「 よろしくって ? 」 ~ お蝶夫人の言葉

もう、秋になるのね。
少しだけ、空が高いわ。
でも、明け方の雨に濡れた木々と冴えた空気は、高原の夏の朝のようでもあるわ。
そう。
あたくしが無心で白球を追った、あの朝靄のテニスコート。
ほら。
宗方コーチの声も聴こえる・・・
だめよ。あきらめちゃ、ひろみ。
どこまでも、あたくしを追って来なさい。よくって ?
あたくしが6歳で初めてラケットを握ったその日から、ここで得た全てを、
今日は特別に、西高テニス部以外のあなたたちにもお話しさせていただくわ。
あたくし、そう。竜崎麗香名言集よ。
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何をとまどっているの !
あなたそれでもこのブログの読者なの ! 恥を知りなさい !
夏バテしている場合じゃなくってよ !
さあ、準備はよくって ?
それでは行くわよ。ついてらっしゃい !
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勝とうとすることなくてよ、ひろみ。
あなたのプレイをすればよろしいのよ。
『この一球』 ! つねにそれだけでよろしいのよ !
*
「わたしがやる」とか「わたしにならできる」とか
いつも自我が表面に出る者は頂点には登りきれない。
天才は無心なのです。
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これきりですわよ、ポイントを許すのは !
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フ…… いいサーブじゃないの。でも次はそうはいかなくてよ。
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なんなのさっきのプレイは ! 負けることをこわがるのは、およしなさい !
たとえ負けても、あたくしはあなたに責任を押しつけたりはしない。
それより、力を出し切らないプレイをすることこそをおそれなさい !!
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技があっても、それに見合う精神力がなければダメよ。
試合を投げるなんてもってのほかだわ。
コートに立つ前に、まずその根性を叩き直すべきね。
ゆるせないわ、テニスを愛する者として…。
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プレイ中よ ! ボールだけ見なさい。ストロークの音だけ聞きなさい。
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それならばあたくしも負けはしない。
あなたがその痛みにたえることでテニスへの情熱をしめすなら、
あたくしはこの試合に勝つことであたくしの情熱をしめす。
あなたはそうして立っているだけでいい。それがいまのあなたには精いっぱいなはず。
そのあなたをカバーして 勝ってみせる。
*
「人生は旅だ」と誰が最初に言ったのか。
砂利といばらと暗闇と・・・そんな道が気の遠くなるほどつづく。
けれど確かな光が見える。
今が苦しければ苦しいほど前へ進まねばならない、この苦しみから抜け出るために !
果てしない悩みなどない。底なしの苦しみなどない。
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傷ついた・・・と思うだけで、人間は傷つかないものなのかもしれません。
あれも耐え難い、これも耐え難いと思うだけで、
この世に耐えられない事などないのかもしれません。
高校生にしてお蝶夫人・・・
その強靭なる精神 孤高なる魂は
難関を切り拓いてゆく局面で また 運命を受け入れざるを得ない局面で
いつもバラの背景とともに 輝いていましたね
姫川亜弓へと続く 縦ロールの系譜です^^
次回は 緑川蘭子 通称・加賀のお蘭編です (嘘です^^)
「 白いテニスコート 」 大杉久美子
※ 涙が書いたイニシャルは H・H・H、O・・・
※ ちなみに、お蝶夫人のラケットには「R・R」のイニシャルが入っています
※ 今度、カラオケで歌ってみたいと思います
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睡蓮の花

夜半に降り出した雨は 朝になっても止まず
少し 夏の疲れが出てきたようなので
陽射しは隠されて 色褪せて見える景色が 目にやさしく感じて心地いい

もう 今年の夏は無理かと思っていたら
今年ひとつめの睡蓮の花が開いていた
蓮華座に主は無く 大小 空から降る雨粒が濡らしているばかり

同じ鉢に植えられた禊萩の 舞い落ちる花びらのみが
これまで水面に色を添えていたのだけれど
睡蓮の花はいつも唐突で 気付いた時には もう現れているような

泥より出でて泥に染まらず
そんな説教臭いことを持ち出さずとも
その姿が全てを体現しているよう 調和 真理 宇宙 ・・・
なにひとつの無駄は無く 無意味なものなど一切無いと教える

寺院や仏像 仏教美術は極彩色に色取られているけれど
真理や宇宙にも色は付いているのだろうか
無色透明のスピリッツを 薄手の衣で包んでいる
色無き色を包む 清らなる透け感がいい
汗ばんだブラウスに目を奪われしことも・・・ひと夏をしばし反省

ジン ウォッカ 泡盛 ・・・
アルコール度数の高い酒は 無色透明がよく似合う
ちなみにこれは60度 体調を戻さねば ちょっとキツイ

今年は本当に暑かった
みなさまもお疲れが出ませぬよう ご自愛下さい
「 Spine 」 睡蓮
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夏仕舞い

狭い路地の続く海辺の小さな集落
手書きの案内板に従って 更に細い路地を下る
午後四時を過ぎて
海水浴客目当ての駐車場は入口に鎖を張ろうとしている
車を降りて よく日に焼けた仕舞作業の男性に近づく
「 これから、泳ぐの ? 」
「 いえ、泳がないけど・・・ちょっと夕涼みに 」
脇の看板には 『駐車料金一日千円』 とある
「 おじさん、いくらになります ? 」
「 もう閉めようと思ってたんだよな・・・ 」
「 日が暮れる前に・・・すぐに帰りますから 」
「 ん~ じゃあ、五百円 ! 」
「 しっかりと入口も閉めて帰るんで、三百円 ! 」
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交渉成立
おじさんは黙って頷いた

値切った分は 地ダコと生ビールに
がらんとした 昔ながらの海の家に腰を下ろす
泳ぐ人も無い海から 涼やかな風が渡ってくる
「 キレイな魚が見えるから 」 などと話す
この海で育ったという 五十年にもなるこの店の女主人の言葉を
風に吹かれながら ぼんやりと聴いた

秋の訪れは 朝に 夕べに
花びらを僅かに揺らすほどの仄かさで 日一日と
雫に拡がる波紋のようにゆっくりと 染みわたってゆく
チリン・・・と
夏じゅう ずっと吊るされていたはずの 軒先の風鈴の
その音を 初めて耳にしたような
思い違いのような 慌てて記憶を辿るような
気が付けば そんな風に 訪れるような 秋を前に
夏仕舞い・・・。
「 満ち汐のロマンス 」 EGO-WRAPPIN'
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