ゆうぐれすれすれドライヴィン

大きく陽は傾いた初冬の夕暮れ
葉山・逗子から 鎌倉方向へと
海岸線をなぞるこの道路は
北向きの進路を いつしか緩やかに西に変えてゆく
だから
気がつけば
いつも残された光を追いかけている
幾つかのトンネルと幾つかの浜辺と
見失っては また 追いついて
そんなふうにしながら 今日はどこまで一緒に行けるだろう
夏であればまだ賑わしい時刻
けれど
まばらな人影
日は短く
もうすぐ冬至

鎌倉市内へと入り
由比ヶ浜の辺りで
宵の明星は
「 もう、おしまい 」
と
告げているようだけれど
多分・・・知っている
稲村ケ崎へと なだらかに上ってゆく右カーブ
山肌を深く抉った切通しの先で
もう一度
最後に逢えること

見えてきた
玄関先に出て
遅い帰りを待ってくれていたような
僅かに残る茜の空に見慣れたシルエット
切通しの上まで
一気に駆け上がりたくなる
今日は
一片の雲さえ見当たらない

七里ヶ浜へ抜けて
空が一遍にひろがって
さらに西へと
伸びる海岸線のラインを
ぼんやり光る波と渋滞気味の車列の灯がトレースしている
眼で追えば
山の輪郭と江ノ島の灯台の光の先 宵の明星・・・
どこまでも続いているような
どこまでかわからないような
夕暮れてすれすれのドライヴ
ご一緒にいかがですか ?^^
「 私を忘れる頃 」 松任谷由実
※ 宵の明星 ふう 手が届きそう 振り向けば すっかり青い夜・・・
アドルフは呟く

「 見ざる 」 「 言わざる 」・・・ お色気の刑なら・・・まぁ (笑)
ヒゲの無いアドルフが呟いた
「 通ってしまえば諦めるだろう 」
「 三年経ったら忘れてるだろう 」
議事堂が見えるベランダの窓を押し開けると
いまだ絶えぬシュプレヒコールが聞こえてきた
しかし
それすらも
「 ぐふふ 」
と
マゾヒスティックな笑いに変える
アドルフであった・・・
とか
なかったとか

真夜中の茶番劇 暴挙から一夜が明けて
ウィークエンドの街は 初冬の光に溢れていた
表参道にはプレゼントを買い求める幸せそうな二人
いつもと何も変わらない風景

落胆は禁じ得ない
けれど
溜息の代わりに歌声を !
いつもと変わらない風景が
いつまでも変わらない風景であるために

忘れてはならない
諦めてはならない
粘り強く
歩き続けていければよい

♪ all you need is love ・・・
みんなで歌いながら歩いた 穏やかな冬の日の午後でした
「 All You Need Is Love 」 The Beatles

