大阪の堺市博物館で今、「土佐光吉 展」が行われており 雲龍院の寺宝「後円融天皇像」が出展されております。
重要文化財に指定されている このお軸は 1492年に土佐光信によって描かれたもので、京都博物館の工房で修繕して頂き 二年前のこの季節に 雲龍院本堂でお披露目の特別拝観を致しました。京産大の学生さんが上手に案内役をして下さり 沢山の方々がご参拝に来られた事が つい最近のことのように思い出されます。
面長で品のある整った御顔の 後円融天皇様のご肖像の上には 後土御門天皇様がお書きになられた 賛 があり、最初の「道」の文字を天皇様が書き損じたと… 側近が日記に記したお陰で画が製作された実態が丸分かりとなり 重文指定を受ける程の価値が出た と聞いております。天皇様でも緊張して失敗されるのかと…不敬ながら しっかりとその部分を確認する気 満々で !? 先日 住職と共に行ってまいりました。
仁徳天皇陵古墳のすぐ横に位置する 堺市博物館は広大な公園の一角にあり 地域の方々の憩いの場所でもあるようでした。館内に入ると 初めは古墳や堺の展示が並び ボランティアスタッフの方がとても丁寧に楽しく説明して下さり 気分が高揚してきたところで いよいよ 土佐光吉 展へ。
土佐派の絵師たちは肖像画を得意としており 室町時代には宮廷絵師として仕えておりましたが嫡男の戦死により転機を迎え、戦国時代頃 堺に拠点を移して命脈を保ちました。弟子の土佐光吉が土佐派の伝統を受け継ぎ、当時 勢力を拡大していた狩野派の絵師たちとも交流しながら 平和な江戸時代に花開く様々な絵画の土壌が作り上げられたようです。
源氏物語の 繊細で華やかな画も沢山あり 魅了される中、後円融天皇像は 肖像画部門のトップに格調高く展示されており、なんとも 誇らしく拝してまいりました。
道 の部分の間違いは… まじまじ眺めても 私には分かり難く、 きっと側近が大慌てで ごまかし作業を施したのではないかと 要らぬ想像を膨らませ…。 何はともあれ 修正技術の高さを思い知り 、後土御門天皇様の周りには優秀なスタッフが揃っていた事を ありがたく感じている私なのでした。
土佐光吉 展は 堺市博物館で 11月4日(日)までです。
お見逃しなく!