ブログ活動をサボっているうちにあっという間に7月になってしまいました。


このところ、よく働き、よくパンを作り、家事育児もこなしております。



そんなある日、仕事場の私の郵便受けを見ると(ほとんど郵便なんてないので、めったに見ないため、給料明細なども先月分を受け取ったりしている)、1通の封筒があった。


中を開けてみると・・・・

Thomas家の英国日記


こんなセミナーのチラシが入っていた。

出席するなら連絡しなくてはいけなかったので、早速faxを送り、予約終了。


当日は仕事があるので、18:15のドリンクサービスには間に合わないけど、別にそれはどうでもいい。


内容はアレルギー性鼻炎、鼻・副鼻腔手術、頸部郭清術の解剖、喉頭(音声と嚥下)というもの。


昔、地方会で開業医の先生と出会ったときに『せっかくのお休みになんでこんなところにいるんですか?』と聞いたことがある。『開業していると情報にうとくなるし、勉強する機会がなくなるから、こうやって足をはこんでるんだ。』と言っていた。

当時はわからなかったが、今はその言葉の意味がよくわかる。確かに新しい情報や治療法から置いていかれている気になるのだ。だからこういったセミナーはありがたい。


実際にでかけてみると・・・・まず会場に驚いた。普通の8人がけの円卓が並んでおり、そこに腰掛けるようになっている。ステージにむかって背を向ける位置の椅子は反対向きにおいてあり、一応全員ステージを向くようになっていた。しかし、円卓なので前の人と重なる部分が多い分、スライドが見にくいのだ。


そして、来てる人の服装。あまりにもラフなのだ。もちろん大方が仕事帰りなのであり、男性はシャツにズボンと言う格好なのだが、女性・・・・・タンクトップとか、ノースリーブワンピースとか・・・


さらに質疑応答。質問者が手をあげ、係りの人がマイクを渡し、所属と名前を名乗るところまではいいのだが、座ったまま片肘は椅子の背にのせたまま質問するのはどうかと思ってしまった。


でもそう思うところが、私ってほんと日本人だな~って思うところ。イギリス人はどんな格好だろうと、質問するときの態度が悪かろうと何も気にしないのだ。


そして一番大事な内容。


はっきりいって全然期待していなかった。

なんか面白いことがあればいいなぐらいに思っていた。全部英語だしね。イギリスの医療の質も知れてるから。

しかし、結構面白かったのだ。


アレルギー性鼻炎なんて別に聞くことなし!なんて思っていたし、遅刻もしたので半分以上は聞き逃したのだが、減感作療法の内服があるってこと(日本でもあるのかな?)、その薬は舌下するのだけど、最初はのどや唇がはれるってこと。ちょっと恐いけど、もし面倒でなくて効果があるならそれもいいかも・・・と思ったよ。


そして、鼻の手術。内視鏡手術などはとくにめずらしくもなかったが、鼻の手術。これは日本の耳鼻科ではないもの。ようするに形成手術というか美容整形。いろいろな人種がまじっているイギリスならではって感じ。

インド系やユダヤ系に多い鷲鼻や鉤鼻の形成。アフリカ系の黒人に多い鞍鼻の形成。手術の細かいやり方は聞き取れなかったけど、軟骨の自家移植でおこなっていて、またそれが全部お上手。鼻が変わると顔も変わるもんだと思ったよ。


頭頸部についてはベーシックっていうか、私的には論外。


喉頭もね・・・新しい音声と嚥下なんて書いてあったけど、何が新しいんだか・・・・

後半はちょっと時間の無駄な感じでした。


セミナーは約1時間半。


その後はビュッフェスタイルのディナーなのですが・・・・・・


また同じ円卓に12人くらい席があって、どこに座ってもいいんだけどね・・・・見た感じ、まるで披露宴。

そしてビュッフェの列に並び、適当に盛られ・・・ちなみにメニューはラムラックのローズマリー風味焼き、スイートポテトとかぼちゃとパスニップのグラタンパイ包み、ポテトグラタン、ラタトゥユのような野菜のマリネ?、シーフードとシーザーサラダ。

味そのものはまぁまぁおいしくて、食べれてしまうのだけど、なにせ量が半端じゃなくって。あと、結構胃に重くってね。


知ってる人が誰もいない中、1人で円卓に座って食べるのはとても辛いもの。なので、なるべく空いているテーブルを選んだの。でも、結局どのテーブルも満席状態。


テーブルにおいてあるワインはいまひとつだったけど、パンはなかなか。


他の人たちは、どうも顔見知りを探したり、専門医は専門医どうし情報交換をしたり、GPは専門医に話しをきいたり、周りは盛り上がっているのに、私は黙々と食べる。食べる。食べる。


隣のGPの女性が話しかけてくれた。『あなたはロンドンで仕事してるの?』って。

そっか~そう思われてたのねって感じ。・・・だいたいが、同じメンバーでセミナーは開かれているので、大体顔見知りになっているのに、みたこともないアジアの女がいたら、なんでここにいるの?って思われるよね。


とりあえず、簡単に自己紹介してみると、『え?あなたコンサルタントドクターなの?』って。まぁ、専門医であり、年齢的にもコンサルタントに達しているので、こっちではそうなるんだけど、仕事自体はGPレベル。でもGPに向って、GPレベルの仕事をしているとは言えないもの。


そうしているうちに、ちょっと両隣とも話せるようになったよ。でも、周りの人の食べるのの速さ。見ているだけでこっちがお腹いっぱい。さらに皆さん、デザートに向う。向う。向う。


隣のインド人の女性(この人の英語はかなり鈍っていて、ほんとわからなかった)が『私は日本にとても興味があるの。是非いつか行ってみたいと思ってるわ。だって、日本人ってみんな親切で礼儀正しいものね。』と。

おそらく、震災のテレビなのでそういうイメージが植えつけられているみたい。『ありがとう。』とだけいっておいたよ。あれは東北だからなんだけどなぁ・・・


初対面の人と話すのって、何を聞かれるか、何について話してくるか全然予測がつかないので、本当に難しい。結局、このインド人にも『あなたは英語話せるの?』とか言われるし・・・・


とにかく、ディナーで長居もしたくなかったので、早々に切り上げて帰宅したの。帰ったらどっと疲れが出たけど、いい経験だったかしらね・・・・ぇ