一疋の青猫 -70ページ目

めぐる季節よ


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遙かなる 白き嶺

その 頂の 高きがゆえに

遙かなる 時間に薫じられて

地中深く 沁み込んだ 命の源泉は

ここに また 湧き出し

瑞々しい 緑を育み また 空を目指し




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空間的な 広がりだけでなく

連綿とした 時間の流れこそ

スケールの 大きさ 宇宙であると

その循環の中にある

小さな花の けれど 精緻な造作にも

うかがえるようで




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すべては 繋がっていて

すべてに 命があって

すべては それだけで 価値がある

繰り返される 営みの中で

訪れるもの 立ち去るもの

待ち侘びて 見送って

泣きながら 笑いながら

また

ひとつ 重ねて・・・




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夏草揺れて


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日ごと 増してゆく緑の色は

なにも 見上げるものばかりではなく

足元に 目を遣れば

フェンスをくぐり 路肩の白線を超え

背丈を伸ばした 青々として むせるような 夏草が



海にほど近い 小高い丘の公園

てっぺんからは 浦賀水道が 一望できます

この丘一帯を 根城とする キジトラ一族

昼間は 草むらの奥に 潜んでいて

夕方近く 訪れる人が 少なくなると

どこからともなく 現れてきます

どれも これも みごとに キジトラ(笑)



夏草の勢いに負けず

新たに増えた 子キジも

しっかりとした顔つきに なってきました^^


・・・


たった 今

ここまで 書いて

深夜 1時を過ぎて

寝静まった夜の街を 一瞬 浮かび上がらせる 閃光と雷鳴

少し遅れて 大粒の雨が アスファルトを叩く音

走り去る車の 跳ね上げる水の音が

少なくない 雨量を 知らせています



強い雨が 降り出しました


外は まっくらで なにも見えないけど


やっぱり 思い出しちゃいますね


今頃 ノラ達は どうしているだろうか?


雨に 濡れているだろうか?




臆病さと 好奇心と

ふたつを宿していた 猫の瞳が 思い浮かびます




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もりの緑にかこまれて


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森の入口には 二本の カラスザンショウ

伸びやかに 枝々が 組み合わさって

ひとつの樹冠を 形作っている

擦り硝子の空から 柔らかな雨が 降って

新緑の若葉は 一段 明るい



誘われて 踏み込んだ 森の中

樹木の葉に 雨音は 絶え間ないけれど

時折 気紛れに落とす 大粒のしずくだけ

傘もささず 少しぬかるんだ 踏み跡をたどる

大きく ゆっくりと 息をする

森の匂いが 満ちてくる




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室生犀星 「 夏の国 」


夏は真蒼だ

まだ見もしらぬ国国の

夏はしんから真蒼だ

わが生れ

わが育てられたる国

加賀のくに金沢の市街(まち)

ゆうゆうと流るる犀の川


川なみなみに充ち

するどく魚ははしる


ああ その岸辺に

をみなごの友もゐる

けふ東京は雨

いちにち座してこひしさに

みどりの国のこひしさに



*



北陸 金沢の街 犀川の清らかな流れ

郷愁であり 旅情を歌った 犀星らしい歌です

けれど 街の名前と 川の名前

置き替えてしまえば 多くの人に通ずる ふるさとのイメージでしょう


それは 田舎を持たない人にも

きっと 私達が 森で暮らしていた頃からの 記憶として

残っているのでは ないでしょうか


そんな 血の記憶が 森にはあって

やわらかな 懐にいだかれて

どこか 懐かしい場所へ 還って行くような


雨だれの 耳にやさしき 森の中




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車へ戻ると つかの間 雨はあがり

ウィンドウには みどりのしずくが 輝いていました






「 白い服、白い靴 」   松任谷由実

* 予定ができたと電話を切った 雨降り・・・