さて、彼氏いないくせに書いちゃってる小説ももうすぐ最終章を迎えます。
そろ②私も本気で彼氏作ろうかと思いまして、これが終わったらしばらくまたお休みを頂きます。
次の小説を書くころには彼氏いるといいね。
そうだね。
頑張るよ。。。。。。。( ̄ー ̄;
『世界の終わりを、キミと…』
20.
カナと別れて、俺はサチと二人きりになった。
サチと二人になることは今では珍しいことではない。
帰り道や、部屋ではいつも二人きりだったし、二人でいることはむしろ多いほうだったと思う。
しかし、今日に限っては初めて二人なったような緊張感が漂う。
と、いうのも、サチがさっきから何も話さないからだ。
『どうしたんだ?サチ』
俺は心配になったのと、気まずさが限界に達したのでサチに聞いた。
『まだ足が痛むのか?』
痛むわけが無い。
もう完治している。
サチは俺が顔を見れないような角度で俯いている。
『サチ。俺はサチと話したいよ』
すると、サチは足を止めた。
必然と俺も足を止める。
「優しい言葉をかけないで。別れが辛くなるわ」
サチの目にはすでに涙が溢れている。
さっきから我慢していたんだな。
今日でサチは退院だ。
と、いうことは俺もこの世から去る。
俺はもともと自殺した身だ。
この世から居なくなりたくてあのビルから飛んだんだ。
居なくなることに何の未練なんて無いと思っていた。
だが、サチと出会っていろんなことに悩み、怒り、悲しみ、葛藤して様々な経験をしたせいで、すっかり名残惜しくなってしまった。
それサチも同じだった。
俺はきっとサチが初めて心を開いた相手だろう。
俺には何でも打ち明けてくれた。
俺はサチがどんな言葉を言っても、どんなことをしても、全て受け止めてきたし、サチも俺の事を信頼してくれたからこそ、色んな話をしてくれた。
この短い時間は俺たちにとってかけがえのない大切な日々となった。
こんなことおもしろい話だと思う。
生きている人間と、もう死んでしまった人間が同じ時間を過ごしているなんて。
滑稽な光景だろう。
でも、サチにとっても、俺にとっても現実の話だ。
『サチ。手を貸して』
俺は今ならサチの手を借りて字が書ける気がした。
俺はサチの手を借り、サチのギブスにエリ達のようにメッセージを書いた。
メッセージを書くサチの手に一粒の雫が落ちた。
「行かないで。哲郎、私、まだ哲朗から勇気をもらえてないわ」
サチは泣いていた。
その大きな瞳から涙が流れている。
俺はサチの手から離れ、笑顔でいた。
サチを少しでも安心させたかった。
俺だって辛い。
離れたくは無い。
おかしなことだが、きっと昔の俺ならそんなことすら思わなかっただろう。
不思議だな。
『そうだな。まだまだサチには勇気が必要かもな。でも、これからは俺から勇気をもらうんじゃなくてエリちゃんたちからもらうんだ。彼女たちは生きている。それは俺にないものだ。サチだっていつか自分も人に与えられるようにならなきゃな』
サチは泣いていたが、黙って俺の話を聞いている。
いつだってサチは俺の話を黙って聞いてくれる。
初めてサチと会った時だってそうだった。
『サチ。今まで楽しかったよ』
俺は今までのことを振り返りながら言った。
過去の記憶があまり無い俺にとって一番新しい思い出となったサチとの時間を。
最後に俺はサチにナイショにしていたことを話すことにした。
『サチ。あのな、俺は自殺した日サチがあの廃屋で呼び出した天使と会ったんだ。今俺がここでサチと一緒に居るのはあの天使のおかげなんだ。最初は突然言われて、なんで死んでまで人の面倒見ないといけないんだと。って思ってたけど、こうしてサチと一緒にいて、話しているうちにサチのことがだんだん可愛く思えてきて、本当に守ってやりたいと思うようになった。カナとこうして最後に思いが伝えられたのはサチのおかげだよ。ありがとう』
沈み始めた夕日の赤でサチの顔も赤く染まっていた。
もうすぐ夜が始る。
『あのさ、サチ。最後なんだから俺も、サチから何か聞きたいんだけど…』
「わ…」
すると、サチは涙声だったが俺に話してくれた。
「私も、哲朗に逢えて良かったわ。本当よ。ほんの短い時間だったけれど、哲朗は私にたくさんのモノをくれたわ。全て私の宝物よ。哲朗は私がどんな辛い時だっていつも側にいてくれたし、優しい言葉をかけてくれた。その度に私は救われたの。私の方こそ言い尽くせないくらいのありがとうを言いたいわ」
『もう充分だよ。サチ』
俺はサチの涙を手で拭った。
拭えないことは分かっていても、自然と手がそう伸びた。
サチはまだ若い。
これからサチはたくさん恋をするだろう。
大切な人と出会うだろう。
サチは言った。
「哲朗。最後のひとつだけ…」
そう言ったサチは顔を赤くしていた。
『なに?』
俺もそんなサチを見て、年甲斐もなく照れてしまった。
「最後にキスをしてください」
サチに急にそう言われ、俺は何を言っていいのか分からなくなってしまった。
頭が真っ白になってしまった。
しかし、サチを見ると、すごく勇気を出して言ったのだと思い、俺も誠実に対応する事にした。
『じゃあ、サチ。目を閉じて』
俺がそう言うと、サチはキュッと目を閉じた。
俺はサチの方に手を置いた。
実際には置くフリをした。
サチの心臓がすごい速さで鼓動しているのを感じる。
俺はそんなサチの唇にキスをした。
『哲朗』
天使の声がする。
『じゃあな。サチ』
唇を離し、俺はサチに手を振った。
『アナタの罪は許されたわ』
天使が言う。
俺は天使について行った。
天使に連れられ、俺の体は中を舞い、やがて雲の中に入って行った。
雲の中はキラキラしていて暖かかった。
『(ここが天国か?あったけ~)』
ふと下を見た。
下ではサチが崩れるようにして泣いていた。
俺はすごく心配になったが、今のサチは一人じゃない。
たくさんの友達も家族もいる。
だから安心する事にした。
急に辺りが光った。
俺はそれが眩しくて、目を閉じた。
はい。
次回とう②感動のラスト。
お楽しみ下さい。
バイバInBan。