


それでは、24歳の私、バイバInBan。



25歳の私、これからよろしくお願いします。




















大変です!!



私のケータイが危篤状態です。



なにやら事件の予感がするのは、東京中野区。


InBanの持っているケータイがどうやらヤバい感じです。



急いで救命救急(SoftBank)に持っていき、治療してもらうことに。



InBan 「お願いです。この子を助けてください。買ったばかりなんです」


店員 液晶画面を見る。「ちょっと貸してください」


InBan 「かなりヤバい状態ですよね?」


店員 「ん?大丈夫ですよ」と、ケータイを手渡す。



店員がケータイを受け取ってからわずか数秒。


ケータイはすっかり元気になりました。



どういうこと?



どうやら私はケータイの画面が薄いということで故障かと思ったのですが、液晶の操作で簡単に解決できる問題でした。




チャン②




さぁ~気ぃを取り直して本題行こうか!








『世界の終わりを、キミと…』



16.


カナはさすが大病院の娘なだけあって、広い個室を使っていた。


カナは相変わらずキレイだった。



茶色い長いストレートヘアーに大きな目。


瞬きをするたびに長いまつげが目立つ。



あの頃と何も変わらない。


ただひとつ違うのは、カナの記憶に俺がいないことだけ。



「どちらさま?」


サチに気付いたカナが話しかける。



サチはカナに話しかけられ、動揺しているように口篭った。


「あ…あの、こんにちは。私は神田倖っていいます。実はさっき広場であなたを見てお話したいと思って伺いました。ごめんなさい。迷惑ですよね」


サチはカナの反応を見る前に帰ろうとした。


俺としては、あんなに気弱だったサチがここまでしてくれたことが嬉しかった。


「失礼します」


サチはカナに背を向け、歩こうとした。



「待って」


カナがサチを止めた。


サチは振り向いてカナを見た。


カナはサチに手招きをして見せた。


サチが素直にカナのベッドの脇まで行くと、カナはニコッと笑った。



「アタシもちょうど話し相手が欲しかったところなの」


俺はそう言ったカナの病室を見回した。


カナの病室はなんというか殺風景な感じだった。



誰かがお見舞いに来ているという形跡が見られない。


「アタシ病院を転々としているからお見舞いもあまり来てもらえなくて…」


カナは言った。


悲しそうなのを、見せまいと困った顔をして笑った。


「えっとサチちゃんは高校生?」


久しぶりに話ができたことが嬉しかったらしく、カナはサチに興味を持った。


「一年生です」


「へ~一年生か。若いね。いいなあ」


カナは椅子を持ってきてサチに勧めた。



サチは椅子に座ってカナの質問に答えた。


「あの…」



「カナでいいわよ。アタシは長谷川カナ。よろしくね」


カナはサチを安心させるように自己紹介をした。


「カナさんはおいくつなんですか?」


カナが暖かく迎えてくれ、サチは話しやすくなったようだ。


俺としては、サチが何を言い出すのか気が気ではない。


「アタシは二十四になるわ。早いわ~」


「でもカナさん、もっと若く見えますね」


サチに言われ、カナは本気で照れた。



カナはサチに飲み物をくれた。


サチは紅茶をもらいクッキーを食べた。


「でも、カナさんはなんで入院されてるんですか?」


さり気なくサチは確信をついた。


そう言われ、カナは少し残念そうな顔をした。


「アタシね、実は一回退院したの。体のほうは全然元気なんだけど右手の麻痺がなかなか治らなくて…」


そう言ってカナはクッキーを持った。


クッキーはするりとカナの手を離れベッドに落ちた。



カナの右手は物を持つことができないらしい。


微かだが震えている。


これは俺のせいだ。


俺はカナを見ることができなくなった。



カナの記憶に俺はいないが、俺は今でも鮮明に覚えているんだ。



『サチ』


俺はサチを呼んだ。


サチは俺を見た。


『戻ろう』


俺は精一杯の声でサチに伝えた。


一刻も早く帰りたかった。



この場にいると、俺は変な気を起こしてしまう。


考えてはいけないことを考えてしまう。



“まだ、生きていたかった”と。








はい。


今日はここまでですし、16章もこれで終わりです。



カナと会った哲朗は死んでしまったことを後悔し始めてしまいました。


しかし、この現実は覆りません。



これから哲朗の葛藤の日々が始めるのです。



これからの展開に乞うご期待です。



バイバInBan。