ビールの泡のように

もう一度くらいは行っておきたかった・・・
港を一望する屋上ビアガーデンの営業がどうやら終わってしまったようだ
生ビールのジョッキの汗と ゆらゆらと無数にのぼる泡と共に
私の今年の夏が ここに確かに終わりを告げた
迎える季節に弾む気持ちもあれば
去りゆく季節を惜しむ気持ちも またあるのだ
*
少年の夏の日
勇気を試すように 少し高い川岸から 勢いよく飛び込めば
すっと沈み込んで 水底を蹴って 上を仰ぐと
水面越しに日の光がゆらゆら揺れていて
まわりには無数の小さな泡が 裸の身体をくすぐるように追い越していった・・・
様々な季節を幾度となく見送ってきても
やはり夏の終わりは格別に オトコを少年の気持ちに引き戻すのだ
今では川遊びをすることも 虫取りもしないけれど
溺れかけて大量に飲んだ水も ピッチャーの生ビールの比では無いだろう(笑)
さらば 夏 ! さらば 揺れてのぼる 泡 !
*
思った以上に
ビアガーデン終了にショックを受けている自分がここにいます(笑)

振り返ってみると こんな眺めにもなっております
時折 汽笛が鳴ったりもします
*
これから 少しずつ 涼しくなれば
おでん 鍋物 ・・・ また 生ビールの出番が増えます
基本 前向きです
こういうことに関しては^^

飲み終えた後は 先ほどまで眺めていた景色を間近に据えて
酔い覚ましの夕涼みなんてのもよいでしょう
もちろん もう一軒 二軒と 廻る店も事欠きません
皆様も 来年の夏 いかがでしょうか?
*
最後に 18世紀初頭の賢人 ヘンリー・オールドリッチ博士の言葉を
余のつらつら思うところにあやまちなくば、酒を飲むのに五つの理由あり。
良酒あらば飲むべし
友来らば飲むべし
のど、渇きたらば飲むべし
もしくは、渇くおそれあらば飲むべし
もしくは、いかなる理由ありても飲むべし。
「 Life is Sweet 」 Cargo
@
季節をめくって

台風一家
そりゃあ 家族勢揃いで来られたんじゃあ 迎える方も大変
「 近くへ来ることがあったら、是非、寄って下さい 奥さん、子供さんも一緒にね 」
「 ええ、是非、そうさせてもらいますよ 」
笑顔で言葉を交わしつつ 5年 10年 会わないのがオトナの会話だったり
でも たまに
「 いや~ 来ちゃいました !! 」 なんて 本当にいらっしゃる方も
普段 階上階下の物音に神経を擦り減らすような暮らしをしているのなら
時にはそんな 一歩踏み込んで来てくれるような
小さな台風のような訪問客も悪くないかも知れません
思い掛けないお土産と 忘れていた賑やかさと・・・
誤変換話に花を咲かせすぎました^^
さて
台風一過
本物の台風の置き土産は
秋の訪れと鮮やかな夕暮れでした

季節はひそやかに 足音を忍ばせて
そっと 鼻孔をくすぐるように 気が付けば訪れているもの
けれど 時に 気紛れに
回り舞台のように 大仕掛けの場面転換を見せてもくれるもの
夏から 秋へ
季節の頁を 一枚めくるような夕暮れでした

舞台を動かす 大きな力は
美しいばかりでは無く 暴力的なほどに 強く 激しく
垣間見せる姿は一様ではありませんね
らせんと渦巻きに魅了されたこの夏 最後の一番大きな渦巻き
この目で見ることは叶いませんが
気象衛星の画像のように 宇宙から 列島を縦断する渦巻きを眺めたら
アサガオと同じく 左巻きに進んでゆく台風のその姿を
それでもやはり 美しいと感じてしまうような気がします
打ち付ける波濤に 揺れる木々に 鮮やかな色に
見えぬその姿を想像しながら・・・
*
ただ 少なからぬ被害も出ているようです
みなさまのご無事をお祈りしております
「 Thanatos 」 鷺巣詩郎
@
寂しさ無くば憂からまし

「 昼から飲みたければ横須賀へ行け 」
そんな言葉は無いのですが(笑)
そう言いたくなるほど 横須賀中央から汐入へと続く街は
驚くほどの daytime drinker で溢れています
また 古くからの大衆酒場の名店も多く
かの酒場詩人・吉田類氏の 『酒場放浪記』にも何店も取り上げられています

「 昼飲みには一人飲みがよく似合う 」
こんな言葉も無いのですが(笑)
社会通念上 眉を顰められる無法者でもあり
また そんなしがらみからの勇敢なる越境者でもある
私達 heartbreak daytime drinker
壁の品書きを眺めているような いないような
哀愁の背中と 孤高の眼差しで 一点を見つめながら飲む
そんな姿が似合うのです
大人数で騒ぐなど論外で 許されて気の置けぬ 旧き友か 連れ合いか
*
壁に貼られた 少し若い自分の指名手配書
ふと 気がついて 首を竦めつつ
ごくりと 冷や汗と共に流し込むアルコール・・・
そんな妄想も膨らむ 真昼の酒場

朝の間雨降。けふは人もなく、さびしきまゝにむだ書してあそぶ。其ことば、
「喪に居る者は悲をあるじとし、酒を飮ものは楽あるじとす。」
「さびしさなくばうからまし」
と西上人のよみ侍るは、さびしさをあるじとするなるべし。又よめる
山里にこは又誰を呼ぶこ鳥
独住まむとおもひしものを
( 芭蕉 「 嵯峨日記 」 より )
「 さびしさなくばうからまし 」 とは 西行法師の
「 とふ人も思ひ絶えたる山里のさびしさなくば住み憂からまし 」 を受けてのもの
人はいずれ独りとなる それこそが人生に相渉るということなのかも知れませんが
寂しさと向き合い 味わい 楽しんでさえしてしまうような
そんな境地に至る日が 自分にも来るのだろうか
カウンターの並びに 10年か 20年か それくらい先を行っているらしき
「 ひとり者 」 を眺めていると 少し 切ない気持ちになってきたりします

このお店は焼き鳥の名店 「 相模屋 」
ビールケースの積まれた裏路地側では立ち食いも
こちらは食べる専門 飲む方は店内へ
みなさん かなりの本数を召し上がっています
だって 串物はすべて70円 ! 素晴らしい !
焼き上がったものを 客が勝手に取って
目の前のカップに串を入れて精算するシステム

この日はあいにくの雨模様も活気に溢れ
焼き場の煙で燻された提燈も看板も品書きも
いい感じです
*
もし あなたの隣に わたしが居て
壁にそっくりの人相書が貼られていたら・・・
通報などしないで
そっと 一杯 ご馳走して下さいね^^
「 ラスト・ワルツ 」 森田童子
※ 美しき明日についても語れず ただあなたと しばし この時を・・・
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