いやぁぁぁ。



すいませんでした。


昨日ブログをおやすみしてしまいまして…



ここは素直に謝らせていただきます。



そして、ついでに言い訳を言わせていただきますと、昨日はぶっちゃけブログが書ける状態ではなかった。



マジで、酔っ払ってた。



今日も朝は正直気持ち悪かったもん。



私はお酒が強くはありません。



しかし、最近の後輩はそんな先輩にも容赦はないものなんですね。


飲ませる。注ぐ。





これを五回くらい…



そりゃ、ブログは書けないですよ。



大切なPC君が●●まみれですよ(-。-;)










『世界の終わりを、キミと…』



15.


「サチ~い。元気か?」


騒がしい声が聞こえると思ったら、エリたちがサチのお見舞いに来てくれた。


さっきまで静かだった病室がいっきにうるさくなった。


俺はまさに話すタイミングをエリに奪われてしまった。



「サプライズお見舞いでぇ~す」


エリたちはサチのベッドの周りに集まり、それぞれ持ってきたものを見せ合った。


お決まりの花や果物はもちろん彼女たちには期待していない。



持ってきたのはなぜか健康サンダルと大きなイルカの抱き枕。


そして、たくさんのお菓子と雑誌だった。



「サチ足悪いじゃん。健康サンダルはいて歩けば良くなるよ」


どうやらエリなりに頭を使ったらしい。



「ありがとう」


優しいサチは大切そうにそれらをベッドの脇に置いた。



サチは最初はエリとしか話しをしなかったのだが、そのうちエリを介してエリの友達とも仲良くなった。



俺はその光景を客観的に見ていて、気がついたことがいくつかあった。


まずひとつめがみんなの話がまとまっていなく、サチがいつも誰の話を聞いたらいいのか戸惑うこと。


エリ達の中ではそれが当たり前なので、なにも問題は無いらしいが、サチはみんなの話を必死に聞こうとしているのでその姿が少し、おもしろかった。



ふたつめは人数だった。


その日によって人数が増えたり減ったりする。


まあ、エリの友達だ。


学校に来たり、休んでいたりと決まっていないので、多くて七人くらいのときもあればエリと二人きりのときもある。



それ以外にも、嫌がっているサチを無理やりカラオケに連れて行ったり、授業中に乱入し、サチを外に連れ出そうとしたり、サチにとってスリリングなことがよく起こっていた。



本人たちとしては別に嫌がらせをするつもりは無いのでサチも本気では嫌がってはいない。


今まで、彼女たちにイジメられていて、人と接することを避けていたサチにとっていい思い出になっただろう。



今日もそんな日を思い出させるような光景だ。



「サチの好きなポッキー超買ってきたからね」


エリはごきげんでサイドボードの上にポッキーを並べた。


何を狂ったのか、ポッキーは全部で七箱あった。



いくらそのお菓子が好きとはいえ、七箱もあれば嫌いになってしまうだろう。



「あっ!後今日の分のノートね」


友達の一人がかばんからノートを取り出して言った。


学校を休んでいるサチのためにノートを取ってきてくれたらしい。


「聞いてよ。エリのやつ、ノートはアタシが取る~とか言って、こいつ寝てんの。マジ使えなぁ~い。その代わり、アタシが取ったからね。でも、アタシ字超汚いから読みずらいかも」



サチは大事そうにノートを受け取った。


しかし、こいつら一日に「超」って言葉を何回使うのだろう。


サチの部屋が個室でよかった。



大部屋だったらすぐに苦情が殺到するくらいエリ達の声は大きい。



「ってか聞いてサチ。今日の体育マジ辛かった。アレは死ぬね。一体アタシらの将来にマラソンがどう役立つっていうのよ!」


エリはどこから持ってきたのかパイプイスに座り、愚痴りだした。


「それよりもアタシ的には今日の中野だよ。おめーはサイボーグかっての!どんなけ黒板に書くのよ。付いていけないよ」



「ああ。確かに。アタシあんなに字書いたの生まれて初めてかも」


今思ったのだが、エリたちはかばんを持っていはいるが、誰一人としてかばんに物が入っている様子が無い。



何が入っているんだ?



