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県政報告30 SNS誹謗中傷対策、12月定例会

■大分県議会12月定例会

11月28日~12月14日、大分県議会12月定例会が開催され、妊娠・出産を届け出た妊婦に対しての最高10万円の応援金、物価高騰の負担軽減や観光活性化策を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案、県立病院の定数増の条例案等が可決されました。また、当定例会の一般質問では、県民クラブの原田孝司議員が、インターネット・SNS上での誹謗中傷について、県の被害の現状、被害防止・軽減に向けての取り組みについて質問しました。

◆SNS・インターネット誹謗中傷対策

10/18インターネット上での誹謗中傷を考える講演会がホルトホール大分にて開催されました。講師は、木村響子さん。テレビ番組での演出がきっかけとなったSNS上の誹謗中傷が原因で自ら命を絶ったプロレスラー 木村花 さん(享年22歳)のお母様です。同じプロレスラーでもあるスカルリーパー・エイジ大分市議が中心となり木村響子さんを大分にお招きし、同講演会の他、中学校や教育関係者に向けても、被害当事者としての想いや、誹謗中傷をどうしたらを無くしていけるか語っていただきました。SNS・インターネット上の誹謗中傷は、匿名性が高いことから、誰も簡単に加害者となることができること、加害者が増殖することが特徴です。それゆえ、被害者にとっても精神的なダメージが深刻で、自ら命を絶つ事態となることもあります。人権問題でもあり、命を守るための対策が必要である問題です。原田議員の一般質問についても「被害者が声を上げやすい環境を作る」旨、県からの答弁がありましたが、孤立しがちな被害者に対し、救済・支援策についてのメッセージがきちんと届くことが重要です。学校や企業、地域団体等での情報教育を進めてゆくとも答弁がありましたが、SNS・インターネット上の人権侵害は、教育の問題であるとも言えます。引き続き、被害者支援の為の条例制定も含めた対策を県に求めてゆきたいと思います。

◆国の動き 侮辱罪厳罰化・発信者開示請求簡素化

令和4年7月より、インターネット上の誹謗中傷対策強化を見据え刑法の侮辱罪の法定刑が引き上げられました。侮辱罪は「拘留又は科料」とされていましたが、「1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金」が加えられ、時効が1年から3年に延長されます。また、加害者特定の為の、プロバイダー・SNS管理者に対しての発信者情報開示請求の手続きも簡素化されました。まだまだ難しい手続きであるのは事実ですが、以前は、多大な費用・労力が必要とされていただけに一歩前進です。SNSは匿名性は高いですが、加害行為は最終的に本人が特定されます。インターネット上での誹謗中傷は厳しく処罰されるべきものとして社会に認知されつつあります。

県政報告29 最低賃金、9月定例会報告

■大分県議会9月定例会
9月7日~26日、大分県議会9月定例会が開催されました。9月議会では、各会派からの代表質問が行われますが、県民クラブからは木田昇議員が登壇、物価高騰下における生活者・事業者への支援体制、児童虐待や子供の貧困対策等子ども関連施策を中心に質問しました。また、最低賃金に関連する質問は、他会派からも出され「賃金が上がる大分県経済」をいかにつくるのか議論となりました。
 

◆大分県の最低賃金
事業者が労働者に支払う賃金は都道府県毎に「最低賃金」が定められ、労働者が最低限の生活を維持できる為のルールとなっています。最低賃金は毎年10月に見直しが行われ、事業者は、支払う賃金が最低賃金を下回る場合は、最低賃金以上へと賃金を上げる必要があります。
大分県の最低賃金の推移は以下の通りです。※10月改訂
2018年 762円(22円増) 
2019年 790円(28円増)
2020年 792円(2円増)
2021年 822円(30円増)
2022年 854円(32円増)
今年の32円増というのは過去最高の上げ幅で、過去5年で大分県の最低賃金は114円上がっています。
最低賃金を引き上げ、生活を底上げしてゆくことは必要な反面、中小事業者の中には、賃金引き上げに対応できるだけの経営的な余裕がないという事業者も存在し、昨今の物価高騰もあり、賃金引き上げが可能となる経営環境を国・県が支えてゆく必要があります。賃金を上げる為に、生産性向上の為の支出を行った場合は、国の「業務改善助成金」という助成金が利用できる場合があり、また県の制度としても令和4年度は、大分県物価高騰対応業務改善助成金(県独自)・奨励金(国の助成に上乗せ)という最低賃金引き上げや物価高騰に伴う生産性向上の支出に対応できる助成制度があります。同制度の活用を周知してゆくとともに賃金を上げる事業者が幅広く利用しやすい仕組みを更に検討してゆく必要があります。 

