Excelで新規にブックを起こしてみると、たくさんのマス目「セル」が並んでいます。
ちなみに、英語の「cell」は“細胞”とか“小部屋”という意味で、1つのセルに 1つのデータを入れることができます。

現在の Excel for Microsoft 365、Excel 2019や Excel 2016、Excel 2013では、1つのワークシートには「1,048,576行×16,384列」のセルがあります。
(その他の仕様についてはサポートページ「Excel の仕様と制限」をご参照ください。)

ところで、今回の話題“セルのサイズ”つまりセルの表示される大きさですが、気にされたことはありますか?

新規に開いたワークシートで、列番号「A」と「B」の境界線上でクリックすると、下図のように「幅:8.38 (72ピクセル)」と表示されます。

 

同様に、行番号「3」と「4」の境界線上でクリックすると、下図のように「高さ:18.75 (25ピクセル)」と表示されます。

 

いずれも括弧内の数字には“ピクセル”という単位が付いています。
ピクセルは、ディスプレイ上に表示される画像の 1つ 1つの点(ドット、画素)を指し、この場合は 1つのセルが縦25画素×横72画素の画素数で表示されることを表しています。
これは使用するディスプレイの解像度に依存します。
ディスプレイの解像度は、デスクトップ画面上で右クリックし、メニューから「ディスプレイ設定」を選択すると現在のディスプレイ解像度が、例えば「1920×1080」などと確認できます。
同じ Excelブックを、より高い解像度のディスプレイで表示すれば、1つのセルの大きさはより小さく表示されるわけです。

それでは括弧の前に表示される数値はなんでしょう?

まず、セルの列の幅ですが、こちらは“文字数”です。
ワークシートの文字に標準で設定されているフォント(標準フォント)のサイズ、Excel 2019では「游ゴシック 11ポイント」で、1つのセルに表示させることができる半角文字の数です。
つまり、上記の例のように「幅:8.38 (72ピクセル)」の場合には、1つのセルに 8.38文字のテキストが表示できるということになります。
数値で言えば 8桁の値、千万の桁までの数字が表示できるわけです。

端数である 0.38 については諸説あるようで、隣同士のセルに入力された数値の区分けが分かりやすくするための“余白”だとするものなどありますが、詳細は分かりません。

もちろん、列幅も変更できるので、これらは「既定の幅」ということになります。
あるセルを選択または全セル選択ボタン(シートの右上にある直角三角形のボタン)を押して、[ホーム]タブから [セル]-[書式]-[既定の幅]をクリックすれば、この既定値を変更することができます。

次に、セルの行の高さですが、こちらは“ポイント”です。
ポイントは文字やフォントの大きさの単位で、欧米の印刷業界などで一般に使用されてきた単位で、1ポイントは約72分の1インチになります。
上述の Excel 2019の標準フォントサイズ「游ゴシック 11ポイント」の「11ポイント」もこの単位です。
1つのセルの高さにピッタリと収めるなら「11ポイント」で良いのかもしれませんが、上下のセルの文字がくっついてしまい見ずらいので、少しだけ余白を設けたものと考えられます。

1つのセルまたは全セル選択ボタンを選択し、そこで使用するフォントサイズを標準の「11ポイント」から大きくしていくと行の高さがそれに連れて大きくなっていきます。
列の幅は変わりません。
これは、フォントの種類を替えても同様の変化をします。
フォントサイズが大きくなれば 8桁の数字も表示しきれなくなるわけですが、不思議な仕様です。

なお、ページレイアウトビューでは列の幅または行の高さを cm単位などで指定できますが、こちらについては機会があれば改めてご紹介します。