こんな…失礼だがサチとは違う世界にいるような子たちがサチと楽しそうに話をしている様子はおもしろい。



「サチ。歩けるんだっけ?」


エリがサチに聞いた。



「大丈夫よ。車椅子も飽きてきたところだから」


『おいおい…無理するなよ』


俺は冷や冷やして言った。



それはサチが車椅子なしで歩こうとしていたからだ。


サチの足は骨折とまではいっていないが、歩くのは困難なはずだ。



『無理するなって…車椅子使えよ』


「(大丈夫。ゆっくり歩くから)」



サチは俺を安心する言葉をいい、エリにつかまりながら歩いた。



その足はフラフラしていたが、歩けない程ではないように見えた。


エリはしっかりとサチの手を取り、ゆっくり歩いていく。


その足には健康サンダルが納まっていた。



「私、屋上初めて行くわ」


サチは嬉しそうだった。



屋上へは当然だがエレベーターで行く。


エレベーターの中にはイスが置いてあり、サチはそこに座った。



屋上に着くとすごい景色が出迎えてくれた。


地上11階建てなので家を見下ろす感じだ。



天気も良いので遠くまで見れる。



「サチ」


みんなが景色に夢中になって騒いでいるとき、エリがサチに話しかけた。


「なに?」


「サチが何でこんなに強いのかアタシ考えてみたんだよ」



エリはそう言って風で流れていく雲を見ていた。


俺は何で突然エリがそんなことを言い出したのか不思議に思っていた。



「アタシはさ、中学校のときイジメられてて、そんな自分が嫌でいつかみんなを見返してやろうって思ってた。でも、その答えがサチをイジメることになった。そんなんじゃアタシはちっとも変わってないじゃん」


エリはフェンスを強く握った。


「エリは強いわよ」


エリの話を聞いてサチが言った。


俺はサチがどんな言葉をエリに伝えるのか気になった。



「エリは私に無いものをたくさん持っている。エリは私のほうが強いって言ったけれど、私から見ればエリの方が強いわ」



「サチにそう言ってもらえるとうれしいよ」


エリは本当に嬉しそうだった。


「私がこうしていられるのはきっとあのお陰よ」


サチはそう言って雲を指した。


「あれって…雲?」


「私はお昼のとき、ずっと雲を見ていたの。雲を見ていると気持ちが落ち着くのよ」


「へぇ~」



俺も雲を見た。


サチがずっと自分の中の弱い気持ちと戦うのを助けてくれた雲を。



その後、病室に戻ったサチにエリがある提案をした。


「アタシやりたかったんだ」


そう言ってエリはマジックでサチの足のギブスにメッセージを書き始めた。



“早く元気なってまた遊ぼうね。エリ”


エリに続いてみんな書き始めたので、サチのギブスは一気に賑やかになった。





散々病室をかき回した後、エリたちは帰って行った。


嵐が去ったようだ。



「神田さん。包帯替えますね」


看護士がエリたちが入れ違いで病室に入ってきた。


サチは一日に一回包帯を替える。


最初に比べれば赤みがだいぶひいている。



良くなってきた証拠だ。



「今の子たちは神田さんのお友達かしら?」


「ええ…すいません。うるさかったですよね」


サチは申し訳なさそうに言った。



「いいえ。元気があって羨ましいくらいよ」


看護士は驚くべき速さで包帯を巻いていく。



その様を見ながらサチは言った。


「(哲朗。カナさんのこと聞いてあげるわ)」


『なに?』


一瞬サチが何を言ったのか分からなかったが、それから少しして、サチが突拍子も無いことを言ったのを理解し、俺は慌ててしまった。



『ばか!何言ってんだよ。いいよ。余計なことするなよ』


「あの、すいません」


サチは聞いていない。


「長谷川…カナさんの病室ってどこですか?」


聞いてしまった。


「長谷川さんのお知り合い?」


「ええちょっと」



サチは嘘をついた。


しかし、そんなことを知らない看護士はサチの言葉を信じた。



「長谷川さんは709号室よ。この時間ならきっと病室にいるわ」


看護士は丁寧に教えてくれた。




『何言ってんだよ!サチ』


俺は看護士が病室を出たのを確認してサチに言った。


「(今からカナさんのところへ行きましょう)


なんなんだ?



サチのこの行動力は…


『行かないからな』



俺は駄々をこねる子供のように言った。


昔のサチからは想像付かないような行動力で俺が付いていけなくなる。


「(大丈夫よ。哲朗の姿は見えないから)」



『そうは言っても俺には全部見えるんですけど…』


俺がそう言い終らぬうちにサチは車椅子でカナの病室を目指していた。



俺ももちろん付いていかざるをえない。









はい。



今日&15章はここで終わりです。



感動の再開はまた次回。




それではみなさまのお酒にはご注意を。




バイバInBan。












え?何しにわざわざ伊豆まで行ったって?


