即興演奏と劇伴と | ウサギ舎のブログ~バレエピアニストの日々~

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ウサギ舎です。バレエピアニストなんて仕事してます。作曲家です。たまに舞台で踊ってます。ウサギ舎バレエ伴奏ピアノ研究所主宰。まあ、見てやってくんなまし。 

即興演奏と劇伴は違うよという話になった。

 

あ、ここで云う即興演奏は主にバレエクラスやアクチョールの即興演奏

劇伴は主にテレビドラマや映画の劇伴ね

 

 

全く違う業界、分野なのだけど話し相手の友人Eにとっては、音楽繋がり、芸能芸術繫がりでとても似ているように感じたらしい。

 

 

 

 

そもそも即興演奏の教材をどう作ったらいいかねえ、なんて話を世間話レベルでしてて、E(芸術関係は素人)はそれに対して

「予め何か寸劇を録画しておいて、それを観ながら演奏したら良いのではないか?」

と意見を言ってくれたのだ。

「あっ、それ良いね」、と云おうとして、やっぱりそれでは根本的にダメな理由に思い当たり、冒頭の『即興演奏と劇伴は違う』の一言になったわけ。

 

 

何が違うか。

「まず、生演奏かそうでないかが違う。インプロが多いかそうでないかも違う。」

そして、ウサギ舎の感じる最大の違い。

 

 

劇伴は、殆どの場合ドラマが録られてから音がつく。

演劇も、作業工程としては脚本があがって、演出家がついて稽古が始まって、音はその後になることが多い。

 

一方、バレエクラスやアクチョール伴奏は、音が先に決まる。

振付けは予め決まっていても、「こう動け」「こう感じろ」は音がサゼッションする。

音が、演出のかなりの部分を担って、その場で役者やダンサーを動かす。

バレエ伴奏、アクチョール伴奏がBGMではない所以である。

 

 

…というわけ。

 

だから、Eの云ってたのだと劇伴寄りになっちゃうんだよね。

予め録られた映像があると、「こう動け」「こう感じろ」をやるのは無理だもんね。

その場で、いま出た音で動いてくれる役者かダンサーがいて、はじめてバレエ伴奏、アクチョール伴奏の稽古ができる。

 

 

 

 

ご参考までに過去記事より↓

音ちょうだいが先に来る

いかに踊れる曲を一瞬で作るか、みたいな

 

そのアクチョール伴奏聴けます。基礎クラスはほぼ全編即興演奏。バレエ経験無しでも受講出来ます。

締切まであと僅か。見に来て&受けに来てね。

スチョーピン先生(ワガノワバレエ学校)によるアクチョール(演技法)WS告知です

 

 

 

お話ちょっとだけ変わって最近感動した即興。

浅草演芸ホールの寄席にて、大盛り上がりだった紙切りの一楽師匠。

お客様の「宝船」「打ち水」といった定番&季節もののリクエストに華麗に応えて行く。

と、一楽師匠、客席に小学生の子をみつけて

「リクエストは、なあに???」

言いよどんだ後おずおずと答えるその子

「ええっと…海賊船」

どよめく満員のお客、苦笑いする一楽師匠、そしてわき起こる拍手!!

拍手に後押しされ切り始める一楽師匠。

 

 

…もちろん、素晴らしい海賊船とフック船長が切り上がりました!!

いや、一楽師匠も凄かったのよ、でも。

 

あたしは、その海賊船を切ってるときの、囃子方の師匠がたが、すかさず

「YO-HO」(勿論三味線で)でBGMをつけたの、心底凄えと思った。

 

あの人たち、何百人もの師匠がたの出ばやし以外に古今東西の名曲、童謡、昭和の流行歌、いまのJポップ、CMソングにゲームミュージック。いったい何曲持ってるんだろ。

 

 

画像は

浅草演芸ホールそばの有名なお弁当屋さん。

顔ほどのおおきさの巨大おにぎりが名物。

 

お惣菜、おつまみも充実。寄席の友よね。