秋の特別拝観 初日は小春日和。
日当たりの良い「悟りの間」辺りの紅葉は日々 進んでいるような気がいたします。
今回の特別テーマの龍にちなみ、床の間のお軸は「羅漢さまと龍」の物がお出まし。初めて掛かる素敵なお軸に 私もときめいております。
本日 11月12日(土)より12月4日(日)まで 秋の特別拝観が行われます。
今年は水墨画家 堂野夢酔先生の「双龍風雷図」が本堂の襖絵として特別公開。
「あれ? 辰年に公開する筈だったのでは??」と 息子から鋭いツッコミもありましたが、今年は雲龍院の創建650年の節目でもあり 寺名でもある 龍 が黙っていなかったというわけで…。 住職も張り切って龍尽くしの設えになっております。
「蓮華の間」には智満和尚さまの筆のもので「麟凰亀龍」の大きなお軸が掛かりました。智満さまは達筆で有名なお坊様。 泉涌寺の上村長老様はこの掛け軸の書がとてもお気に入りのご様子で、何度か話題にされています。
久しぶりに眺めながら 住職も満面の笑み…。立派な龍が多数出現で、パワー隆々な雲龍院なのでした。
*ライトアップ拝観は11月18日(金)〜23日(水) の6日間です
*特別拝観中は混雑が予想される為、お抹茶の提供を中止させていただきます。御了承くださいませ。
前回の台風が去った途端に涼しくなり すっかり秋の気配となりました。 そして 次の台風到来の中ですが、今日と明日(9月23日・24日) はお彼岸法要を営んでおります。
沢山の方がお参りに来られますので 一般の方の お抹茶付き拝観と 午後2時から30分間はお写経の受付を停止いたしますので ご理解の程 お願い申し上げます。
法要は住職が導師、修行を終えて戻って来た息子が職衆を勤めます。
住職は中央で ひたすら仏縁者さんの過去帳と向き合いますので、 息子が前讃の声明と 鉢(はち) というシンバルのような仏具を鳴らすことから始まり お経を唱えます。鉢の突然の大きな音に驚きますが 仏様をお迎えする為に叩き 終わりにお帰りいただく為に叩くそうで、 この音の擦り鳴らし方には流派があるのだそう…。 息子は今回 修行先の善通寺で習った手法を用いますが、行く行くは 泉涌寺の鳴らし方もマスターして二刀流を目指す予定。
コロナ対策の為、 ご参列の皆さまにはお焼香だけで本堂を退出していただいておりますが ご先祖さまの御供養は懇ろに勤めさせていただいておりますので どうぞ ご安心ください。
非常に勢力の強いと言われていた 台風14号でしたが、京都には大きな影響もなく過ぎていきました。
被害に遭われた方には 心よりお見舞い申し上げます。
昨日は住職が テレビやネット情報と にらめっこしながら午後2時頃には拝観中止を決め、雨戸を出して 万全な台風対策をしておりましたが… 無駄骨で何より! 庭掃き掃除の必要も無かったのは ありがたいことでした。
「台風で樹木が倒れると ホント 大変だからねぇ…」と数年前の被害を思い出しつつ境内を点検していると、参道脇のずらりと並んだ 「玉すだれ」の花が丸坊主に⁉︎
大量の毛虫が すっかり食しているのです。
台風一過のどさくさと お彼岸の入りで 身の危険は回避出来ると侮っている 毛虫の小賢しさに、 頭に血がのぼり 悲鳴を上げた私なのでした。
8月22日から廊下の工事の為に拝観・お写経を休止しておりましたが、本日 9月3日より再開致しました。
玄関を入った所の一直線の床が 木目麗しく頑丈に! 良い材木に巡り会えたタイミングで 住職が張り替えを決意し、出来れば数年計画で追々 他の場所も新しくしていきたい勢いのようです。
ケヤキの木はかなり硬くて 「職人さん泣かせ」らしいのですが、腕の良い大工さんにも恵まれて 「50年は大丈夫!」との太鼓判。
拝観 再開に向けて昨日、一昨日は書院の掃除やガラス磨きなど ちょっと慌てて取り繕い⁉︎ 子供時代の新学期直前、夏休み終盤を思い起こしました…。
雨降りが多いお陰で 木々や苔の緑が美しく、頑張ってお掃除した甲斐がありました。
そして 休止中には 私も 夏休みの自由工作⁉︎ として「月窓の間」の机をペインティング してみました。
何度も塗り重ねて 真っ黒く 艶々に仕上げ、木々の緑や紅葉を反射させて撮影が出来ないかと… ウキウキ ワクワク 画策している私なのでした。
6月27日は雲龍院の開山(初代住職)でいらっしゃる 竹厳聖皐(ちくがん しょうこう)上人のご命日にあたり、開山忌法要が営まれました。
鎌倉時代に 京都に生まれた 竹厳さまは律と密教を兼学し 真言宗の諸流を極めた秀才で 泉涌寺の21世 長老に就任、そして雲龍院の開山となられました。
後光厳天皇はその徳を慕い 後円融天皇・後小松天皇も上人を深く帰依された事で 雲龍院の維持と発展に様々な配慮を賜ったようです。
毎年 開山忌は梅雨の真っ只中で ジメジメと蒸し暑いのですが 今年はピカピカの晴天で、コロナの為 2年ぶりの参列者さまの足取りも軽やかに…。
11時に 泉涌寺長老様をはじめ 山内寺院の皆様が入堂され 読経の中、茶道 扶桑織部流 尾﨑宗匠のお献茶のお点前に沢山の方の熱い視線が注がれたのでした。
今回 山内寺院は若いお坊様が多く勤行 下さり、音声高らかで 長老様の祈念にも尚一層 力が篭り… 本堂はヒートアップで篤い法要が厳修されたのでした。
その後 ご参列の皆さまには 悟りの間で 武家点前のお茶席を愉しんでいただき…
武家点前は へぎに乗せたお抹茶茶碗とお菓子が運ばれ、後に唐瓶と茶筅を持った男性が お客様の掲げたお茶碗に湯を注ぎ お抹茶を点てていくのです。
いにしえの昔、中国の天台山で羅漢さまに捧げられたお茶のスタイルの再現とも言われており、お茶碗に小さな色紙を乗せているのは 雲龍院のオリジナル。色紙は 善通寺での修行から戻って来た息子が心を込めて梵字を揮毫しました。
ところで、今年は先代住職 市橋眞明 和尚の十七回忌にあたり 一緒に法要を兼ねていただいたのですが、朝から 孫の働きを固唾を呑んで見守っていたに違いなく…。
開山さまの横で頭を掻いている舅の姿が目に浮かぶ 私なのでした。