「そうですよ。InBanさんは静岡二回目じゃないですか。確か去年の夏にも行ってますし」


はい。


あのですね、伊勢えびラーメンが食べたかったんですよ。



「あ~あの、わずか十分で食べたっていう」


ええ。


バスの時間がおしてたんで……A=´、`=)ゞ



私はその日、パンフレットで伊勢えびラーメンを見てこれは食べなきゃいかん!と思い、味覚の準備を整えた。


味噌ベースにエビの香りがマッチしたそのラーメンを食べないと、きっと、私は哲朗のように彷徨うことになると思ったんで。



もちろん、バスの時間もあるので、急いで食べましたがスープもエビもきれいに食べましたよ。








『世界の終わりを、キミと…』



15.



「(え?どうしたの?哲朗)」


『どうして?』


そこにいたのは紛れもなくカナだった。


公園にはたくさんの人がいるが、その中で俺はしっかりとカナを見つけてしまった。


カナは麻痺した右手のリハビリをしているところだった。



「(哲朗?)」


サチに名前を呼ばれるまで俺はカナを見ていた。


なんで、カナがここにいるのでしょう。



『ああ。カナだ』


そう言って、カナをもう一度見た。



これも運命なのか。



カナの病院は貴志から俺が来れないように俺が退院して少ししてから違う病院に移されたと聞いている。


だから俺はカナのいる病院を知らない。


むしろ、カナはもう退院しているかも知れないと思っていた。


まさか、サチと一緒の病院にいたなんて。




「(哲朗、大丈夫?)」


サチが心配そうに声を掛けた。


あれから俺はカナのことばかり考えている。


もともと、サチとの思い出を作るために天使から時間をもらったというのに。


『ごめんな。サチ』


「(哲朗。カナさんのことを考えてるでしょう)」


『ヤキモチか?サチ~』


俺は確信をつかれ、おどけて見せたが、ハラハラしていた。


『カナのことはいいんだ。終った事だから。俺はサチとこの限られた時間をどう過ごすかを考えるから』



そうだ。


俺は今のことに集中しなければいけない。


サチとも、この世ともあと五日でお別れなのだから。


「(哲朗。今日はどこも行かないわ)」


サチがきっぱりと言った。


『いいのか?退屈じゃないか?』


「(ええ。今日は哲朗がたくさんお話をしてくれるから)」


『え?そうなの?じゃあ…何の話がいいかな


俺はサチの突然のフリに戸惑ってしまったが、今はサチのどんな注文にも答えてあげたかった。


「(哲朗の高校生の時の話がいいわ。私くらいのとき哲朗がどう過ごしていたか気になるの)」


『高校生の時か…あんまり覚えてないんだよな。本当に生きていた時のことって途切れ途切れにしか思い出せなくて。なんかあったかな』



サチは俺の言葉を待っている。


俺はなるべく何か思い出してあげたかったので必死に記憶の糸を辿った。


『そうだ。ストーカーされたときの話をしよう』


「(ストーカー?哲朗の時もそういう言葉あったの?)」


『まあ、その言葉自体なかったし、有名なことでもなかったけど当事もあったんだぜ』


サチは陽の当たる病室のベッドで陽の光を浴びながら俺の話を聞いている。


俺はサチの座っているベッドの隣で外の景色とサチの顔を交互に見ながら話す。


廊下では誰かの足音や機械の通る音が聞こえ、微かに消毒薬の香りもする。



俺は五感のうち、視覚と聴覚、嗅覚はまだ感じることが出来る。


『あれは俺が高校二年のときだった。俺はカラオケBOXでバイトをしてたんだけど、そこにいつも違う男と来る女がいてさ、結構年上なんだけど絶対遊ばれてるって感じの雰囲気でさ。たまに泣いてる事もあったんだよ。俺もおせっかいなんだか、興味本位だったんだかで言ったんだよ。「あんたそれで楽しいのか?」って。それがいけんかったんだな。それからめっきり女は来なくなったんだけど、どういうわけか、俺が自分を好きだと勘違いしたらしくて、待ち伏せするようになったんだよ』



