一疋の青猫 -17ページ目

マースクの山 ~港市の秋


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高村薫の小説と ピンときたあなたは

ミステリー好きの あわてん坊かも知れません






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マースク = MAERSK = A.P. モラー・マースク

世界でも屈指の規模を誇る海運企業

街中でもトレーラーに積まれたコンテナで見掛ける 「 MAERSK 」 の文字

読みも分からず ロシアかどこかと思っていたら デンマーク・コペンハーゲンが本拠

デンマークと言えば海運国家 古い教科書的知識ではあるが その名残でもあるか






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それ以上の知識も 思い入れも無いが その山積みっぷりに 目を惹かれた

ここ横浜港は 国内では最大規模のコンテナターミナルであるが

その中でも MAERSK のコンテナの扱いはやはり多いようだ






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身体じゅうをめぐる血液のように きっと世界中を旅してきたであろうコンテナ

上海 シンガポールを経て ドナウをさかのぼり

地中海の潮風を浴びて サハラの砂を纏い 中東の油にまみれ

内戦の続くアフリカでは 弾痕を刻んだかも知れない

錆びの浮き何度も塗り重ねた鉄の箱は 想像の分存在感を増して 私の目に映る






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岸壁に接岸したコンテナ船へ 積み込み 積み下ろしを行うのは 巨大なガントリー・クレーン

使用料金は30分単位で 50000円程度だそうな








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私も その姿から 「 キリン 」 と呼んでいたが

現場でもそう呼ばれていると知ってびっくり^^

こういった ひとり社会見学は 思い掛けない発見もあり 楽しい






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それにしても世の中は 私のあずかり知らぬ・・・と思っているところで

ただ気付かぬだけで 地球が回るかの如く 回っているのだなと感じさせられる

ただ それを回しているエネルギーは 協力とか思いやり なんて言うよりも

競争と欲望なんて方が きっと大きいのだろうと思うけれども・・・






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社会見学中 こういった食堂や売店のようなものを見つけた場合

必ずチェックを欠かしません

当人たちにとってみれば当たり前のものが 部外者には新鮮だったり面白かったり

混み合う食堂で よく分からない業界用語を聞きつつ 内心肩身狭く ひとり食するのもまた良し

部外者 更に言うなら異端者として 疎外感を感じているのは 気持ちいい淋しさ

例えるなら 言葉を解さない外国の町を ひとり行くような

但し まわりから 部外者であるとは覚られぬように振る舞わねばなりません

慣れたようにまわりに違和感なく振る舞いつつ 心の中に 少しの緊張感と疎外感と孤独を宿す

それがいいのです^^






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「 来月の今頃は ちょうどブエノスアイレスか~ 」

なんて顔をしながら 働く皆様と肩を並べて こんな夕日を浴びていたりすると

自分もなんだか ひと仕事終えたような気分になるのです^^

もしかすると あり得たかもしれない ひとつの人生を垣間見るひととき


*


本当に船に乗ったら 酔いやすいタイプなので(笑)

せめて タクシーに乗って


「 お客さん どっちから行きます~? 」


運転手さんに こう聞かれたなら



メーターが上がるのばかり 気にするのでは無く

陽気に そして 大胆に


「 じゃあ 喜望峰回りで 」


いつの日か

そう言ってみたいと思っております・・・






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「 港市の秋 」 中原中也

石崖に、朝陽が射して
秋空は美しいかぎり。
むかふに見える港は、
蝸牛の角でもあるのか

町では人々煙管の掃除。
甍は伸びをし
空は割れる。
役人の休み日 ――どてら姿だ。

『今度生れたら……』
海員が唄ふ。
『ぎーこたん、ばつたりしよ……』
狸婆々がうたふ。

港の市の秋の日は、
大人しい発狂。
私はその日人生に、
椅子を失くした。





































らせんの魔力 Ⅱ


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今朝はやわらかな雨音で目覚めました

しばらくそのままでいたい気もしたのですが

雨に打たれるその姿も きっと瑞々しかろうと ベッドを這い出したのです


*


例年にもまして らせんの渦にとりつかれた 今年の夏でございました

まあ 考えてもみれば この国の成り立ちさえも

ぐるぐると かき混ぜたその渦から生まれたのだと 神話も語っております

その末裔として生きるものが 魅了されてしまうのは 必定なのかも知れません

夏の陽射しに しなやかに伸びた らせんのつるの姿を 今一度 ご覧ください






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前回の記事で みなさまにご教示いただきました 「 フウセンカズラ 」

