ビジネス系の新書が、けっこう好きです。

出版の世界も、昔とくらべマーケティング技術が格段に進歩したのだと思いますが、素人には近寄り難くかつ時機を得たテーマを、その分野の専門家でかつそこそこ信用のおけそうな人が、ちょっとびっくりするくらい簡潔に解説した、というようなすぐれた企画(本)が、近年はたくさん出ています。書店での扱いも目立つので、きっと売れているのでしょう。

もちろん、そのような専門的なテーマが新書の分量で論じきれるわけはなく、こんなものを読んだくらいでそのテーマについてわかったような顔をして話すのは厳に慎まなければいけないのですが、新書というのはそういうものだ、と割り切って読めば、短時間でキーとなる要素を頭に入れることができる、たいへん便利なものです。



この「ざっくり分かるファイナンス」(石野雄一/光文社新書)も、銀行から転職後薄れる一方(もともともそんなにない)の知識をおさらいしておこう、という軽い気持ちで手に取ったのですが、想像したよりずっと深い本でした。

そもそも私はファイナンスというものを誤解していたようで、資金調達、資金運用、ぐらいの狭いイメージでとらえていたのですが、ファイナンスというのは経営そのものなんですね。この本を読むと、会社の経営状況というのはバランスシートにあらわれない、キャッシュフローから考えていかなければだめだ、というのが、よくわかります(イヤ、よくわかった気になります)。


法務の仕事との関係で役に立つのは、資金調達のコストはどのような要素で構成されているか、IRを行う意味とはなにか、そして新規プロジェクトのリスクとリターンのバランスをどのように考えていったらいいか(すなわち、どのような状態であれば新規プロジェクトにOKを出してよいのか)、といったあたりでしょう。内部統制とか経営判断の合理性とかが厳しく問われる昨今ですが、もっとこういったファイナンスの切り口からの定量的な分析をもとに緻密な議論を行わないといけないな、と思いました。

1月はずっとどこからも音沙汰なかったので、そろそろ行き先を決めていろいろな手続を進めようと思った矢先、George Washington Universityから合格通知がメールで来ました。
GWUは、Rader、Adelman両教授の講演を聴いて追加で出願したところで、もちろん志望理由書にも両教授のことを書きましたが、そうやって具体的に行きたい理由を説明できたことがよかったのだと思います。
ランキング(はもはやどうでもよいが)22位、知財の充実ぶりのほかに、会社における自分の役割(私はいわゆる職人気質の法務マンではなく、どちらかというと官公庁とか業界団体とかにかかわる渉外的な仕事を得意にしている)を考えるとワシントンという場所は魅力的です。悩みます。。。

ヨワッタといっても今回は、売買契約書にどうしても受容れられない条項があるが目的物はもう引渡しを受けてしまった、あーヨワッタ、とかいうようなハナシではありません。体調のハナシです。


ひさびさに、ひどく体調を崩しています。
月曜日、出社してすぐに悪寒を感じたのですが、夕方重要な会議があったのでそこまで引っぱろうと考えたのが、間違いでした。
結局、会議は上着を着込んで出席したものの耐えられなくなり、途中退席してしまいました。まともに話もできず、はた目には某モデル?女優?タレント?様のようだったでしょう。出席者の皆様にあやまりたいです。
で、帰宅したら、40度くらいありました。
ノド、ハナはなんともないのでインフルエンザとは少し違うようなのですが、ひたすら高熱が続き、また、明らかにその影響で体の節々が痛いです。
私の会社、アジアからアフリカまであらゆる菌を摂取(付着?)した人物が社内を闊歩してるので、ホント油断なりません。