そこまで言うと、サチは目を丸くして驚いていた。


初めてこんなことを聞いたからだろう。



『俺がバイトを上げる時間をどう調べたのか、その時間にいつも待ってるんだ。挙句の果てには郵便受けに使用済みの口紅とか歯ブラシとか入ってるし』



「(それでその人とはどうなったの?)」


『いや、ガツンと言ってやったよ。優しく言っても効果ないと思ったから。それからは何もされてない』


「(怖いわね。本当にそういう経験ある人いるのね)」


サチはしんみりと言った。


『なあ、俺もなんか聞いていい?』


「(なに?)」


『サチの初恋の話とかってないのか?』


俺がそう話すと、途端にサチは赤くなった。


『あるんだな。その反応は』


サチは最初は口をつぐんでいたが、俺が執拗に聞くので、根負けして話し出した。



「(私が中学生の時よ。二つ上の先輩にすごく憧れたの。同じ部活のキャプテンですごく頼りがいがあって、優しくて。多分私以外にもたくさんそういう気持ちの子はいたと思うわ)」


『告白とかはしなかったのか?もしかしたらOKだったかもよ。サチ可愛いんだし』


サチは大きく首を横に振って見せた。


「(そんな、とてもできないわ。みんなの憧れだったんですもの)」


ベッドの近くにあるサイドボードには昨日母親が置いて行った花とドーナツがある。


サチはそれを手にとって少し食べた。


甘い香りがする。


「(哲朗。ひとつ聞いていい?)」


少し、言おうか迷っていた様子のサチが言った。


『なに?』


「(哲朗はカナさんとどうやって知り合ったの?)」


『またカナのことかよ?いいじゃねえか』


俺はサチがカナのことに興味を持つことがイヤだった。


俺はサチとのこの時間と優先させたかった。


カナがこの病院にいるということは気になるが、気にしたところで仕方がない。


向こうは俺のことを覚えていないし、覚えていても俺はこの世にいないのだから。



「(教えてよ。哲朗)」


珍しくサチが聞くので、仕方なく答えることにした。


『カナとは合コンで知り合ったんだ』


不思議と俺はカナとの思い出は良く覚えている。



でも、思い出すと辛くなるので、忘れたフリをしていたが、サチがカナのことを聞くので俺の努力も意味が無い。


「(合コン?)」


サチが首をひねる。


ああ。サチは知らないだろうな。



『お見合いみたいなもんかな?』


多分全然違うものだと思うが、俺には合コンをサチでも分かるように説明する力がなかった。


太陽の光をたくさんもらってすくすく育った葉が風で揺れて涼しげな音を立てている。


その間から差し込む光でサチの病室は電気を点けていないのに明るかった。


『サチ。早く退院したいな』


俺はこんなに天気がいいのに、安静にしないといけないサチがかわいそうに思い言った。


「(私は、時間が止まってくれればいいのにって思うわ)」


サチが悲しい顔をした。


『そ…そりゃ俺だって、サチと一緒にいたいよ』


俺は無神経なことを言ったとフォローする言葉を言った。


「(ふふ。哲朗は優しいわね)」


サチが笑った。


サチは分かってくれているのだろうか。


俺たちの別れが近づいているのを。







はい。



今日はここまでとします。


PCのし過ぎなのか、目が痛いです。



視力がいいのがウリなのにぃぃぃぃぃ。



それでは気になる続きはまた次回。



バイバInBan。







たっだいまぁ~。


帰って来たよ。




マ・タ・セ・タ・ナ★




「InBanさん。どこ行ってたんですか?」



いやぁ~伊豆にねドキドキ



「一人でですか?」



あのさ、なんでみんな言うかな?


営業所の先輩たちも後輩も十人中十人同じこと言ったよ。



まあ、確かに私は一人旅好きでよく行きますよ。


伊豆にだって行きましたけどね、今回は友達と二人でしっかりと計画立てて行ったんですよ。



「それはすいませんでした。」



いいですよ。


私めったなことでは怒らないんで…



「いや…結構怒ってますよね。一般の人に」



伊豆の話します?



「いや!もう本題に入ってください」



…分かりました。










『世界の終わりを、キミと…』


15.



