以前、「『北の宿から』が?」!いうタイトルの記事で、


「大作曲家たちの履歴書(上)」という本について紹介させていただきました。


バッハからワーグナーまで、歴史に名を馳せた10人の作曲家たちを徹底解剖したこの本、


クラシック初心者の私は毎晩睡魔と闘いながら約1ケ月もかけてやっと読破。


そして、私の脳みそに刻み込まれたのは


「シューベルトの口臭はきつかった」


という、しょうもないフレーズだけでした(TωT)



これで終わってたまるか!

今度こそ、もっとまともな知識を掴み取ってやる!


リベンジを心に誓い、懲りもせず下巻に挑戦しちゃいました(^_^)




改めてご紹介します。


「大作曲家たちの履歴書(下)」 (三枝成彰 著  中公文庫)



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上巻の表紙はモーツァルトで、見てすぐ分かったんですけど・・・。


皆さん、これ誰だか分かりますか?


この、「柔道黒帯、気は優しくて力持ち」、または、「こだわりのイタリアンシェフ」的な前髪ぱっつん男。



今回取り上げられているのは



ヴェルディ、ブラームス、チャイコフスキー、フォーレ、プッチーニ、マーラー、ドビュッシー、


R.シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキー



したがって、この中の誰かです。



ちなみに、これを読む前の、この10人に関する私の知識といえば・・・



ブラームス・・・シューマンの妻、クララへの想いをつらぬき生涯独身


チャイコフスキー・・・「くるみ割り人形」、「ピアノ協奏曲第1番」、同性愛者


プッチーニ・・・「トゥーランドット」


マーラー・・・指揮者?


ドビュッシー・・・「月の光」


R.シュトラウス・・・ヨハン・シュトラウスとは無関係、「英雄の生涯」


シェーンベルク・・・「指輪」?


ストラヴィンスキー・・・「火の鳥」



ヴェルディ、フォーレに至っては、イメージすら出来ず、シェーンベルクの指輪は、ワーグナーの書いた楽劇の「ニーベルングの指輪」と混同していたという・・・。


・・・書いていて、クラシックファンを語っている自分がいやになりました(T_T)



上巻の時もそうでしたが、読んでいると どうしてこんなにも眠くなるのか・・・

こんなに眠くなる本は生まれて初めてです。まるで苦行。

読み始めて5分とたたないうちに瞼が降りてくるんです。


もしかして、インクと一緒に睡眠薬が刷り込まれてるんじゃ・・・?


いや、単に本のレベルに私のレベルがあまりにもついていけてないからですね、はい。(^^;



それでも、1ケ月という前回の記録を大きく更新して、約3週間で、なんとか読み終わりました\(^_^)/




正直にうちあけます。


私、チャイコフスキーの同性愛について、どんなことが書いてあるのか、興味津々の下卑た人間でございました。


しかし、この本を読んで、野次馬根性まる出しだった自分を深く反省いたしましたm(_ _ )m



私、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が大大大大大好きです!

牛田くんが岐阜でこの曲を初披露した時、どうしても岐阜まで行けなかったので、東京でこの曲が聴ける別のコンサートに足を運んだくらいです。


ドラマチックなメロディとピアニストの見せ場がてんこ盛りの強い打鍵の連続。

男性ピアニストが力強く弾く様は、曲と演奏者の魅力を最大限に魅せつけてくれます。

何度も何度も聴いているので、「いよいよピアノの見せ場!」って時になると身を乗り出して(orオペラグラス)で、ピアニストをガン見しちゃいます^^;

あー、牛田くんの初披露、ほんとに見たかった・・・もとい、聴きたかった(T_T)


私にとっては、なんともテンションの上がる1曲なんですけど、

この曲、音楽の専門家には、すこぶる評判が悪いんですよね。


他でも何度か読んだことがありますが、「泥臭い」とか、「あざとい」とか、「狙いが見え見え」とか。

音楽に通じている者にとってはダサいこと極まりなくて、音楽を分かってない一般大衆や初心者に受ける曲だっていうんです。


それでも私はこの曲が大好きだ!


一般大衆結構! 初心者上等!!


