Excelでデータを棒グラフにして表わすことがありますが、データ数値がかなり小さい値と大きい値が混じっているとき、グラフの縦軸のレンジをデータの最大値に合わせるのが一般的ですね。
そうすると、小さい値のデータがグラフ下方に小さく表示され、互いの大小が分かりづらくなってしまいます。
そんなとき、大きい値のグラフの途中に波線で作った「省略線」を入れて表示することがよく行われます。
今回は、省略線付きの棒グラフの作り方をご紹介します。
下図のような表データを使ってみます。
ここでは「組み合わせ」グラフを使いますので、はじめに表データを下図のように編集しておきます。
つまり、省略線で縦軸のレンジを上下 2つに分けて表示しますので、省略線の位置より小さい値の列と大きい値の列とに分けます。
A1~C6セル範囲を選択し、[挿入]-[グラフ]-[おすすめグラフ]をクリックします。
現れた「グラフの種類の変更」ダイアログで「すべてのグラフ」タブの「組み合わせ」を選択します。
右側画面で「系列1」「系列2」とも「集合縦棒」とし、「系列2」は「第2軸」にチェックを入れます。(下図)
次に、「系列1」の縦軸の目盛を変更します。
左側の軸を右クリックし「軸の書式設定」を選択します。
右側に現れた「軸の書式設定」ダイアログで、「境界値」の「最大値」を「700.0」とします。
この値はデータによりますが、「系列1」グラフが下半分ほどになるように設定します。
また、軸の目盛が上半分に 2つまでとするため、主目盛間隔を「200」としました。
これで、下図のように「系列1」「系列2」が表示されます。
「系列2」の縦軸の目盛も必要であれば調整しますが、今回はこのままとします。
「系列2」の縦軸の目盛を非表示とするため、第2軸を右クリックし「軸の書式設定」を選択し、「ラベル」-「ラベルの位置」を「なし」とします。
次に、第1軸の目盛表記の上半分ほどを第2軸の表記に変更します。
第1軸を右クリックし「軸の書式設定」を選択し「表示形式」の「カテゴリ」を「ユーザー設定」、「表示形式コード」に「[=400]"2000";[=600]"3000";0」と入力し「追加」ボタンを押します。
そうすると、第1軸の目盛のうち上 2つの表示が変更されます。
1つの表示形式で特定の値を別の値に変更できるのは 2つまでという制限があるため、省略線よりも上に表示する目盛は 2つまでとする必要があります。
最後に、省略線として用意した図をグラフの上に重ねます。(下図)
省略線の図の作り方は、「グラフや図に省略線を付ける」記事でご紹介しています。
併せてご参照ください。
なお、今回は「組み合わせ」グラフを使ってやってみましたが、「系列1」「系列2」のグラフをそれぞれ作り、それらを重ね合わせて表示する方法もあります。