俺が地上にいられる時間はあと、一週間。



ちょうどサチが退院する日と同じだ。


サチとは病院で最後の思い出を作ることになった。




サチの病室は二人部屋の窓際で、この時期外は緑が多く茂っていた。


鳥のさえずりなんかも聞こえる。



足の骨にひびが入っているサチはまだ歩くことが困難なので車椅子を使っている。


サチはこの車椅子で病院にある広場を散歩したいと言った。



看護婦は心配していたが、思いのほかサチが車椅子を上手に使いこなすので許可した。



まあ、足の骨以外にはどこも悪くは無かったのでサチは広場まで看護婦に押してもらいそこからは自由に散歩を楽しんでいた。



と、いうよりは俺との会話を楽しんでいた。



ここの広場は結構広く、近所にあるような公園よりも大きかった。


自由に出入りできるらしく、入院している人のほかにも、お見舞いに訪れた人が休憩したり、色んな花が植えてえるのを見に公園を訪れる人もいるらしいと看護婦が言っていた。



サチはその中にある特に大きい木のところまで行くことにした。


サチはぎこちないながらも器用に車椅子を動かす。



俺は少し冷や冷やしながら見ていた。



天気がよく、日陰になる木の根元でサチは日向ぼっこをしていた。


『天気がいいな。サチ』


風の向きに従って流れる雲を見ながら俺が言った。


サチが雲が好きだと聞いてから、なぜか俺も雲を見る癖がついた。


「(うん。なんかこうしてると夏休みみたいね)」


サチも一緒に雲を見ながら言った。


まだ夏とは程遠いように思うが、今日の暖かさは夏を思い出させるようらしい。



俺はそういうのは感じないが、太陽の光や公園にいる人の服装から想像できる。


『そうだな~気持ちいいな。サチは夏休みってどこ行くんだ?』


俺はサチに質問をした。


こういう時間も大切にしたいと思った。


「(私は、夏休みはいつもおじさんの別荘に行くの)」


『別荘?サチの家ってやっぱ金持ち?』


「(そんなんじゃないわ。おじさんは金持ちかもしれないけど)」


鳥が木の枝で遊んでいる。


何種類もの鳥がこの広場にいる。


のどかで平和だと感じる。



『サチは山派?海派?』


「(私は山のほうが好きね。山を見ていると飽きないし、山の形が好きなの。あれって自然が作ったじゃない。感動するわよね。あっ!でも、山登りは苦手なの。哲朗はどっち?)」