むかっ( ̄へ  ̄ 凸




チャイコフスキーの音楽は、当時もなかなか受け入れられず、世間の評価は低かったようです。


その大きな理由が、彼が「同性愛者だったから」。


当時同性愛は最大のタブーで重罪。彼が同性愛者だったことは当時のロシアにとって決して公表できない恥部だと思われていて、ゆえに彼は軽蔑され、オペラ楽曲を作っても「同性愛者には真の男女の心の機微など理解できるわけがない。」と切り捨てられたりもしたようです。


もしも生まれる時代が違っていたら、彼の評価は全く違うものになっていたでしょうに・・・。

ピアノ協奏曲だって、こんな散々な言われようをしなかったかもしれません。


実際彼はカモフラージュのために女性と結婚し、彼の死因の一説も、同性愛を気に病んだ自殺といわれています。



タイトルに「衝撃の・・・」と書いたのは、別の理由です。


1つは、結婚生活で神経衰弱になった彼が、ある夏の日、モスクワ河に下半身を浸して自殺を図ったそうなんですが・・・


「余りにも頑丈すぎる体だったため、未遂に終わった」そうです。


しょ、衝撃的じゃないですか?・・・( ´艸`)



もう1つは、彼の作品、交響曲第6番「悲愴」。


なんと、この曲に「自殺強要説」があるそうです。


26歳から52歳までの間に12回ものうつ病を経験したチャイコフスキー。

この曲はそんな彼のうつ的な精神状態が反映された曲だとか。


ドイツの精神科医が、入院患者に様々な音楽を聴かせて、その反応を見るという実験をしたところ、

「悲愴」を流した場合に特に患者のうつ状態が悪化して、自殺しようとした患者もいるそうなんです。


(((゜д゜;)))


チャイコフスキーは、52歳のとき、この「悲愴」を自分自身の指揮で初演。

その9日後に急死したそうです・・・・。


(((゜д゜;)))(((゜д゜;)))  ひいぃぃぃーっ!

こ、コワくて一生聴けません・・・クワバラクワバラ・・・




ちょっと寒くなってきたので話題を変えましょう。


この本、作曲家達が既にこの世にいないのをいいことに、週刊誌顔負けのスキャンダルのオンパレード。


・プッチーニ・・・嫉妬深い妻に、プッチーニとの浮気を疑われた小間使いの娘が服毒自殺


・フォーレ・・・ドビュッシーがわが子だと思い育てていた娘は、実はフォーレの子だった(本人の死後発覚)


・ドビュッシー・・・彼に裏切られた女性がピストル自殺を図る(しかも2人も!)


・マーラー・・・妻アルマとの男女のアレコレについては、赤裸々すぎてとてもここでは書けません(//・_・//)



そして、前編の「シューベルトの口臭はきつかった」以上に、今回私の脳みそに焼き付いて離れなさそうな言葉。



恋愛において、


「ブラームスの上半身と下半身は別!」(/ω\)きゃー


・・・・敢えてコメントは割愛いたしますm(_ _ )m




まだあるんです。


ストラヴィンスキーは、自分の裸体が好きで、多くのヌード写真を残している(全裸のものも!)


ちなみに、どんな方かというと・・・


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み、見たくないかも・・・・(^_^;)




さて、散々ひっぱりましたが、表紙の前髪ぱっつん男の正体!(←すごい言いよう)


ドビュッシーでした~!ご存知でしたらすみません)


実は、前髪ぱっつんにもちゃんと理由がありました。

彼は生まれつき額が出っ張っていたので、前髪をおろしてそれを隠していたそうです。




「リトル・ピアニスト」の中で、牛田くんは


「ドビュッシーは、ぶよぶよした音楽のように思ってしまって、苦手なんです。」と言ってます。



この本で紹介されているドビュッシー像はといいますと、


「青年時代は痩せていたが、成人してからは背が低く太り気味。筋肉がたるみ、瞼は垂れ下がっていた」


「人間的にも自己本位で冷酷。顕示欲が強く、簡単に人を裏切り、そのくせ女々しい」



性格においては、著者の主観も入っているかもしれませんが、牛田くんはただなんとなく苦手なわけじゃなくて、それぞれの作曲家について、しっかりお勉強してらっしゃるのではないでしょうか?


または、音楽の才能に長けた者だけが持つ独特の嗅覚で、作曲家そのものの波長を感じ取っているのかも。




リストに熱狂した女性達を「リストマニア」、ワーグナーの大ファンを「ワグネリアン」と呼ぶそうですが、


わたくしども牛田智大くんの大ファンは、なんと呼ばれるべきなのでしょう?


「トモハリスト」・・・?


それとも、


「ウシダリアン」・・・?


(///∇//) いまいち・・・




ゴシップにばっかり詳しくなったような気がしないでもないですが、

実は唯一眠くならずに興味津々で読めたのが「あとがき」でした。


世界における「クラッシック音楽」の誕生と性質、アジアやアフリカ音楽との比較、

私が知りたいと思っていた楽譜の誕生と歴史などなども、とっても分かりやすく書いてありました。


詳しくご紹介したいのですが、今回も十分記事を長くしてしまいましたゆえ、このへんで失礼させていただきます。



お付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _ )m