司法試験合格者(日本の)を減らす話が、もちあがっている
ようです。
いろいろな考え方があるとは思うのですが、質の低下が懸念されるからという理由は、う~ん、どうなんでしょう?
競争がなくなると質は下がるのが、ふつうだと思うのですが(だから独占禁止法なるものがあるわけでして)。
それに、現状、若手、ベテランを問わず、弁護士さん(に話をしぼります)がそんなに質の高い人たちばかりかというと、必ずしもそんなこともないと思うのです。契約交渉などを通じて実にさまざまな方々にお会いしますが、私の観察では、質はいろいろです(笑)。
仕事をお願いする側(のひとり)としては、弁護士の絶対数が増えてサービスも料金も多様になってくれるほうが、圧倒的にありがたいです。
特に、料金が重要です。料金の低い弁護士・事務所が増えれば、今まで本当は依頼したいんだけどコスト的に見合わなかったことも、どんどん依頼できます。他方で、カネに糸目はつけない(は、言いすぎ(笑))からとにかく最高の仕事をしてほしい、という案件ももちろんあるので、料金の高い弁護士・事務所もこれによってそんなには影響を受けないと思います。多くの会社は、現状では、後者の案件しか、依頼できていないわけです。
一個人の立場でも、交通事故やら相続やら、ちょっと専門家に相談したいけど何十万、何百万もかけるような話ではない、というようなことって、けっこうありますよね?弁護士の絶対数が増え競争がおき料金が下がると、そのぶん需要が創造というか発掘できるので、まっとうな仕事をしているところであれば経営が苦しくなるということはないでしょう。むしろ、社会における弁護士の存在感や価値が増して、全体としては弁護士業界のトクにすらなるのではないかと思うのですが。
社会的な話をすると、質は高いけれども裕福なヒト(会社)しか依頼できないというのは、おかしいと思います。本当にサービスを必要としている市民や中小企業にそこそこの料金でそこそこの質のサービスを提供するというのも、おおいに意義のあることではないでしょうか?