ただいま~。


いやぁぁぁ、連日連夜の飲みで私の眠気と疲れは限界です。



やっとのお休み前夜なので久しぶりにブログをUPしたいと思います。




読み返してみたら結構いいところで終ってましたね。



なので、今日は頑張って多く書こうと思っております。









『世界の終わりを、キミと…』



17.


『また、サチと言い争いしたのね』


夜、天使がやってきて言った。


来ると思っていたが、今は何も言われたくはなかった。



『私は、アナタは間違っていないと思うわよ』


『へ?!』



驚いた。


初めて天使が俺の考えに共感したのだ。


『アタシはアナタに言ったわ。サチとの思い出を作りなさいと。アナタはそれを守ろうとしている』


『そうだ…』


『ただ、覚えておいて。それはあくまでも切っ掛けよ。アナタがまだこの世に居る限りはまだ運命は続いている。どんな方法にせよ、運命は巡り巡ってアナタの元へ帰るの』


『どういう意味だ?』



天使はゆっくりと俺に言うが、俺には理解できなかった。


『俺はサチと後悔しないように過ごしたい。別れの時にもっと一緒に居たかったって思わないように』


『いい心掛けじゃない』


天使は笑った。




「神田さん、元気ないみたいだけどどうしたの?」


包帯を代えに来た看護士が言った。


「昨日何かあったの?」


その言葉にサチは思わず看護士を見た。


看護士は窓の外に目をやって言った。


「こう天気が良いのに病室にいないといけないのは辛いけれど、あと少しの辛抱だからね」


看護士はニコッと笑った。


その顔をが誰かに似ていた。



「看護士さん」


思い出そうと記憶を巡らせていた俺はサチの声で現実に戻った。


「ん?」


看護士は優しく聞いた。


「た…大切な人とあと少しで別れないといけないとき、看護士さんだったらどうします?」


サチは俺とのことを看護士に相談した。


「ごめんなさい。困りますよね。こんな質問急にされても…」


サチは恥ずかしくなってごまかした。


「そうね」


しかし、サチの反応をよそに看護士は少し、考える仕草をしてから話し始めた。


「神田さんはもし、世界が明日で終ってしまうとしたらどうする?」



驚くことに看護士はカナと同じ質問をサチに言った。


サチは看護士の質問に考えてしまった。



「そうですね、世界が明日で終ってしまうとしたら…私はやっぱり家族や友達といたいです」



「そうね、大切な人と一緒に居たいわよね。でも、それだけ?」


「え?」



看護士はサチを試すように言った。


当然サチは聞き返した。



「たくさんの思い出を作りたいとは思わない?いっぱい話をして、たくさん遊んで、いい思い出を強く心に刻もうとは思わないかしら?」


「思い出…」


サチは反復した。


「さっきの質問だと、大切な人とあと少しで別れてしまうとしたらどうする?ってことでしょ。大切な人とあと少ししか一緒にいられないなら、アタシだったらたくさんの思い出を作るかしらね」


そう言うと、看護士は時計を見てベッドから腰を上げた。


そして、最後にこう付け足した。


「神田さん。思い出というのはいつまでも消えないわ。それがいい思い出ならなおさらね。それは相手も同じ気持ちよ。神田さんがもし、その人を大切に思っているなら少しでも多く思い出を作りなさい」