サチも俺に質問をした。



『俺?俺は海だな。カナとよく色んな海に行ったんだぜ。車で』


「(いいわね。どこの海が一番きれいだった?)」


『タヒチかな?あそこの海は最高だったな。透明度が半端ないし、魚もいっぱいいた。すごいカラフルなんだよ』


俺はその時のことを思い出しながらサチに伝えた。


「(私も行きたい)」


『いつでも行けるよ。いいなあ~高校生は。若くて』


「(哲朗。なんかおじさんみたいよ)」


サチが笑って言った。


『もうおじさんだよ…』



周りにはいろんな人がいる。


リハビリをしている人、散歩をしている人。


編み物をしたり、本を読んだりしている人。


そんな光景を見ていると、まるで俺も生きているような錯覚まで起こしてします。



カナが入院していた頃、俺はカナの両親にカナに会うことを止められていていつも、病院まで行くのだが、病室まで通してもらえないという悔しい思いをしていた。



そのうち、貴志からカナは病院を変えたと聞き、それでやっと諦められると思った。


でも、口ではそう言っても、本当に諦める事はできなかったんだ。


諦めることなんて出来るわけがない。



カナは俺を覚えていない。


俺が自殺したことだって知らない。


不幸中の幸いだろう。



「(私、結婚するなら哲朗みたいな人かな)」


サチの突然の告白で、俺は現実に引き戻された。


俺の隣にカナではなく、サチがいるという現実に。


『なんだよ。突然…』


俺は照れてしまった。



「(カナさんてどんな人だったの?哲朗が好きになるくらいだから美人さんなんでしょうね)」


サチが興味津々に言った。


『そりゃぁ、アナタ。美人さんだったわよ。待ち合わせしても、、俺が遅れて行くとあいつはいつもナンパされてて、俺が最寄の駅まで迎えに行ったものだ…』


カナと出掛ける時、俺はいつも時間ギリギリで待ち合わせ場所に行くと、常にカナは誰かに話しかけられていた。


その度に俺はカナにお説教をしていた。



しかし、カナはいつもこう言ってくる。


「哲朗が遅いからよ!」と。


どっちもどっちなので、俺たちのケンカはいつもここで終る。



周りの木が揺れているのを見て、風が強くなってきたのを感じ、俺はサチを気遣って病室に戻るよう勧めた。


サチの担当医があまり足を冷やしてはいけないと言っていたのを思い出した。


サチも思い出したようで頷いた。



病院に戻ろうとサチが車椅子に手をかけた時だった。


暖かな風に吹かれ、ある声が聞こえた。



「長谷川さん。どう?掴めるかしら」


「ええ。だいぶ」


その声に思わず俺は振り向いてしまった。


覚えている。


この声。



『カナ…』










はい。


今日はここまでにします。



哲朗がサチとの思い出を作るために来た病院でなんと、昔の恋人にあった!!



気になる続きはまた次回。




バイバInBan。
















InBanです。



今日、遊ぶのに夢中で私の自転車と正面衝突したボーダーコリーがいました。




非常に残念ですね。


あの種類の犬は賢いって聞いていたのでね。




ちなみにボーダーコリーの「ボーダー」って模様の意味じゃないんでしょうね。



どういう意味なんでしょう。










『世界の終わりを、キミと…』


14.


『哲朗。おめでとう。アナタはすごいわ!サチという一人の子を見事に救ったんですもの。正直あまり期待していなかったのよ』



『あんたは悪魔だな』


『まあ、これではれてアナタは天国へ行けるわ。アナタの罪は許されたわ



天使が軽く咳払いをして言った。



さっき俺は天使に呼ばれ、この報告を受けたところだった。



『マジで?そうか、はあ、長かったようなあっという間だったような…』



俺は確かにこの役を早く降りたいと天使にこぼしていたが、いざ、その時になると、情が移ってしまい、すっかり名残惜しくなっていた。



『そうねえ、サチもきっと悲しむでしょうね。じゃあ、これはアタシからのご褒美としてこれから一週間時間をあげるからサチと存分に過ごすといいわ』


珍しく天使が俺の意見を受け入れた。


これも今まで、我慢して天使の言うことを聞いていた成果なのか?



『あんた初めて天使みたいなこと言ったな』


『(言うんじゃなかったわ)』


天使の小言が聞こえた気がした。




かくして、俺はこの残された一週間を使い、サチと思い出作りをすることにした。



『サチ』


俺は早速サチに報告をすることにしたが、勇気が無くて一週間しか一緒にいられないということは言わなかった。


『サチ。サチの悩みも解決したことだし、これからは思い切り遊ぼうぜ』


俺は明るく振舞った。




「ええ。そうね。じゃあ、哲朗の行きたいところへ行きましょう。あまり思い出せないって言ってたけど、思い出せる範囲の場所を行きましょうよ」


サチはそう提案した。


確かに、おもしろそうだと思った。



「サチちゃん」


俺たちが話していると、エリと仲の良い昔サチをイジメていた一人が言った。


「なに?」


「あのね、これ本当遅くなっちゃったけど」


と言って、サチに封筒を渡した。


サチは不思議に思い、封筒を開けた。


中に入っていたのはなんと、サチから騙し取ったお金だった。


「私すっかり忘れていたわ。あれ?でもこんなに貸してないわ」



見るからに分厚い封筒の中には三万円も入っていた。


多かった。


「こんなにたくさんは受け取れないわ」


サチが袋を返そうとすると、友達はその袋をまたサチのほうへ押し戻す。



「いいから受け取って欲しいの。アタシら本当にサチちゃんに悪いことしたって反省してるの。でも、いくら反省してるって言っても誠意が無いじゃん。示すにはこれくらいしかないと思って」



俺はこの子の顔を見て本気で反省していると確信し、サチに言った。


『受け取っとけば?サチ。これはサチに対しての慰謝料だよ』


「(でもこんなには…)」


サチは困ってしまっていた。


『じゃあ、一万は返して、二万もらっておけよ』


サチは俺の言葉に素直に従い、一万円は返し、二万もらうことにした。



「サチー」


遠くからエリが走ってくる。



サチは声のした方を振り返った。


「一緒に帰ろう」


エリがサチと、サチに封筒を渡した子を誘った。


三人は仲良く帰ろうとしていた。



そのときだった。



一瞬で、俺もよく見てはいなかったが、俺が気が付いたときにはサチは階段の下にいた。


足を踏み外してしまったらしい。



『サチ!』


「サチ」


サチは二人に起こしてもらったが、上手く立つことができないでいた。


『サチ、足が…』


見ると、サチの足首は赤く、腫れていた。


サチは歩けないくらい痛がっていた。


先生に抱きかかえられ、先生の車でそのまま病院へ行くことになった。



診断の結果、サチの足首はひびが入っていた。



全治一週間だった。









はい。


何たる偶然!というお話でした。



サチとの生活があと一週間しかない哲朗を待っていたのは?