外的要因とともに、内的要因もだいたい想像つきます。
今年に入ってから、自分はいなくなることを前提に徐々に案件の直接の担当を外れているのですが、大量の案件をかかえてパンクしているとわかっている人物に案件を振るのもかなりツライ作業で、ついつい自分でやってしまうものがけっこうな量になっていました。また、担当がなくなるということはやることに制限がなくなることでもあるわけで、雑務的な案件をほいほい引き受けてるうちに、気がつくとたいへんなことになっていました。
あとは、会議への出席を要請してたキーパーソンに出席してもらえなかったりだとか、受信メールの3分の1も目を通せてないだとか、仕事のスケジュールを依頼者の希望にまるで合わせられないだとか、デスクにいると遅れている仕事の催促の電話がじゃんじゃんかかってくるだとか(サラ金地獄の苦しみがわかる気がします)、新たに始まった案件の概要を入力して報告書を作成するシステムにいまいちついていけず未入力のものが山のようにたまってるだとか(ただのオッサンです)、小さい(小さくない?)ことがいくつも積み重なって、ストレスが限界に達していました。


いかん、ディープな話をしてしまった。音楽のことを書こうと思ったのでした。


Save The Best For Last
Vanessa Williams
この曲の聴きどころは、電子楽器のいいところを生かした壮大なオーケストレーションです。こういうのは、最近ないですね。


赤い電車
くるり
ミニマルな感じがテクノっぽくてよいと思います。大澤誉志幸の名曲「そして僕は途方に暮れる」を彷彿とさせます。この曲は、PVもよいです。


With Or Without You
U2
言わずと知れた名曲です。くり返し聴いてしまいます。


Demanda
Rasmus Faber Feat. Clara Mendes
実は私はこの曲やアーティストについては、よく知りません。昔は渋谷の東急ハンズの周りの小さなレコード屋(と言えばわかるヒトはわかる)をマメにチェックしていたときもあったのですが、最近はとんと行かないので。コンピレーションの中に入っていた一曲だったのですが、印象が鮮烈でした。ブラジリアンハウスならではのアコースティックなサウンドが疲れた体に自然に染み渡る感じで、素晴らしいと思います。


True Colours
Phil Collins
Phil Collins自体は必ずしもポップスには分類されないと思いますが、この曲はポップスな感じが、好きです。


そのほか、クラプトンとかレミオロメンあたりもよい気がしますが、今回は今私のiPodに入ってるものから、ということで。

司法試験合格者(日本の)を減らす話が、もちあがっている ようです。
いろいろな考え方があるとは思うのですが、質の低下が懸念されるからという理由は、う~ん、どうなんでしょう?
競争がなくなると質は下がるのが、ふつうだと思うのですが(だから独占禁止法なるものがあるわけでして)。
それに、現状、若手、ベテランを問わず、弁護士さん(に話をしぼります)がそんなに質の高い人たちばかりかというと、必ずしもそんなこともないと思うのです。契約交渉などを通じて実にさまざまな方々にお会いしますが、私の観察では、質はいろいろです(笑)。


仕事をお願いする側(のひとり)としては、弁護士の絶対数が増えてサービスも料金も多様になってくれるほうが、圧倒的にありがたいです。
特に、料金が重要です。料金の低い弁護士・事務所が増えれば、今まで本当は依頼したいんだけどコスト的に見合わなかったことも、どんどん依頼できます。他方で、カネに糸目はつけない(は、言いすぎ(笑))からとにかく最高の仕事をしてほしい、という案件ももちろんあるので、料金の高い弁護士・事務所もこれによってそんなには影響を受けないと思います。多くの会社は、現状では、後者の案件しか、依頼できていないわけです。
一個人の立場でも、交通事故やら相続やら、ちょっと専門家に相談したいけど何十万、何百万もかけるような話ではない、というようなことって、けっこうありますよね?弁護士の絶対数が増え競争がおき料金が下がると、そのぶん需要が創造というか発掘できるので、まっとうな仕事をしているところであれば経営が苦しくなるということはないでしょう。むしろ、社会における弁護士の存在感や価値が増して、全体としては弁護士業界のトクにすらなるのではないかと思うのですが。


社会的な話をすると、質は高いけれども裕福なヒト(会社)しか依頼できないというのは、おかしいと思います。本当にサービスを必要としている市民や中小企業にそこそこの料金でそこそこの質のサービスを提供するというのも、おおいに意義のあることではないでしょうか?

