いかに踊れる曲を一瞬で作るか、みたいな。 | ウサギ舎のブログ~バレエピアニストの日々~

ウサギ舎のブログ~バレエピアニストの日々~

ウサギ舎です。バレエピアニストなんて仕事してます。作曲家です。たまに舞台で踊ってます。ウサギ舎バレエ伴奏ピアノ研究所主宰。まあ、見てやってくんなまし。 

 

さて

 

 

3日にわたって書いてきました「音を先にちょうだい」について

 

 

今日はアクチョールについて

今回の奈良ワークでは、小学生の子供たちの担当でした

マイム的なものも勉強しましたが(私はあなたを愛しています、とか貴様はここで死ぬのだ、とか)

コンサートのための作品では「天地創造」なる大仰ながらユーモラスな一幕ものを創りました。

 

 

 

神がいて

大地を創り海を創り

海の生物、陸の生物を創って

最後にアダムとイヴを…

というストーリーで、子供たちは色々な海の魚になったり、動物になったり(勿論神の役の子もいます)。

その姿形、動きを真似するだけではなく、それぞれのキャラクターにストーリーやオチもつく、という踊る方も見る方もとっても楽しい作品に仕上がりました。

 

 

 

さて

それを

・ストーリー

・配役

・音

・振付け

全部その場で、同時進行で決めて進めて行くわけです

 

 

いきなり

「ペンギンの音下さい」…

 

 

そうだよね、音が無ければ振り付けられないものね。

 

「蛸の音下さい」

「サメの音下さい」

「タツノオトシゴの音下さい」

「カマキリの音下さい」

「カモメ」「孔雀」「熊」「ウサギ」…

 

矢継ぎ早に創ること30曲以上。

この即興なんですが、クラシックの通常レッスンより、さらにストライクゾーンが狭くなります。

ノーヒントな上(拍子の指定もテンポの指定も無し。全部こっちが決める)蛸ですよ、蛸。

 

その場ですぐ即興演奏、は当然として

 

・BGMではないこと

蛸なら蛸の動きの振付けが入るので、動きやすい音。振付けのイメージがしやすい音。

熊ならその毛深さ、獣臭さまで想像出来るような音。

こんな風に動きたい!を発動させられるような音。

 

・短く、起承転結があること

ただ動きの真似ではつまらない。見る方も楽しめてメリハリのある音。

 

・数えやすいこと、覚えやすいこと

子供が一発で数えられ、間違いなく覚えられるもの。すぐ鼻歌で歌えるものがベスト。

 

・それでいて個性的なこと

うねうねしてるからといって蛸と蛇、怖そうだからといってサメと熊が同じではダメだよね。子供たちも「これ自分の音!」ってゼッタイ判らないと出トチとかさせちゃうし。

 

・芸術的なこと

宴会芸やお遊戯ではなく、スチョーピン先生振付けの一幕モノの作品ですからね(笑)

 

 

 

というわけで

上記すべて満たすものを「ペンギンちょうだい」で即座に弾くわけで

 

 

 

もう集中力の勝負になります〜

 

※画像はこの時のノート。

オタマジャクシ(音符)を書く時間はないので、平仮名になります。

絵は…、子供たちがノート覗き込んでくるから、ついね(笑)

 

 

 

 

この手の振付けだけは本当に音が先じゃないとできない、

生ピアノが生きる作業だよなって思います。

いかに踊れる曲を一瞬で作るか、みたいな。

(実際の上演では、オリジナル曲でないものも数曲混ぜました)

 

でも

上に挙げた

 

・BGMではないこと

・短く、起承転結があること

・数えやすいこと、覚えやすいこと

・それでいて個性的なこと

・芸術的なこと

 

ってやっぱり全部、クラスレッスンの選曲に当てはまるね。