感度のラストを見逃すな!!!!




バイバInBan。



PS.明日は温泉旅行のため、ブログをお休み致します。ご了承ください。







「おまわりさん!事件です」


「どうしたんですか?InBanさん」


「いや~ぁ、私の足の小指が薬指を刺したんです。おかげで靴を脱いだら血まみれDeathした…」



「イタくて②歩けなかったんですよ」



「InBanさんて足の病気たくさんしますね」


「ええ。運動会も一回休みましたからね」


「あれサボりなんでしたっけ?」


「サボりじゃねえし…」






それでは物語の続きをご覧下さい。










『世界の終わりを、キミと…』



13.


天使は答えを教えてはくれなかったが、その答えはサチが教えてくれた。



俺は分かっていた。


自殺決意した時、俺は自分が何も出来ない人間であると感じていた。



だから俺が死んでも誰も何も思わないと思っていた。


だけど、天使と会い、サチと会って俺は心から誓った。


サチを助けたいと。



それはもうこの世に存在しない俺にとってできることは言葉でサチを支えることだった。


言葉は相手に力を与えることを俺は知っていた。



『サチ。ありがとうな。サチに会えてよかったと思うよ』


俺は心からサチにお礼を言った。


これは俺の本音だ。


サチは俺がサチを成長させたと言ったが、それは俺自身にも言えることだ。


サチの存在が俺を成長させてくれた。




すっかりと夜に姿を変えた街を、俺たちは並んで歩いた。


『サチ。後は母親に話すだけだな』


俺は話を切り出した。


サチに残された問題は母親にサチの夢を認めてもらうだけだ。



「でも、私はもう感情的なったりはしないわ。哲郎もいるし」


サチは俺をチラリと見て言った。



『そうだよ。サチは一人じゃねえんだ。俺もいるんだし、安心して話すといい』





次の日、学校から帰る途中、サチは母親に話すと俺に報告した。



扉を開けると、家の中はシンとしていた。


その空気でサチは少しだじろいでしまった。



「(哲朗。なんて言えばいいかしら)」


サチが不安そうに聞く。


『そうだな。まず“ただいま”って言うんだ』



「ただいま」


サチが大声でそう言うと、中から母親が出てきた。


「お帰りなさい。サチ」


落ち着いた雰囲気だった。



「お母さん。あの…話があるの」


そう言うとサチは制服を着替えないでリビングに向かった。


サチは俺に報告した時、まず、ヒドイことを言ってしまったことを謝りたいと言った。


その言葉を聞いたとき、俺は驚いてしまった。


今のサチには母親を気遣う心の余裕もあったのだ。



「ごめんなさい。お母さん。私、お母さんにヒドイことを言ったわ」


そう言って、頭を下げるサチを母親は優しく見た。


そして、


「気にしてないわ。それよりもサチの行きたいところをお母さんに教えて」


母親はサチの肩に手を置いて言った。


サチも俺もビックリしてしまった。


「驚いてる?お母さんね、全てお父さんから聞いたの。お母さんね、サチがあそこまで自分の意思を通したの初めて見たからビックリしてしまってね。でも、サチがあそこまで自分の意思を押し通すって言うことは本当に美容師になりたいってことだと分かったわ。だから、応援することにしたの。サチ、今まで気付かなくてごめんなさいね」



サチの目は涙で溢れていた。


それは悲しいのではない。


嬉しくて泣いている。


サチの気持ちは確かに伝わっていた。


どんなかたちだろうと、確かに伝わった。


気持ちが強ければ強い程に。




その夜、父親も帰り、久しぶりに家族で話していた。


サチは専門学校についての話を二人にしていた。



俺はただ黙ってこの幸せそうな光景を見守っていた。







はい。



今日はここまでです。


これで13章は終わりで、サチが主役の回はここで終ります。



これからは哲朗が主役に戻ります。


最終章に突入する、気になる新章はまた次回。




バイバInBan。