先週、娘とお散歩がてら、河津桜を見に行きました。

 

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ソメイヨシノより少し早く開花する河津桜。色もちょっぴり濃い目です。

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ちょうどメジロが3羽、さえずりながらじゃれるように花と枝の間を飛び回っていました。

 

 

写真を撮ってみたけれど、どこにいるか分かるかな…?

 

 

 

 

 

いたいた!かろうじて1羽だけ映ってました。

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3月11日は、姉の命日でした。

 

 

 

 

一周忌の法要をしてもらおうと思ってお寺に電話したら

 

雪深い山の上にあるお寺は、この季節車で辿り着くのが難しいとのこと。

 

 

本来なら前倒しがいいと言うけれど、あまり気にしなくてもいいでしょうということで

 

約1ヶ月後の4月にお願いすることになりました。

 

 

 

 

 

 

当日は、母の面会と お墓参りに行きました。

 

 

実家の片付けで散々お世話になったTさんは、義理のお母さんの認知症が進んで目が離せなくなり

 

お義母さんがデイサービスに行っている木曜以外は外出が難しくなってしまいました。

 

 

 

地元には便利な予約制バスがあるので、一人で行こうと思っていたけれど

 

ちょうど歯医者で午前中半休をもらっているという従妹が車で迎えに来てくれて

 

母の面会もお墓参りも、一緒に行ってくれました。

 

 

 

夜トイレに行くときに寒いというので

 

私が注文して送った半纏を羽織り、私のおさがりのスウェットのズボンを履いて登場した母は

 

今までにないくらいおばあさんに見えました。

 

 

もっと明るい色のを買ってあげればよかったと、ちょっと胸が痛くなりましたが

 

そんなことを気にする様子もなく

 

私達の訪問がとっても嬉しそう。

 

 

仕事で花や野菜を育てている従姉妹が持ってきてくれたお花や苺

 

私が持って行ったお菓子やフルーツにいちいち小さく歓声を上げて

 

ありがとう、ありがとうと繰り返していました。

 

 

荷物を部屋まで運んでいったら

 

先月私が持って行った小さなブーケが

 

半分ドライフラワーになって、まだ花瓶に飾ってありました。

 

 

 

 

コロナ禍の影響もあり、1回15分だけと決まっている面会時間。

 

たわいもない話をしたり、操作を忘れたというスマホの使い方を教えてあげたり

 

「ああ、15分なんてあっという間だね」

 

と、ため息をつく母は

 

どんなにかこの15分を心待ちにしていたのだろうと思いました。

 

 

「無理してわざわざ来なくていいよ」

 

なんて言うけれど

 

母が、この15分を楽しみに

 

この時間を繋ぐように生きているのを知っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから1年。

 

 

母がいろんなことを受け入れて

 

こうして元気でいてくれること

 

ただありがたいです。

 

 

 

 

 

私も頑張った。

 

 

でも、

 

母も本当に頑張ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

この1年は

 

私にとっては決して「あっという間」ではありませんでした。

 

 

あまりにも大変で

 

あまりにもいろんなことがありすぎて。

 

 

 

姉にも 妹にも 母にだって

 

本当は、言いたいことがないわけじゃない。

 

 

ただ、そういうことに意識を向けることに意味を感じません。

 

 

 

 

 

 

 

 

姉の死を、もうすっかり受け入れたつもりでいたけれど

 

この前、朝目が覚めたときに

 

夢の続きのように、知りたいと思っていたことを

 

「そうだ、お姉ちゃんにきいてみよう」

 

と思いついて

 

スローモーションのように 感情がガッカリしていきました。

 

 

 

「あ、そうか。いないんだ」

 

って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実家の庭で咲いていた青い紫陽花。

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母の米寿の誕生日に、従妹が持ってきてくれた花束に入っていたユーカリの葉。

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どちらも、すごく頑張ってくれたので、長い間飾ってました。

 

 

 

でも、さすがに元気がなくなってきて

 

最後に花瓶の水を抜いて

 

枯れたら捨てようと思っていたけれど

 

今でもどうしても捨てることが出来ません。

 

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ドライフラワーになったこれが、綺麗なのかどうかさえ私には分からない。

 

 

 

 

 

 

 

気付けば1年前から、家に飾る花を買っていません。

 