そう言って、部屋を出た。


残されたサチは俺を見た。



「(哲朗…)」


俺はサチの言葉を待っていた。


「(ごめんなさい。私、哲朗のこと考えなかった。哲朗はいつも私のことを第一に考えてくれていたのに、私は看護士さんに言われて気が付くなんて)」


『サチ…いいんだ。分かってくれて嬉しいよ』


俺もサチを見た。



「(だけど、哲朗は本当にいいの?私、カナさんに哲朗とのことを思い出してもらいたいわ。こうして同じ場所で出会えたなんて奇跡よ。私力になりたいわ)」



サチの言っていることは分かる。


俺だってこんな偶然はものにしたいと思った。


でも、今は違う。


カナと俺は確かに同じ場所にいるが、居る世界が違ってしまった。


会わないほうがいいのだ。



『ありがとう。サチ。でもカナにとっても俺にとってもこれで良かったんだ。思い出してしまったら、カナのことだ。自分を責めるに決まっている』


自殺しておいて、そんなこと言える立場ではない事くらい分かっている。


俺が自殺した原因は自分を責めたからだ。



『サチ。サチは俺のことを強い人間と言ったけれど、俺は決して強くない。俺は“死んで償う”なんてキレイ事を言って自殺した身だ。ただ、“死”に逃げただけ』


サチは俺の話を聞きながら、時々唇を噛んだり、手を握ったりしていた。


何かを伝えたいという気持ちを抑えて俺の話を聞いてくれていたが、とうとう口を開いた。



「(そんなことないわよ。だって貴志さんと話をしていた時、哲朗は泣いていたわ。それは自殺した事を後悔していたからでしょう?それに貴志さんの思い出の中に強く哲朗がい居たという事は哲朗尾存在が大きかったって事じゃない。私だって、哲朗のように人の心に残る存在になりたいわ。私は哲朗強い人だと思う。今まで一緒に居てすごく分かったわ)」



俺はサチの言葉を聞いて、恥ずかしいことだが、実はサチにそう言って欲しかったのかもしれないと思っていた。


待っていたんだ。



救いの言葉を。


『でも、サチ…俺は』


「(ええ。でも哲朗が私との時間を優先してくれるなら、私も哲朗との時間を大切にしたいわ。だってたくさんの思い出を作りたいもの)」



それからというもの、サチは俺に色々なことを話す。


幼稚園の時のお遊戯会で主役をもらった事。


小学校の時は皆勤賞だった事。


読書感想文で賞をもらったこと。


『サチって小さい時からマジメだったんだな』


「(哲朗は?って、哲朗は覚えてないんだっけ)


サチは残念そうに言った。


あれから俺はサチといた時の記憶さえ失くしつつあった。



『でもな、サチ。俺の新しい思い出の中にはお前が居る。それだけは覚えていてな』


俺は残念そうな顔をしているサチを慰めるように言った。



屋上に行けば緑を眼下に見ることができ、広場に出れば風が心地良いし、病室に居ても暖かな光が差し込んでくる。



サチが退院する頃には俺はこの世から居なくなる。


完全に。


なんか実感が沸かなかった。


サチは本当のところどう思っているのだろうか。


今の俺は生きていた時の俺とは違う。


それは考え方や、ものの捉え方。


生きていた時の俺だったら死んだ事を後悔なんてしなかった。


だけど、今は後悔している。


もう少し、みんなのことを考えるべきだったと。


俺のために涙を流してくれた両親や友人。



なんで、あの時何も言わなかったのだろう。


誰も悪くないとどうして気付かなかったのだろう。


全てを許せばよかった。



そんな空っぽの俺に教えてくれたのがサチや天使だった。


俺はそのチャンスをくれたことに感謝している。



「(哲朗。どうしたの?)」


『ん?ちょっと考え事をね』


サチが心配している。


「考え事?」


『ああ。今までのサチとの思い出を思い返してたんだよ』


「(たくさんあったわ。私、哲朗に会えて成長できたわ。強くなれたし、友達も出来た)」


サチは思い出すように窓の外を見た。


外は相変わらずきれいで、小鳥の楽しそうな声や、サチの大好きな雲もよく見えた。



『サチは、まだ十六歳なんだし、まだあまり大学のことは考えないで高校生活を悔いの無いように過ごせよ』


「(そうね。エリは私と違って色んな遊びを知っているから一緒にいて楽しいわ)」


『あまり変な遊びを覚えるなよ』


俺はボソッと言った。








はい。


今日はここまでです。



少し…いや、かなり眠い。



それではまた次回。



バイバInBan。