昨日、お寺のご法事で聞いたお話。
先日、バス2台で京都の東本願寺参りをされたあと、
帰りに、ご門徒さんと淡路島観光の時に、
ガイドさんから淡路の方言を教えてもらったそうです。
それが、「うすうったもん」
北淡路のある港での昔々のお話。
尾張の商人(あきんど)が淡路島で商売をして帰る時、港でおばあさんが米をついていたのを見て、
「その臼、百貫銅で、譲ってくれんかなぁ」と声を掛けた。
おばあさんはびっくりしつつ、新しい臼が何個も買えるので、売ってしまいました。
その商人は、港からその臼を大事そうに抱えて船出をしようとした時、そのおばあさんと息子夫婦が手を振って来るのが見えた!
慌てて船頭にお金を渡し、船を出させた。
ホッとして、つい船頭にいきさつを話す商人。
「あの臼は、実は伽羅の香木で、京都では高値で売れる。なんも知らん婆さんは百貫で売ってくれよった」と。
「それを息子夫婦に叱られて取り戻しに来よった」のだろうと。
実は、あの親子は、高値で買ってくれたお礼をしに、わざわざ港まで見送って手を振っていたそうな。
どこまでも、人の良い淡路の親子。
ところが、
船頭がその話を淡路の人に伝えたもんだから、口から口へ伝わり誰もが知ることに。
これが始まりで、
「なんも知らんやっちゃ」と言う意味の淡路の方言になったそうな。
「臼売ったもん」は「何も知らんもん」
今では、価値がわからんもんに、
「うすうったもん!」と言うそうです。
最近、北淡路は、素敵な観光名所になってて、
私も8月末に行き、淡路の海に感動したばかりなので、
この、うすうったもんの話が、なぜか心にひっかかってます。
あの海と空のグラデーションブルーを毎日見てる淡路の人は、
どこにもない景色とか、世界的に価値があるとか、
思ってないのかもしれない?
と思うのでした。