2016年4月、岡山県を訪れる機会があったので、ある河川の本流で、未だに九州では顔を拝むことに成功していなかったカワヒガイを狙った。
仕掛けは2.65メートルのたなご用ウキ仕掛けで、ハリは新虹鱗、ハリスは黒、エサは生きたアカムシを使った。タナは底。
アブラボテ、タモロコ、シロヒレタビラ、イチモンジタナゴ、スゴモロコ、カネヒラは釣れるものの、なかなか本命が来ない。
そこで、下流側をラン&ガンしてみたりしたが魚影そのものがなかったので、一番アタリの多かったスポットへ戻り、腰を据えて釣ることにした。すでに現地に到着してから6時間ほど経っていた。
すると、何尾目かのシロヒレタビラのオスの後に、ムギツクが来た。佐賀でムギツクとカワヒガイが混泳していたことがあったので、カワヒガイも釣れるんじゃないだろうかという希望が湧いてきた。
そしてその一時間四十分後、わずかな押さえ込みのアタリで掛かった魚が水面から飛び出た瞬間に、思わず叫んでいた。
「やったー!」
悲願のカワヒガイだった!破顔一笑。ホントに嬉しかった。六年目にしてようやく手にすることができた。
それまで九州では何度もカワヒガイを目撃する機会があったが、見釣りではどうしても釣れなかった。また流れが速いところにいることが多く、釣り辛かった。
また、水族館での観察によると、朝マヅメにしか餌を摂らないとあったので、それも釣れない原因かもと思っていた。
ただ、本州では時々釣れている魚なので、今回の釣行はかなり期待して臨んだ。
期待が大きかっただけに意外な苦戦に、「岡山よ、お前もか」ともう少しで言うところだったが、それだけの苦労に値するとてもユニークな魚種であることは間違いない。
今度はぜひオスを釣ってみたいものだと思った。
2017年11月に福岡県内で釣れたカワヒガイのオス
カワヒガイのハビタット
兵庫県内で釣れたカワヒガイ、2021年秋