厚さ0.4 - 1.94cm、13.3-inchのディスプレイで重さ1.36kg、メモリ2GB、HDだと80GB、ですか。
http://www.apple.com/jp/macbookair/specs.html
厚くて重いノートしか作らなかったひところのAppleからは、考えられないスペックですね。
高密度リチウムイオン電池のトラブルの後、採用に二の足を踏むメーカーが多い中で、ずいぶん思い切った戦略だと思います。ユーザーとしては、拍手を送りたい。
壊れないかだけが心配(バッテリーじゃなくて薄さのハナシ)ですが、それは無いものねだりというものなのでしょう。

まだ仕事始めからそんなに経ってないというのに、ちょっと、イヤ、だいぶお疲れです。
容赦なく催促は来るし。仕方ないけど。
うかうかしているときっとあっという間に渡米の日が来てしまうので、仕事も大切だが自分のことも少しはやらねば。


とかいうことをぼんやり考えながら、新宿3丁目の桂花ラーメンで太肉麺をすするのが、このあたりを通りかかったときの、ささやかなすぎるほどささやかな楽しみです。
以前はたしかテーブルに辛い青菜?が置いてあり好きに入れられたと思うのだけど、今日行ったらただの浅漬けになっており、ちょっと残念。


関係ないけど、少し前にトロリーバッグについて書いたとき、実はトゥミはデザインが重たいんだよなぁとも思っていたのですが、正月に御殿場のアウトレットのトゥミショップで見た新しいラインは、今ふうでいい感じでした。今日、新宿伊勢丹をチラ見したら、こちらにもありました。私が見落してたらしいです。御殿場はなんてったってアウトレットなんで、トロリーバッグに限らずトゥミをご検討中のかたは、一度行かれてみるのもよいかと思います。


帰宅したら、BUから郵便で合格通知が届いていました。なぜ今ごろ???という気もしますが、ま、深く考えないことにしましょう。

アレ?法律関係じゃない本はキリがないからここには書かないことにしたような気もするけど、まぁいいや。

この「広告コピーってこう書くんだ!読本」(谷山雅計/宣伝会議)という本は、とりあえず法律とはまったく関係ありません。

そうですね。コピーライターである著者によるコピーを生み出すための方法論、とでも言ったらいいでしょうか。コピーはひらめきで書くんではなくて、論理的に分析して書くんだ、という著者の姿勢に、共感を覚えます。


私はもともとこの種のことは嫌いではなくて、というか新卒で最初に就職した会社は広告会社だったりするのですが、企業法務の仕事にもヒントになるかなと思って、ふらっと買ってみました。

というのも、企業法務の仕事って、「伝える」という部分がかなり大きいんです。1対1で伝える、というのもありますし、特にコンプライアンスがらみなどでは、たくさんの人にわかりやすく伝えることが非常に重要だったりします。子会社、関連会社なんかいくつあるかわかりませんし、それに海外もなんていい出すと、そうとう工夫しないと伝わりません(このへんは外部の弁護士さんとはかなり違うところでしょう)。

コピーを書くということは結局なにかを伝えるということですので、そういう意味でこの本は伝える技術、コミュニケーションの技術を論じているということができ、おおいに参考になります。


この本では、紹介されている実例も興味深いです。

あんまりネタばらししてもなんですが、ひとつだけ例をあげると、「正論こそサービス精神をもって語ろう。」という論考があります。環境を大事にしよう、というような正論は、ただそのまま言っても、つまらない、説教臭い、伝わらない、となりがちです。

これを「水性キンチョール」は、いかに解決したか?

