一疋の青猫 -16ページ目

「 よろしくって ? 」 ~ お蝶夫人の言葉


IMG_8492b





もう、秋になるのね。

少しだけ、空が高いわ。

でも、明け方の雨に濡れた木々と冴えた空気は、高原の夏の朝のようでもあるわ。

そう。

あたくしが無心で白球を追った、あの朝靄のテニスコート。

ほら。

宗方コーチの声も聴こえる・・・

だめよ。あきらめちゃ、ひろみ。

どこまでも、あたくしを追って来なさい。よくって ?



あたくしが6歳で初めてラケットを握ったその日から、ここで得た全てを、

今日は特別に、西高テニス部以外のあなたたちにもお話しさせていただくわ。

あたくし、そう。竜崎麗香名言集よ。





何をとまどっているの ! 

あなたそれでもこのブログの読者なの ! 恥を知りなさい !

夏バテしている場合じゃなくってよ !


さあ、準備はよくって ?


それでは行くわよ。ついてらっしゃい !



*



勝とうとすることなくてよ、ひろみ。
あなたのプレイをすればよろしいのよ。
『この一球』 ! つねにそれだけでよろしいのよ !




*



「わたしがやる」とか「わたしにならできる」とか
いつも自我が表面に出る者は頂点には登りきれない。
天才は無心なのです。



*



これきりですわよ、ポイントを許すのは !



*



フ…… いいサーブじゃないの。でも次はそうはいかなくてよ。



*



なんなのさっきのプレイは ! 負けることをこわがるのは、およしなさい !
たとえ負けても、あたくしはあなたに責任を押しつけたりはしない。
それより、力を出し切らないプレイをすることこそをおそれなさい !!



*



技があっても、それに見合う精神力がなければダメよ。
試合を投げるなんてもってのほかだわ。
コートに立つ前に、まずその根性を叩き直すべきね。
ゆるせないわ、テニスを愛する者として…。



*



プレイ中よ ! ボールだけ見なさい。ストロークの音だけ聞きなさい。



*



それならばあたくしも負けはしない。
あなたがその痛みにたえることでテニスへの情熱をしめすなら、
あたくしはこの試合に勝つことであたくしの情熱をしめす。
あなたはそうして立っているだけでいい。それがいまのあなたには精いっぱいなはず。
そのあなたをカバーして 勝ってみせる。



*



「人生は旅だ」と誰が最初に言ったのか。
砂利といばらと暗闇と・・・そんな道が気の遠くなるほどつづく。
けれど確かな光が見える。
今が苦しければ苦しいほど前へ進まねばならない、この苦しみから抜け出るために !
果てしない悩みなどない。底なしの苦しみなどない。



*



傷ついた・・・と思うだけで、人間は傷つかないものなのかもしれません。
あれも耐え難い、これも耐え難いと思うだけで、
この世に耐えられない事などないのかもしれません。








一疋の青猫






高校生にしてお蝶夫人・・・

その強靭なる精神 孤高なる魂は

難関を切り拓いてゆく局面で また 運命を受け入れざるを得ない局面で

いつもバラの背景とともに 輝いていましたね

姫川亜弓へと続く 縦ロールの系譜です^^



次回は 緑川蘭子 通称・加賀のお蘭編です (嘘です^^)








「 白いテニスコート 」 大杉久美子

※ 涙が書いたイニシャルは H・H・H、O・・・

※ ちなみに、お蝶夫人のラケットには「R・R」のイニシャルが入っています

※ 今度、カラオケで歌ってみたいと思います

























睡蓮の花


IMG_6060






夜半に降り出した雨は 朝になっても止まず

少し 夏の疲れが出てきたようなので

陽射しは隠されて 色褪せて見える景色が 目にやさしく感じて心地いい






IMG_6189






もう 今年の夏は無理かと思っていたら

今年ひとつめの睡蓮の花が開いていた

蓮華座に主は無く 大小 空から降る雨粒が濡らしているばかり






IMG_6169






同じ鉢に植えられた禊萩の 舞い落ちる花びらのみが

これまで水面に色を添えていたのだけれど

睡蓮の花はいつも唐突で 気付いた時には もう現れているような






IMG_6158






泥より出でて泥に染まらず

そんな説教臭いことを持ち出さずとも

その姿が全てを体現しているよう 調和 真理 宇宙 ・・・

なにひとつの無駄は無く 無意味なものなど一切無いと教える






IMG_6120






寺院や仏像 仏教美術は極彩色に色取られているけれど

真理や宇宙にも色は付いているのだろうか

無色透明のスピリッツを 薄手の衣で包んでいる

色無き色を包む 清らなる透け感がいい

汗ばんだブラウスに目を奪われしことも・・・ひと夏をしばし反省






IMG_6130






ジン ウォッカ 泡盛 ・・・

アルコール度数の高い酒は 無色透明がよく似合う

ちなみにこれは60度 体調を戻さねば ちょっとキツイ






IMG_6215






今年は本当に暑かった

みなさまもお疲れが出ませぬよう ご自愛下さい










「 Spine 」  睡蓮

















































夏仕舞い


DSC_4746






狭い路地の続く海辺の小さな集落

手書きの案内板に従って 更に細い路地を下る

午後四時を過ぎて

海水浴客目当ての駐車場は入口に鎖を張ろうとしている

車を降りて よく日に焼けた仕舞作業の男性に近づく


「 これから、泳ぐの ? 」


「 いえ、泳がないけど・・・ちょっと夕涼みに 」


脇の看板には 『駐車料金一日千円』 とある


「 おじさん、いくらになります ? 」


「 もう閉めようと思ってたんだよな・・・ 」


「 日が暮れる前に・・・すぐに帰りますから 」


「 ん~ じゃあ、五百円 ! 」


「 しっかりと入口も閉めて帰るんで、三百円 ! 」







交渉成立


おじさんは黙って頷いた







DSC_7594a







値切った分は 地ダコと生ビールに

がらんとした 昔ながらの海の家に腰を下ろす

泳ぐ人も無い海から 涼やかな風が渡ってくる

「 キレイな魚が見えるから 」 などと話す

この海で育ったという 五十年にもなるこの店の女主人の言葉を

風に吹かれながら ぼんやりと聴いた







IMG_4756







秋の訪れは 朝に 夕べに

花びらを僅かに揺らすほどの仄かさで 日一日と 

雫に拡がる波紋のようにゆっくりと 染みわたってゆく


チリン・・・と


夏じゅう ずっと吊るされていたはずの 軒先の風鈴の

その音を 初めて耳にしたような

思い違いのような 慌てて記憶を辿るような

気が付けば そんな風に 訪れるような 秋を前に

夏仕舞い・・・。








「 満ち汐のロマンス 」  EGO-WRAPPIN'