その名を示すように 見事に 風船を付けました

思いもしなかった方から いただくプレゼントのような

トクをしたような なんだか なんとも うれしくなってしまうのでした






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「 あなただけなの・・・ 」 と

一途にその身を捧げて 巻き付いてゆくのがアサガオならば

フウセンカズラは 恋愛上手と言えるでしょう

寄り掛かることもせず 軽く 巻きひげの腕を伸ばして

その気も無いのに 「 飲みに行きましょう 」 なんて

ためらいなく 腕にまわすその手が やけにこなれています

この彼女も 右に 左に 腕を伸ばしながらも 細身のしなやかなスタイルで

「 ごめんね 終電だから 」 と 振り返ることも無く 軽やかに伸びてゆくのです

その足元には 小さな風船も ふたつ 見て取れますが

「 子供がいるようには見えないね 」 そんな風に言われる 彼女なのです






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それでも時には・・・

彼女自身でも もう 解きほぐすこともできない様な

恋の・・・ いや らせんの魔力に捉われてしまうこともあるのです

息苦しい程に 縛られることに 快楽を感じてしまうのです

絡まりあった ふたりのらせんは

上ってゆくのか 落ちてゆくのか

茫漠たる行く末と 舞い上がる風塵に よりその身体を強く結ぶのか

無限を・・・ 限りなく続く夢を

見させてしまうのが らせんの魔力なのかも知れません






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ひとつの季節が去って

また 新たな季節が現れて

ひとりになって・・・

あかく色づきはじめた木々の葉に 映るあなたの影は

また

らせんを描き始めるのかも知れません









「 GET BUSY LIVING 」  GOLDFISH































何もなかったように


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本当の光に満ちてた頃が

いつかを知るのは 過ぎ去ったあと・・・



( 「 何もなかったように 」 荒井由実 )



*



一面の雲に覆われた空

僅かにこぼれる光には 昨日までの色は無くて

けれど

その向こう側は 変わることなく 青くて

それは

経験でも 知識でも 無くて

ただ

信じる ということ それのみに

よって

証されるべきもので あって欲しいのです







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最後の梯子が外されて 閉じてしまった空は

あたりを等しい 薄明に 照らしだして

光と時間の行く末を隠した

けれど

そこに 変わらずに いつまでも 留まり続けていられるのは

寄せて返す 潮騒にしか 許されてはいないことなのです







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店先の ハイビスカスが

値札を替えて 並べられていました

その色は 何も 変わらないのかも知れませんが

なんだか少し 淋しい色に思えました



*



知識 = 知るということは

無味乾燥で 冷たく 虚しいものとなるだろう

それ以前に於いて 信念 で無いとするならば

高く宣言された信念が あたたかな色を纏う知識となれ




世界よ 他意なきわれらを容れよ ( 宮澤賢治 )













「 何もなかったように 」  荒井由実




※どうせ削除されるでしょうから、歌詞を・・・

「 何もなかったように 」 荒井由実

昨夜の吹雪は 踊りつかれ
庭を埋づめて 静かに光る
年老いたシェパードが 遠くへ行く日
細いむくろを 風がふるわす

人は失くしたものを
胸に美しく刻めるから
いつも いつも
何もなかったように 明日をむかえる

本当の光に満ちてた頃が
いつかを知るのは 過ぎ去ったあと
誰かが戸口で なぐさめ言っても
もう忘れたよと 答えるだろう

人は失くしたものを
胸に美しく刻めるから
いつも いつも
何もなかったように 明日をむかえる

人は失くしたものを 胸に美しく刻むから
失くしたものを 胸に美しく刻めるから
いつも いつも
何もなかったように 明日をむかえる