「地球のことを考えて・・・」と説明しかけたところを、頑固オヤジふうの大滝秀治が「つまらん!」と一喝する。「虫にきびしく、人にやさしい。」というキャッチも秀逸です。

ただ正しいことを言うだけではダメ、正しいうえにおもしろいものだったり、正しいうえにカッコいいものだったりしないと機能しない、というくだりは、コンプライアンスにかかわる者として肝に銘じておきたいと思います。


と、多少強引に法律に結びつけてしまいましたが、黄色い表紙のこの本、なにしろあっという間に読めるので、移動中にでも読んでみるとよいかもしれません。

今年の正月は、私は喪中で年賀状は出さず、しかも喪中ハガキも出しそびれたにもかかわらず、思いのほか多くの方から年賀状をいただきました。
市販の寒中見舞いハガキを買ってきたので順次書いて出すつもりですが、年賀状をいただいた方にはこの場をお借りして・・・ゴメンナサイ。


わが法務部には新人がふたり来ました。
しかも、そのうちひとりのお世話がかりになってしまいました(私もうすぐいなくなるんですけど。。。)。
ふたりともなんというか、ノリが違います。
トシの差
か?(ふたりとも)大阪人なせいか?といろいろ考えますが、まぁじきになじむでしょう。


この年末年始、テレビはF1総集編とのだめしか視なかったおかげで(両方とも視るに値するよい作品でしたが)、少し本を読むことができました。
おいおいご紹介しようと思います。


それにしても、VanderbiltとBU以外の学校からは、音沙汰ありませんねぇ。

あらら。
テロの関係だとか。


20年ほど前に、当時はまだパリダカと呼ばれ、本当にパリからスタートしていたこのラリーの創始者、サビーネ氏に照準を当てた本を読んだ記憶があります。そのおぼろげな記憶によれば、このイベントは生い立ちからしてまったく政治的な要素のない、純粋なスポーツイベントであると理解しています。


そのようなイベントが中止に追い込まれるという事態はまったくもって異常なことであることは、論を俟たないところでありましょう。日本で呑気にお屠蘇気分で正月を過ごしていると忘れがちな現実を認識させるという意味では、大きな意味のあるニュースであったような気がします。


もとより私はすべての暴力に反対する立場ですが、テロリストとは交渉しないという教条的な議論ではなく、対話を通じて彼らの憎悪の理由を真剣に考える必要があるのではないかと、まったくなんの影響力も持ちえない日本の片隅で思うのでした。


今年もどうぞよろしくお願いいたします。

世間一般と同じく、金曜日で私の会社は仕事納めでした。
この年末年始、わが法務部は、いなくなるひと、入ってくるひと、と人の動きが多く、例年以上に感慨深いものがあります。
私と直接仕事をしていた人物も金曜日が最後で、はっきり言って世話の焼ける奴だったけど、いざいなくなるとなるとさびしいものです。
自分の仕事のほうはやり残したことだらけですが、それが毎年恒例になりつつあることに少しだけ自己嫌悪に陥りつつ、お世話になった皆さんへの感謝の気持ちとともに、オフィスのパソコンをシャットダウンするのでした。


と思ったら、今日また立ち上げてしまいました(爆)。
クリスマス休み明けの欧米人にせっつかないといけない案件とか、年末ぎりぎりに依頼しておいて休み明けにくださいという案件(オレの休みは?)とかいろいろありますが、少なくともずっと待ってもらっている案件は、今日やればいちおう年内に済ませたことになりますので(←まったくもって無意味)。


そんな仕事というか作業のお供は、「津軽三味線/高橋竹三」
竹三のことは、実は最近まで寡聞にして知らなかったのですが、ヤラレました。ジミヘンのキレとBBキングの詩情をあわせ持つ、と言えば、わかっていただけるでしょうか。
クラウンから出ているこのCDはリマスタリングが施されており音質の満足度は高いですが、演奏としては、私が最初に聞いた竹三本人が吟ずるライブ盤がより優れている気がします。こんど調べて買おうと思います。


さて、今夜は全国のF1ファンの年末のおなぐさみ、F1総集編がスカパーである(地上派は気づいたら終わっていた)ので、さっさと終わらせなくては。