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2018年、恒例となっている春の本州遠征では岡山、徳島でのたなご探索が不調に終わった後、琵琶湖にやってきた。狙いは未だ釣ったことのなかったアユで、五月の中旬のことだった。

 

その一年前に初ホンモロコを釣った後で、周辺を探索した際に、湖岸にそれらしき群がいるのを確認していたので、今回はそこで釣ることにした。川の混雑を避ける意味合いもあった。

 

仕掛けは、オーナーの小鮎パールシルバー5本3号と言うパール付きからバリ胴付き仕掛けで、一番下にナス型オモリの4号を付けた。これをホリデー小継5.4メートルと組み合わせ、ハリ5本全てに釜揚げシラスの頭を付けた。

 

竿から真下に下げた状態で届く範囲に群れがいたので、ウキは使わずに仕掛けを静かに群の中に投入。仕掛けを張って少し動かした。

 

だが結論から言うと、全く掛からなかった。いや、なんとか一尾掛かったのだが、よく見ると口の外からハリが掛かっていた。護岸にヒラ打ちした際に偶然掛かったのだ。

 

湖岸をあきらめ、翌日、コアユで有名な流入河川へ下見に行ってみた。だが前夜に降った大雨の影響で増水しており、唯一釣っていたふた組もボウズを食らったと言っていた。

 

数日後に再び訪れると、川は平水に戻っていた。今回はコマセをラセンに付けて釣る、流行りのはままつ方式の原型である、オランダ仕掛け(ラセンタイプ)でやってみることにした。

 

使ったのはオーナーの小鮎完全セット(上州屋特注オリジナル)で、コマセには、マルキューの小鮎マキエにすりつぶした釜揚げシラスをほぼ等量混ぜたものを使った。

 

 

その先日の下見でアオサギがたくさん群れていたスポットで釣り始めるが、全く釣れないしアタリもない。偏光グラス越しに見ても魚影がない。雨の後に遡上したはずなのだが。

 

こんなはずではと思いながら上流へ歩いていくと、流れが巻いているスポットでおじさんが入れ食いでコアユを釣っていた。いるところにはいることがわかって少し安心した。

 

そのスポットの上流の瀬脇で釣りを再開。上流に仕掛けを入れ、大きな玉ウキが仕掛けを引きずる形でゆっくり流れていく。ウキ下は水深の1.5倍ほどにした。

 

仕掛けが流れ切ったので上げたところ、予期せぬ魚の手応え! アユの銀鱗が水面から飛び出した!

 

思わず、「釣れたー」をフェイドアウトしながら繰り返していた。アユってホントにエサで釣れるんだと実感した瞬間だった。

 

初めて釣ったアユ(コアユ)

 

初アユの顔

 

初アユ俯瞰

 

初アユ腹側

 

この後立て続けに二尾釣れたが、これらは初物と違い、大きな玉ウキが沈んだりバシュっと横に動いたりするアタリが出て釣れたものだった。

 

二尾目のサイズアップしたアユ。黄色い斑紋も出ており、もう小鮎とは言わせないといった面構えをしていた。

 

その後はアタリも魚影もなくなったので、納竿とした。後から来た下流の人は未だ釣れていないようだった。やはりアユと言えどもエサで釣る以上、マヅメ時の方が釣れるようだ。

 

このように少し苦労したが、無事に人生初アユを手にすることができた。以前のように川にゴマンと遡上していればもっと楽に釣れただろうが、一尾釣れればいい私にとっては、遡上量に比例して釣り人が少ない分、かえって好都合だった。

 

日本を代表する淡水魚であるアユをこれだけ後回しにしたのは、友釣りでしか狙えない敷居の高い魚だと思い込んでいたからだった。

 

一尾釣るのにわざわざ友釣り道具一式揃えるのももったいないなあと思っていたところ、ルアータックルにアユ型プラグを付け、その後端のアイにスプリットリングを介してタル型ハリス止めを付けて掛け針を通すやり方があることを知った。

 

これで行こうと思っていた矢先、さらに友釣りでなくても小鮎ならエサで釣れることを知り、今回に至った。アユのエサ釣りに関しては、河口で未成魚がミミズで釣れることは知っていたが、まさか川で釣れるとは思わなかった。せいぜいドブ釣りで毛針に喰いつく程度だろうと考えていたからだ。

 

ところでアユは日本固有種だとずっと思っていたが、調べてみると、日本が分布の中心ではあるものの、東アジアの一部にも分布しているとのことだった。

 

アユのハビタット