宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ) -27ページ目

宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

鉄人のシール

グリコと言えば鉄人、鉄人と言えばグリコという程、ある世代(昭和30年代生まれ)には特にその関係が深い。なにしろ、鉄人28号の主題歌を口ずさむと最後はつい♪グリコ、グリコ、グ・リ・コ・・♪と歌ってしまうほどだ。もちろん、私のことである。1963年に始まったアニメの提供スポンサーがグリコだったこともあるけれど、65年頃のグリコ(キャラメル)には鉄人のおまけが付いていたのだから、思い出が濃いのも仕方ない。写真のシールもそのひとつ。グリコにもれなく付いていたのか、応募によるものだったのかは定かではないけれど、このシールを椅子やタンスに貼っては怒られたことをよーく憶えている。あれから幾星霜・・。今、江崎グリコ本社内にある記念館では「グリコのおもちゃ係展」が開催されている。江崎記念館の開館40周年を記念してのことらしい。もしかすると、鉄人のおまけに再び出会えるかもしれないと思うと、本社(大阪)まで足を伸ばしたくなるから、この世代には困ったものである。気がつけば、部屋中が鉄人だらけだった子供時代。木材の切れ端(直方体)に釘を2本打って、鉄人の操縦機だと遊んだあの日、夕日の中に幻の鉄人28号はいつも大きくそびえ立っていた。

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SEIKO

日本で最初のTVCMは、SEIKO(服部セイコー)だったと聞く。1953年、時報によるCMが初めて流れてから、SEIKOはたくさんの名作CMを生み出した。そのひとつが1975年、水谷豊出演の腕時計のCM。私はそのCMソングが大好きだった。♪逢ったとたん ひと目惚れ 僕は君に首ったけ・・♪という春めいた曲が男性の声でCMから聴こえてきた時、一体誰が歌っているのかと噂になった。なにしろ、アカペラなんていうスタイルをしっかり聴いたのは、それが初めてだったからだ。そのシンガーソングライターが、大瀧詠一という歌手(アーティスト)だと知ったのは、CMソングを聴いてから2ヶ月後のことだった。その後数々の名曲を発表し、大ヒットメーカーになったのは誰もが知るところだけれど、私の中で大瀧詠一と言えば、「いつも夢中」というこの曲なのである・・。すでに他界した母が、高校入学の祝いとして当時買ってくれたのが、写真のSEIKOアドバンという腕時計だった。それが1974年のこと。ほぼ、時が重なるのである。昨年末、大瀧詠一も亡くなったけれど、思い出の曲はいつまでも胸の奥に聴こえるだろう。今も時を刻み続けているこの腕時計のように、ずっとずっと。

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マジックインキ

懐かしいような気がするけれど、実は今でも健在。1953年の誕生から超ロングセラーの「マジックインキ」なのである。発売当時は、どんなものにも書ける油性の筆記具なんて無かったから、まさにマジック(魔法)のインキという言葉がピッタリだったのだろう。時を経た今でも、マジックと言えば油性マーカーの代名詞になっているから、そのネーミングを考えた人は凄い。但し、開発メーカーの登録商標なので、他のメーカーはそのネーミングを使えない。もっと言えば、公正を期するNHKでもそのネーミングは放送できない。NHKでは、油性マーカーと言っているのかもしれない。朝ドラの中でも、「ちょっとその油性マーカーとってよ」とかなんとか・・だけどなんか味気ない。マジックの他にも、シャープペンシル(略してシャーペン)やセロテープなど、その名前以外ではなかなか伝えにくい文房具は、意外に多いのだ。 NHKも苦労するだろうけれど、先に優れたネーミングを開発されてしまうと他メーカーにとっては辛いだろうと、人ごとながら考えてしまう。次々と売り出されるシャーペンに興奮した、あの昭和の日々。電機メーカーのシャープが、その生みの親だったなんて、あの頃は全く知らなかった。

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