■地元中小企業・障がい者雇用への取り組み
県民クラブでは、県内各地の団体・事業者等からヒアリングや意見交換を行っていますが、大分県中小企業家同友会の障がい者雇用に向けての取り組みを伺いました。


中小企業家同友会は、自主財源にて運営される経営者・個人事業主にて構成される団体で、経営に関する各種学習の他、地元での新卒採用の拡大等にも取り組んでいます。障がい者雇用に関しては、学校からの体験就労の受入から雇用の実現まで取組みを進めていますが、障がい者福祉を目的としない、いわゆる普通の地元企業が多いのが特徴です。全く障がい者雇用に関心がなかった企業がいかに関心を持ち雇用を実現し経営と両立させてきたか、障がい者に分類されない軽度の発達障害者の就労についてこれからいかにとりくんでゆくか等実体験に基づく話を伺いました。障がい者の法定雇用率は2.3%で従業員43.5人以上の事業者が対象ですが、障がい者が地域で働き生活を続ける為には、法定雇用率対象外の地元中小企業の果たす役割は大きいです。共に力を合わせて取り組んでゆきたいと思います。

県政報告28 オミクロンBA5株の影響 健康保険・労災

■新型コロナウイルス・オミクロンBA5株の影響
6月には2ケタ台まで落ち込んだ大分県内の新型コロナウイルス陽性者数ですが、オミクロン株の蔓延により8月17日は3000人超の人数を記録する等、7月中旬以降は連日1000人を超える陽性者が確認される状況となっています。同株は、重症化しにくいことから、大分県では、飲食店時短要請や行動制限は行わず、配慮しつつ県内のお祭りや行事も今夏は多く開催されました。しかし、あまりの陽性者人数に、病院の発熱外来がひっ迫している、通院している病院にかかることができない、といった事例が多数報告され、また事業者への影響については、職場で陽性者が増え事業が回らないといった事例が業種を問わず発生しています。

◆健康保険の傷病手当金
①子がコロナ陽性 ②親が看護で濃厚接触 ③親も陽性 従業員が休んでいるが、給料はどうすればよいか? コロナオミクロン株になってから急増した相談です。この場合、①②③それぞれ法的に位置づけが異なり使える制度も変わってきます。本人が陽性または症状あり であれば健康保険の傷病手当金が使える場合があります。
傷病手当金は、仕事を休んだ4日目から、休みでカットとなった給料について、1日あたり通常の日給相当額の約3分の2が支給される制度です。通常、医師の証明が必要とされていますが、コロナに関しては医師の証明なしで申請することが可能で、証明書をもらう為に病院に行く必要はありません。ただし、休みが連続14日以上となる場合は、療養の状況を自分で記載した申立書は添付必要となります。(協会けんぽの場合)
また、傷病手当金は、職場で加入する健康保険独自の制度で市町村にて加入の国民健康保険にはありませんが、コロナに関しては国民健康保険でも傷病手当金に相当する制度が用意されています。零細な個人事業に雇用されている従業員も賃金カットに対応する給付を受けることができる可能性があります(問い合わせ先は各市町村へ)

◆コロナ=労災となるケース
職場にて仕事が原因でのコロナ感染が明らかであれば、原則労災となります。感染経路不明の場合でも医療福祉保育ほか接客業等、感染リスク高い職場の場合も労災と認められることがあります。労災であれば、医療機関の自己負担がゼロになり、給与の補償も健康保険より有利です。

◆生活資金の貸し付け 【窓口 社会福祉協議会】
コロナが原因の困窮世帯への小口貸付制度については、今年度も県予算が確保されており引き続き利用可能です。
■緊急小口資金
コロナウイルスの影響で減収となった世帯で、緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合の少額費用貸付。
・貸付上限額  20万円以内、無利子
・据置期間 1年以内 ・償還期間 2年以内
■総合支援資金
コロナウイルスの影響で減収または失業となった世帯で、生活再建までの間に必要な生活費用の貸付。
・貸付上限額 二人以上の世帯 月20万円以内
単身世帯 月15万円以内  無利子
・据置期間 1年以内 ・償還期間10年以内