6月27日は雲龍院の開山(初代住職)でいらっしゃる 竹厳聖皐(ちくがん しょうこう)上人のご命日にあたり、開山忌法要が営まれました。
鎌倉時代に 京都に生まれた 竹厳さまは律と密教を兼学し 真言宗の諸流を極めた秀才で 泉涌寺の21世 長老に就任、そして雲龍院の開山となられました。
後光厳天皇はその徳を慕い 後円融天皇・後小松天皇も上人を深く帰依された事で 雲龍院の維持と発展に様々な配慮を賜ったようです。
毎年 開山忌は梅雨の真っ只中で ジメジメと蒸し暑いのですが 今年はピカピカの晴天で、コロナの為 2年ぶりの参列者さまの足取りも軽やかに…。
11時に 泉涌寺長老様をはじめ 山内寺院の皆様が入堂され 読経の中、茶道 扶桑織部流 尾﨑宗匠のお献茶のお点前に沢山の方の熱い視線が注がれたのでした。
今回 山内寺院は若いお坊様が多く勤行 下さり、音声高らかで 長老様の祈念にも尚一層 力が篭り… 本堂はヒートアップで篤い法要が厳修されたのでした。
その後 ご参列の皆さまには 悟りの間で 武家点前のお茶席を愉しんでいただき…
武家点前は へぎに乗せたお抹茶茶碗とお菓子が運ばれ、後に唐瓶と茶筅を持った男性が お客様の掲げたお茶碗に湯を注ぎ お抹茶を点てていくのです。
いにしえの昔、中国の天台山で羅漢さまに捧げられたお茶のスタイルの再現とも言われており、お茶碗に小さな色紙を乗せているのは 雲龍院のオリジナル。色紙は 善通寺での修行から戻って来た息子が心を込めて梵字を揮毫しました。
ところで、今年は先代住職 市橋眞明 和尚の十七回忌にあたり 一緒に法要を兼ねていただいたのですが、朝から 孫の働きを固唾を呑んで見守っていたに違いなく…。
開山さまの横で頭を掻いている舅の姿が目に浮かぶ 私なのでした。