ラ☆ス☆タ☆InBanです。
今日はたまったビデオを見ることにします。
かなりたまっているので全部見終えることができるか心配ですが…
『世界の終わりを、キミと…』
17.
「サチちゃん」
もうすぐこの地上ともサチともお別れになってしまう。
だから俺たちは悔いのないように過ごす。
あと三日しかない。
そんな中、カナがサチの病室を訪れた。
サチも俺も驚いてカナを見る。
そんなことも知らないカナは笑顔でサチの病室に入って来た。
「ど…どうしたんですか?」
サチはさすがに動揺を隠せない。
「あのね、昨日サチちゃんがあまり海に行ったことないって言ってたからさ、今日ちょっと付き合ってくれない?」
「え?」
カナはサチを海に連れて行くつもりらしい。
ちょっと勘弁してくれ…
『サチ…』
と、俺が断わるようにサチに目を配るとサチはすでにカナに手を引かれていた。
「ちょっと、どこ行くんですか?」
サチは困惑していた。
「あのね、アタシの好きな海を見せてあげたくて。大丈夫。先生に言って特別に外出許可を取ったの」
カナは何てむちゃくちゃな…
ああ、こういう女だったな。
カナはたまにわけの分からないことをする。
俺の誕生日にスイートルームを取り、バラのシャワーを浴びせたり、自分の誕生日になぜか友達と海外旅行に行ってしまい、一週間遅れの誕生日をする羽目になったり…
カナに手を引かれたサチは地下の駐車場へと向かっていた。
「アタシ実は、右利きなんだけど、左利きをマスターして運転できるようになったの。だからサチちゃんをドライブにご招待するわ」
カナは嬉しそうに言った。
サチはまだ状況が把握出来ない顔をしているがとりあえず助手席に座った。
車の中はカナの好きな曲が流れている。
カナの好きな曲はあの頃と変らない。
あの頃は運転はもっぱら俺が担当していた事だ。
「サチちゃん退屈?」
カナが景色ばかり見ているサチを気遣って声を掛けた。
「いいえ。私景色を見るのが好きなんです。景色は車と逆に通り過ぎるのってなんか素敵ですよね。見ていて飽きません」
そうサチが言うと、カナも景色を見た。
「本当ね。気付かなかったわ。アタシ、車に乗るとすぐ寝てしまうから。運転はいつも彼任せだったわ」
そう言ってカナは苦笑した。
きっと今の彼のことを言っているのだろう。
「アタシ、嬉しかったんだ。サチちゃんがアタシの病室を訪ねてくれたことが」
カナは運転をしながら言った。
「ほら。アタシは色んな病院を転々としているからあまり人が来ないから毎日退屈なのよ」
「私も嬉しいです。誘っていただいて」
サチはカナにお礼を言った。
そうこうしているうちにカナの車はひとつの小高い丘に到着した。
「降りよう」
カナは言った。
俺たちはカナの言うとおり降りると、そこは一面海が見渡せるところだった。
波のきれいな音が聞こえる。
カナは一番海が見えるところへサチを連れて行き、大きく伸びをした。
「ここはね、アタシの思い出の場所なの」
俺はそんなカナを見ていたが、カナの目には俺は映らない事を思い出し、海を見ることにした。
「思い出の場所?」
サチが聞き返す。
「ええ。ここはね、アタシが初めてプロポーズを受けたところなの。丁度この場所よ」
と、カナはサチの立っているところを指した。
プロポーズ?一体何を言っているんだ。
「カナさんにプロポーズした人ってどんなひとなんですか?」
サチの質問は俺も興味があった。
カナはサチの言葉を聞いて少し照れたように笑った。
「とても素敵な人だったわよ。初めて心から好きになったかもしれないわ。プロポーズを受けた時は本当に嬉しかった」
そう言ってカナは泣いた。
「どうして泣いているの?素晴らしい事なのに」
サチはカナが突然泣いてしまった事に驚き聞いた。
「そう。素晴らしい事なの。でも、アタシはヒドイ女なの。一生償えない事をしてしまった。もう、逢えないの。その人に」
「え?」
暖かな風が吹く。
カナの髪が揺れている。
カナ?
「逢いたい。哲朗に逢いたい」
今日はここまでです。
お疲れ様でした。
それでは気になる続きはまた次回。
バイバInBan。