初ヒガシシマドジョウをなんとか釣り終えた私は、初スナゴカマツカを釣った所を偶然通ったりして日本海の近くまで移動した。そこを流れる二級水系の本流が次の舞台で、狙いはニシシマドジョウだった。
東といえば西、というわけではなく、偶然そうなっただけだが。
最初の橋の下はちょっと流れがありすぎて砂場もほとんどなかったので、たしか三つ上流の橋まで移動。上から下流を見ると浅いワンドにそれらしき大きな影があった。だがこれは後でウキゴリ類らしいことがわかった。
上流側を見ると、橋げたの上流端の前がオダのあるいい感じの環境で、魚影があったので降りて行った。
そして底をよーく見ると、いた!ニシシマドジョウがちらほらと。
ヒガシシマドジョウに使ったもののうち、竿を九尺から六尺のひなたに替えたものを準備し、狙い始める。
手前にいる数尾は小さすぎてカットしたアカムシでさえ喰い込まなかった。奥には良型もいて見つけ次第口の近くにエサを置くが、ヤリタナゴなどに取られたり、避けたりで、こちらもなかなか喰い込んでくれなかった。
途中、巨大なモクズガニが現れたり、大きなニゴイ一尾や鮎の群れが寄ってきたりした。いい川だ。
そんな中、橋げた側のオダの横に現れたキャッチャブルなサイズが、ちょうどエサ取りがいない時に口の近くに来たエサをモグモグとする仕草をしたように見えたので、アワセたところ、激しく暴れる姿を見せた後に上がってきた!
ここでの釣りとしてはわりと早めに結果が出せたので、「づれだー」ではなく「釣れたー」が口から出ていた。
それにしても10月中旬だというのに嫌になる暑い日だった。
初めて釣ったニシシマドジョウ
初ニシシマドジョウの俯瞰
初ニシシマドジョウの腹側
初ニシシマドジョウの別影
初ニシシマドジョウの近影
初ニシシマドジョウの斜め正面
ニシシマドジョウのハビタット
ヒガシシマドジョウのところでも書いたが、かつて日本にはシマドジョウ、ヤマトシマドジョウ、スジシマドジョウの三魚種しかいないことになっていた。
このうち、シマドジョウ西日本グループ2倍体型と呼ばれていた群が、2012年の論文によりニシシマドジョウという新種となった。
ニシシマドジョウを狙い始めたのは2020年の春からで、北陸地方のかつて新聞で紹介されたことのあるスポットへ行ってみたが、魚影はなかった。
2020年の秋には岐阜県内で探したが、見つからなかった。また琵琶湖周辺では釣れたものの、分布の重なるオオシマドジョウとの区別ができないことを思い出し、初物とはしなかった。さらに兵庫県北部では見つけたものの、エサを喰ってはくれなかった。
今年の春には、この兵庫北部の個体群に再挑戦しようとしたが、魚影そのものが見つからなかった。また、岐阜県内の別の地域や北陸でも探したが、見つからなかった。
そして今回の遠征では、幸運にも最初に訪れたこの川で結果を出せたので、その後に予定していた六河川は全てキャンセルできた。
これでかつてシマドジョウと呼ばれていた、オオシマドジョウ、ヒガシシマドジョウ、ニシシマドジョウ、トサシマドジョウのうち、トサシマドジョウを除く3種を釣り終えることができた。トサシマドジョウについては、高知県内では釣り禁止なので、土佐で釣れないトサシマドジョウを狙うかどうかは今のところ未定だ。