誰かにもらった花や、誰かにあげる花は別として。

 

 

 

理由は自分でもよく分かりません。

 

 

まだ、実家から送った段ボールだらけのこの家に

 

優雅に花を飾るのが似つかわしくないような気もするし

 

自分のために花を買うほどの華やいだ気持ちになれないのかもしれません。

 

 

それとも、花を買って愛でることが

 

実家から持ってきたカサカサの紫陽花やユーカリに

 

どこか申し訳ないような気がしてしまうのかも。

 

 

 

 

 

 

だけど、お墓参りのお花と母に渡す花とは別に

 

今回も従妹が私のためにお花を用意してくれていて、とっても嬉しかった(T-T)

 

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アルストロメリア、ラナンキュラス、桜の枝まで!

 

 

 

 

 

桜は、山桜かな…?

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数日経って、すこし崩れるように しなりかけた曲線もまた美しい。

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毎朝水切りして、器を変えると表情も変わります。

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嬉しそうに香りを吸い込むコロポックル。

 

 

母の部屋から見つけた時は真っ黒黒で、何度も何度も拭きました。

 

片足も取れていたのでボンドでつけました。

 

 

久しぶりにお顔を拭いてあげたら、気持ちよさそう照れ

 

 

 

 

 

やがて、アルストロメリアとラナンキュラスの花びらは

 

リボンをほどくように、ゆるりと散りました。

 

 

その柔らかに息づくような花びらが、散ってもなお愛おしい。

 

 

 

 

ああ、お花ってやっぱり癒やしをくれますね。

 

 

 

 

 

そろそろまた買おうかな。

 

自分のために、お花。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義父が亡くなりました。

 

 

姉の命日と3日違い。

 

 

 

もう去年からかなり弱っていて、最後の方は食べることも出来なかったので

 

みんな心構えは出来ていました。

 

 

 

 

季節柄か亡くなる人が多く、火葬場が混み合っていて

 

14日、15日が通夜と告別式でした。

 

 

 

 

通夜も葬儀も、家族と ごく一部の近しい親族で行いました。

 

 

私が驚いたのは、葬儀場が立派でハイテクだったこと。

 

そして、とても愛に溢れた2日間だったこと。

 

 

 

 

会場に着くと、既に義母や義妹達がすべて準備を整えてくれてあって

 

壁のモニターには、義父の若い頃から晩年までの写真が順番に映し出され

 

遺影は写真ではなく電子画面でした。

 

服も背景も選べるそうで

 

白いタートルにグレーのジャケットを着て

 

背景は満開の桜でした。

 

 

 

 

 

 

 

義父には、とても大切にしてもらいました。

 

 

結婚前に、初めてジャックの実家に挨拶に行ったときから

 

ジャックの家族が、私を家族として迎えることを喜んでくれているのが伝わってきて

 

そのことがとても嬉しいですと書いた手紙を、結婚式の日に義両親に渡しました。

 

 

義父は、その手紙を読んで感激したようで

 

私のことをとても気に入ってくれて

 

ジャックの実家に帰る度に、いろんな話を私に聞かせてくれました。

 

 

関西人だからなのか、話し出すとなかなか止まらなくて

 

聞いてるうちに眠くなったり意識が遠のいたりすることもあるほどで(^^;)

 

義妹達は、「ああ、また芽々ちゃんが蜘蛛の巣に引っかかった」

 

と、笑いながら同情してくれてました。

 

 

 

 

文字通り、裸一貫から苦労して苦労して 

 

自分の会社を立ち上げて軌道に乗せた義父のことを

 

家族はみんな尊敬していて、亭主関白だった義父。

 

義父の言うことは「絶対」で、

 

母が威張っていた私の実家との違いに最初は驚きました。

 

 

 

特に女性陣のテンポの速いおしゃべりに最初は圧倒されて

 

新婚の頃は、帰省して手土産を渡すタイミングすら分からなくて

 

よどみなく続く義母や義妹達のおしゃべりの合間にお菓子一つ渡すのですら

 

大縄飛びに飛び込むときのように勇気が要りました。

 

 

 

そんな私のことを、義父はいつも気に掛けてくれて

 

帰省した時も みんなで家族旅行に行ったときも

 

私が疎外感を感じたりしないように、義妹たちに声をかけてくれたり

 

こっそりお小遣いをくれたりしました。

 

 

 

 

 

 

 

棺の中の義父は、赤いネルのチェックのシャツとグレーのベストを着ていました。

 

白装束は寂しいし、お父さんは明るい色の服が好きだったから、という義母達の希望でそうしたそうです。

 

 

「ほかにも黄色のチョッキを気に入ってよく着てたんだよね。」

 

 

 

黄色いチョッキ…。

 

結婚2年目の義父の誕生日に、私がプレゼントしたサマーニットのベストのことだ…。

 

 

 

泣くうさぎ

 

 

 

 

 

 

綺麗に整えてもらった棺の中の父は

 

痩せて鼻と頬骨が高くなり

 

知らない人のようでした。

 

 

 

 

東京から向かった私達家族3人は、葬儀場に併設している宿泊施設に泊まりました。

 

 

棺は会場に置いたままでも、宿泊施設の和室にも移してもいいというので

 

和室に移してもらいました。

 

 

 

 

 

別室のベッドルームのジャックと娘が寝た後の

 

誰も居ない和室で

 

祭壇の蝋燭を点けて、棺のお顔の部分の扉を開けました。

 

螺旋状のお線香に火をつけて

 

熱い緑茶をお父さんのために淹れました。

 

 

 

おとうさん…。

 

 

お疲れ様でした。

 

大切にしてくださって、ありがとうございました…。

 

 

 

 

小さな声で、話しかけてみました。

 

 

お父さんの淀みないおしゃべりには、やっぱりかなわないなあ。

 

 

知らない人みたいになって眠る義父に

 

このくらいしか言葉が出てこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の葬儀の

 

立派なお花

 

義母の挨拶

 

姪っ子の手紙。

 

 

棺に入れられた義父の帽子や、大好きだった煙草。

 

涙と あたたかな言葉と共に、棺の中を埋めていく花。

 

 

お父さん、幸せだね。

 

いい人生だったなあ…。

 

 

私は、もしかしたら実の父の時よりも泣いてしまいました。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

突然すぎて葬儀もできず

 

顔を見てお別れも出来なかった姉のことを思うと 

 

胸が痛かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、東京に戻り、ある人の講演会に行きました。

 

 

朝から冷たい雨が降っていて

 

ふと、姉の遺品の傘を使おうと思い立ちました。

 

 

 

炎が回らなかった玄関の下駄箱から出てきた傘。

 

 

落ち着いた無地の赤色で、黒い革の取っ手。

 

16本の骨。

 

 

ずっと前から私が「こんな傘が欲しい」と、思っていたような傘でした。

 

お店やネットで探しても、なかなか見つけることが出来なかったこんな素敵な傘を

 

姉はどこで手に入れたのだろう。

 

 

 

義父の葬儀から帰ったばかりの疲れと寂しい気持ちを

 

この真っ赤な傘を使うことで、明るい気持ちに切り替えたかった。

 

 

 

傘を差して駅に向かいながら

 

顔を上げてびっくり!

 

 

 

無地だったはずの傘に、桜の花が咲いている!

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私が気付かなかっただけ…?

 

 

 

 

 

 

 

3月も後半に入ったのに、横殴りの雨は冷たくて

 

やっとの思いで会場のあるビルに着いた時には、手がかじかんでいました。

 

 

 

受付で名前を書いていたら

 

受け付けの女性が

 

「私も同じ傘持ってます」

 

と。

 

 

 

思わず

 

「どこで買ったんですか?」

 

と、訊いてしまいました。

 

 

自分も持ってる傘なのに、そんなこと訊くなんて変な人だな、と思われたかもと思ったけど

 

その人はニコニコしながら「ネットです」と教えてくれました。

 

 

「雨に濡れたときだけ桜が浮き出てくるんですよね。『浮き桜』って言うらしいですよ。」

 

 

 

 

『浮き桜』…。

 

 

 

 

 

すごい偶然。

 

 

まるで、姉が その人を通して答えてくれたみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今朝の東京は雪景色でした。

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でも、来週には桜の花が咲くそうです。

 

 

 

 

 

 

 

いつもいつも、一筋縄にはいきませんね。

 

 

 

私達、毎年春にじらされてますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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